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えしん(旧)  作者: 松歳 夕御飯
第一章「コンビニのパンから始まる」
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影響

前回までのあらすじ

友人が瞬間移動できるらしいので、村まで連れて行ってもらいました。

村についた。後ろをちょっと見るとなるほど、さっきいたと考えられる山地の部分が例の豪邸に隠れて見えない。このせいで村を見つけられなかったのど。それにしても近くで見るとでかい。それはさておき、村なはずなのに灯りの付いている家がひとつしかない。集会所みたいなところだ。看板に集会所と書いてある。そのまんまだ。夜鬼は当たり前のようにそこに入り、

「人いたよー」

と気の抜けた声で言った。慌ててついて行くと、集会所の中にはタイルカーペットが敷き詰められており、そこに三人の人がいた。一人はうつぶせになって寝ていて、一人はおっさん座り、もうひとりは立ちながら漫画を読んでいた。全員一斉にこっちを見る。おっさん座りの人が

「名前は?」

と聞いてきた。まず最初に聞くことがそれだろうか、と思いながら口を開くと、

「こいつは原樫で、小学校のときからの友達だ、インターネットとかからの雑学は無駄に覚えるくせに社会とか覚える種類の勉強が苦手っていうちょっと変わってる人だ、ちなみに超能力はないっぽい」

と横で夜鬼が一息で言いきり、思いっきり息を吸った。口を閉じ、お前のほうが変人だろ、と心の中で思った。

*****

夜鬼裕二。小学校6年生の時に数学検定2級に満点合格するというくらいの脳を持つ天才かつ、親戚に武道を教えている人が多いらしく、居合と剣道を習得しているチート性能の男だが、すごい変人である。休み時間中に唐突に踊り出す(しかも誰も知らないものを)、夏休みの自由研究にオイラーの定理を証明したものをプリントで一枚だけ提出したり、とりあえずやりたい放題やっているが、誰にも迷惑をかけない。そんなヤツである。

*****

さっき名前を聞いてきた人が、

「じゃあ、こっちも自己紹介するね、僕の名前は美沙原(みさはら) (じゅん)で、純ってよんでくれていいけど、勉強は月並み、ここにきてから空中に浮く水玉をあやつれます。」

と空気を読んだように一息で言った。次に漫画を読んでた人が漫画を読みながら、

馬原(うまはら)奈野香(なのか)。」

とだけ言った。そして、寝っ転がってた人が飛び上がり、

丸方(まるかた)(しゅん)、十三歳。サッカーが三度の飯より大好きで、勉強は雑巾のにおいより大嫌いで全然できない、ここにきてから空中をすごい速さで跳べまーすなので移動とかに役立つかも」

と対抗するように一息で言った。たぶん負けず嫌いなんだろう。それからしばらく沈黙が続き、純が突然

「そういや原樫君はどっから来たの?」

と聞いてきた。今までのこと云々を話すとやっぱりか、みたいな顔をされた。そのとき、突然扉の開く音がして、

「死亡者発見!!」

という大声が聞こえた。

「って知らない人がいる!!」

「落ち着け、そして死体を中に入れるな、臭くなる」

夜鬼はこんな状況でも冷静である。

「ちょっと聞いてよ~ユージー」

と言いながらその男は夜鬼をハグしに行く。

「おいその死体を持った手をこっちに近づけるな、まず手を洗え!」

瞬間移動で夜鬼がかわす。ちょっとしたパニックである。

*****

しばらくお待ちください。

*****

夜鬼がさっきの男に僕のことを紹介している。

「で、二人は同級生か何か?」

と僕が聞くと、

「えー」

夜鬼が面倒くさそうに言う。

「こいつは前田原(まえだわら)。今まで人を探させにいってた。超能力っぽいのはないらしい。そしてこいつとはここで初めて知り合った。ちっこいし馴れ馴れしいんだよお前」

「よろしくねー原樫くん」

といいながらなんの脈絡もなく飛びついてくる。超笑顔で。思わず身構える。すると、

「ぶべらっ」

と言いながら前田原が僕の前でしりもちをついた。まるで僕の前で見えない壁にぶつかったように。そこにいる馬原さん以外が目を見開く。っていうか馬原さん何を読んでいるんだ。

「お前の超能力もしかして...」

夜鬼が珍しく驚いた表情で言う。

「俺を近づけさせない能力!?」

前田原が言う。それは違うだろ。

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