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えしん(旧)  作者: 松歳 夕御飯
第一章「コンビニのパンから始まる」
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御宅

前回のあらすじ

村にいろんなひとがいました。

「原樫ー」

夜鬼がいきなり呼びかけてくる。手に持っているのはどこにでも落ちている石ころである。それを何の合図もなしに投げてくる。当然身構えるが、体に当たらない。目を開けると、尻餅をついていた前田原に石ころがぶつかった。

「たぶん防御壁でも張る能力じゃないか?」

と夜鬼が言う。しかし、力を思いっきり入れてみても、なにも出てこない。その様子を見て、夜鬼が

「透明のな」

と付け加える。なるほど。前田原が

「スゲーけどユージーひどいよ!」

と喚いている。



閑話休題。なぜ死体があるのか。明らかに餓死や自殺などではない。殴られたり捻られたりした跡がある。それも15箇所もある。拳大の大きさなので、学校らしき場所で見た怪物によるものではなく、人によるものと考えていいだろう。それと、明らかにおかしいと思ったところは、右手だけが腐っていることである。何らかの能力だろうか。また、よほどの痛みだったのだろうか、苦悶に満ちた表情をしている。夜鬼によると中学校の同級生らしい。周りから見てもうざい奴だったらしいので、誰かの恨みを買って能力で殺されたのかもしれないとのことだ。

しかし、ここでの問題はこいつを殺した殺人犯が近くにいるということだ。外に出るのは危険なので、とりあえず夜に村の探索をするのは危険と判断し、朝までここで寝ることにした。殺人犯がここに来る可能性も否定できないので、交代で見張りを付けることにした。まず目が冴えているという夜鬼。そして前田原、僕、円方、純、早起きらしい馬原さんの順だ。二時間おきに交代することになったが、この建物に時計がない。夜鬼は腕時計も携帯電話もなくし、僕と純が持っていた携帯電話も電源がつかない。つまり、時間が計れないのだ。とりあえずどうしようもできないので、眠くなったら交代ということにして、馬原さんまでまわったら夜鬼にもどる、というようにした。

ふすまの奥にあった大量の座布団で体を冷やさないようにして寝る。前田原が、

「座布団投げして遊ばない?」

とか聞いてくる。どれだけ元気なのだろうか。電気のスイッチを落そうとして気が付く。電球が見当たらない。しかし、スイッチを消すと暗くなり、付けると明るくなる。とても不思議なことだったが、眠気に負けて、明日にしようと考えた。明かりを消す。そして座布団の上に頭を置き、自分の体を座布団で囲んだ。




なにやら足音が聞こえる。近づいてくる。前田原だ。僕の枕を取って悪戯をしようとしている。とりあえず、眠かったので、説得し(ひとつ座布団を投げ)て、寝た。














起きた。朝だった。つまり、見張りが回ってきていない。夜鬼は座布団で寝ていた。そして馬原さんが相も変わらず漫画を読んでいる。さすが早起き。

玄関を見に行ってみると、前田原が壁に寄り添って寝ていた。

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