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えしん(旧)  作者: 松歳 夕御飯
第二章「首吊り死体事件」
7/36

関係

前回までのあらすじ

帰宅途中に車に跳ねられたと思ったらいつの間にか超能力が使える世界に来ていて、あった死体から推定して殺人者がいそうなので見張りをつけたにも関わらず仕事放棄して寝てました。

「お前ふざけんなよ...」

「運が悪かったら全員絶命してたよ?」

前田原が言葉責めにあっている。必然だろう。しかし、そんな状況なのに馬原さんは漫画を読んでいる。

「なにを読んでるの?」

「第三次世界恐慌」

なんということだ。この漫画がグロい!大賞に輝いたあの作品を読んでいるではないか。恐ろしや。といいつつ内容が気になる僕は、1巻を貸してもらい、読もうとした。そのとき、馬原さんがバッグから23巻を出した。この人のバッグの中に4次元でも広がっているのだろうか。そしてなぜそんなに多くの巻を持ち歩く必要があるのだろうか。

*****かなりの時間がたった。*****

十巻読み終わってしまった。果たしてこの後どう続くのかが気になる。そんなことよりも解決しておくべき疑問がここに来てから幾つもある。前田原への一方的な説教も終わったようなので、ここで話そう。

「まず質問だけどここどこ?」

結構大事な質問である。

「なんか村の入口のところに緑村って書いてあったよ。」

純と夜鬼が同時に言う。その名前には聞き覚えがあった。

緑村。自分が住んでいる緑市の北のほうにある盆地に囲まれた村である。

「やっぱお前も思い当たる?」

と夜鬼。

「えっ、やっぱ緑市と関係ある?」

どうやら緑市に住んでいる人ばっかりがここに来たらしい。純も円方も前田原も反応する。

しかしそういうことではない。まあ、緑村なんて村は規模が小さすぎて緑市に住んでいる人でも殆ど知らないぐらいだが、

「小学校のころ『わたしたちのまち』で学習しただろが!!!」

と心の中で叫ぶ。一応解説を入れた。

「なるほ」

と夜鬼。なるほどを略しているつもりだろうが、そこは「なる」まで略して言うものじゃないだろうか。それにしてもおかしい。緑村の盆地は、緑市中部、山間市東部、東近畿区西部、そして50年前にできた金剛石ダムに囲まれている。要は海は見えないはずなのである。別の緑村、ということはない。検索サイトで検索しても、ここしか出てこなかった。じゃあ、なぜだろうか。しばらく考えていたが、一向に答えがでない。考えることを放棄し、次の質問に移る。

「なんで超能力使えるの?」

「知るか」

夜鬼が即答。

「わからん」

純二着。

「どうしてここに飛ばされたの?」

純が口を開こうとしていたが、

「知るか」

また夜鬼が即答。

どうやらわからないことだらけらしい。



夜鬼が突然口を開いた。

「じゃあ次俺が質問するよ。」

「ドーゾ」

「このあとどうすんの?そして殺人犯への対策は?」

なるほど。核心を突いた質問である。

「あ。そういえば今日登校日だ」

思わず口が開く。

「原樫、落ち着けこんな状況で学校行けない」

夜鬼がフォロー。確かに。

「しかも行きたくない」

おい。

「まあ、当分は食料やら調達して、生き延びないとね。余裕が出来たらなんとかエスキュー要請しないとね。ここが現世だったらの話だけど。」

純が言う。馬原さんや、夜鬼が少し暗い顔をする。


いや、馬原さんは漫画を読んでる。たぶんこっちの話全然聞いてない。そのとき、前田原が空気をぶち壊した。

「おい、誰か外で遊ぼうぜ!!」

「じゃあサッカーやろうぜ!!」

円方、お前もか。

「おっしゃ外行こう!!」

「イェーイ!!」

円方が自分のバッグからサッカーボールを取り出し、わざわざ能力を使ってすごい速度で外に出る。



嵐が過ぎたように静かになった。果たして彼らは話を聞いていたのだろうか。そしてサッカーは二人ではできないのではなかろうか。



しばらくして、

「それよりも先に村を探索すべきなんじゃないの?」

・・・確かに。そして驚くべきことに、発言したのは馬原さんだった。話聞いてたんだ。

円方「よくよく考えたら二人じゃサッカーできないじゃん」

前田原「確かに」

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