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雨玉  作者: 春夏
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ピンクの味

3人の恋の物語が始まっていた。

 きれいに桜が咲き散っていく。


 私は貴方のきれいな瞳に恋をしたんだ。


 その恋は報われない。悲しく、苦しい。


 そんなことなんて思ってもなかった。


 今私の恋の物語が始まる。



 ◆

 「千沙っ!何やってんだー?」


 「千沙~早く来てよぉ~」


 みんなの声が聞こえてくる。


 小走りしながらみんなのところに近づいて行く。


 「今行くってばっ」


 「よしっ、やっぱり今日は勉強会でもしますか!」


 「っつか、啓(けい)勉強なんてしないでしょー」


 「ははははは」


 私たち3人はけっこう子供からの付き合いなんだ。


 中学3年生になってからはあんまりしゃべらないけど・・・。


 恋愛対象には見たこともない。


 啓はモテルほうだと思うけど。


 私の心友の安堂果歩(安堂かほ)は啓のことを、どう思っているかわからないけど。



 ◆

 受験シーズン


 3人で同じ高校に行けたらいいなぁって思ってる。


「・・・・・お・・い桜木・・・・千沙」


 「千沙!呼んでるよ」


 「ん?え、はっ!はーーい」


 「何よそ見してるんだ!受験だろ?じゅ・け・んっ」


 「すいませーん」


 そう、私桜木千沙(さくらぎちさ)は頭が悪いのである・・・。


 高校に行けると思うけどレベルの低いところはたしかだ。


 2人に追いつけるようにがんばれらないとっっ。


  


 ◆

 「ふふ~ふ~ん♪」


 数学に使う三角定規はどこにあるのだろう。


 このカビ臭い部屋にいるのはさんざんだ。


 ガッ!


 「ん?」


 「おー千沙」


 「おお!啓かよっ、びっくりしたじゃん」


 「わりーな」


 それどこではない。


 授業が始まってしまうじゃないか。


 あっあったっ!!


 「三角定規っと」


 ガタガタッ


 「よしとれたっ」


 グラグラッガタン!


 え・・・・?


 ガタッ


 目の前が暗くなった。


 「お・・い大丈夫か?」


 「あっうん・・・・」


 どうしようこの状況。


 啓が私の上にのっているではないか!!


 物から私を守るだけだったのだろうと思うけど。


 なんだ?なんだ?


 ドキンドキンッ


 心が激しくゆれる。


 啓の息がよく聞こえる。



 私の初恋。


 君に恋をしたんだっ!

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