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えしん(旧)  作者: 松歳 夕御飯
第一章「コンビニのパンから始まる」
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異常

前回のあらすじ

不注意で轢かれました。

気がつくと...

森の中だった。見たことのある木や見たことのない木がそれぞれに生えている。どうにか混乱している頭を鎮め、よく考えた。きっと、あのあと轢かれて意識が飛んで即死だったんだろう。しかし、それとこんな場所にいることとの辻褄が合わない。するとここは死後の世界だろうか。しかし、天国でも地獄でもなさそうだし、そもそも三途の川を渡った覚えはない。それともありがちな異世界に飛んだ、というやつだろうか。そういう話では決まって魔法というものが登場するはずだが。それを確かめるため右手を前に出し、左手でそれを持ちぐっと力を込めた。しかし予想は外れ、魔法らしきものは全く発生しなかった。まあ、見えている景色は至って現実的であるので、異世界という線はなさそうである。ここがどこなのかはさておき、この先どうするか考えた。よくよく考えると肩にかけていたはずの鞄も無くなっていることに気がついた。場所を確認するためとりあえず高いところに登ろうかと考え、近くの木に登った。が、木が生い茂り過ぎていて結局周りが見えない。木から降りようかと目線を下にずらしたとき、見覚えのある日の丸を模した弁当がそこに落ちていることに気がついた。それを最後の手段として持っていくことにした。地面に落ちていた木の枝を目印になるように突き刺し、自分、原樫誠司は服(Tシャツと上着)とズボン(ジーンズ)と服、ポケットに入れている携帯電話そして日の丸弁当を持って当てもなく太陽の方向に歩き始めた。



のだが、

さて、いきなり開けた場所に出た。どうやらここは盆地を囲む山地にある森らしい。小さな盆地の中にある森と盆地のど真ん中に構えているとても大きい豪邸が見える。見えている豪邸は家の近くにあるマンション10個分を連ねたぐらいの大きさがある。一日に万単位でお金を使う知人の家でもこんなに大きくない。普通に考えて、こんな村さえ見当たらない山奥にそんな豪邸があるのがおかしい。しかも、盆地のむこうに見えるのは、海と地平線。島か半島である。さて、どうするか。丁度よくお腹が鳴ったので、とりあえず考えるのをやめてとりあえず日の丸弁当を食べることにした。


さて、今初めて気がついたがお箸がない。手で直接食べざるを得ない。しかも空腹は最高の調味料というが、僕は梅干しが大嫌いなのである。かといってももったいぶってる状況ではないので仕方なく食べた。心の傷に酸味が染みる。


口の中が酸っぱい。さて改めてどういう状況か考えた。お腹が空くのであの世ということは考えづらい。よくある転生とかいうやつならば、姿も変わっていないし、自分が魔法やら使えて強いわけではない。そういえば、力はどうだろうか?近くにある木を力いっぱい押してみたが、むしろ前より弱くなっている気がする。では、ここを現実世界だと仮定すると、ここはどこか。そもそもここは日本だろうか。あと、誰がどのような目的でここに運んだか。というか、なぜ轢かれたはずなのに無傷なのか。よくよく考えるとどこかわからない場所で食料も尽きているこの状況はまずいんじゃないかと考え、とりあえず連絡をとろうと思って携帯電話を開いたが、電源が切れている。僕はとりあえず豪邸に行ったら連絡とかできて、どうにかなるだろうという安易な考えを持って豪邸の方向にまっすぐ向かった。

*****

彼の携帯は充電が切れていた。彼はすっかり忘れているが、家でフル充電してそのまま使うことのなかった携帯が、である。携帯といえば、使い続けても3日持つのが当たり前なこの時代では、異常なことである。外傷もないし、故障した様子もない。

*****

この森を舐めていた。早くも来た方向と向かうべき方向を見失った。何故かシャツの胸ポケットに入っていた方位磁石を見たが、どの方位から来たかわからないんじゃ意味がない。

その瞬間閃いた!

そうだ、太陽の方向は覚えている。上を見上げると、一面を葉っぱが覆っていて、全く見えない。そして、方位磁石の南はさっきと違う方位を指していた。くそったれ。やけくそで投げると、方位磁石が着地した岩にそのまま引っ付いた。すごい。こんなに磁気を帯びた磁鉄鉱は、珍しい。しばらく眺めていたら、空を覆っている葉が赤みを帯びてきた。やばい、夜になる。だが野生動物に食われて死ぬかもしれないという実感が全然わかない。なぜだろうか。などと考えてながら歩いていると、建造物が目に入った。走り寄って見てみると、そこには豪邸でなく廃れた学校の校舎のような建物があった。とりあえず、人がいるかの確認と共に、ここに入ることにした。ここに来てから動物の物音一つしなかったが、さすがに夜に外で寝るのは危険だろう。

「誰かいらっしゃいませんかー」

久々に言葉を発した。そして聞いた。自分の声に感動しながらも、木の軋む音が返ってきて、気を落とした。施錠されてたらピンチだとか思っていたが、ドアがそもそもなかった。誰もいなくて施錠していないのだから、使っていいだろうと勝手な解釈をして、宿としてこの建物を使うことにした。

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