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二・今ひとつ

魔法おばさんにはまったく閉口する。ちょっと困るとすぐ魔法を使うんだ。それでいて悪いことをしてるわけじゃあないから手に負えない。こないだなんて警官が追いかけていた引ったくり犯に魔法をかけて犬にしちまった。バッグは戻ったが犯人は依然逃走中。犬の足には警官も勝てない。 #twnovel



閃光に遅れて響く銅鑼の音。あたりは騒音だか静謐だか判別のつきにくいノイズに包まれてて、声をかけようと思ったらよほど喉を絞る必要がありそうだった。髪も服も重く冷たくなっていた。目に流れ込んだか? 視界がにじむ。袖で拭おうとしたが逆効果なのでやめた。「フランク……」 #twnovel



僕の爺やは魔法使い。爺やはすごく優しくて、僕が行くといつも甘くて不思議な味の温かい飲み物を出してくれる。だけど爺やは怒ると怖い。僕は知ってるんだ。爺やの家のあちこちにある石像は、爺やを訪ねてきて怒らせた人たちだってことを。ほら、これなんて前に僕をさらった人だし。 #twnovel



昔は儂らを殺したがる奴らが多かったが、今は儂らの同族に生まれ変わりたい人間が増えておるらしいのう。時の流れじゃの。それはそうと、儂らを殺すための、あるいは殺した武器のことをドラゴンキラーと呼ぶそうな。様になる名前だのう。少なくとも、神キラーよりはずっとましじゃ。 #twnovel



「ほら、僕ってエルフでしょ?」「それがどうした?」「でもさ、某指輪や某島戦記のエルフを引きずってたら、時代に乗り遅れる気がするんだ」「どうすんだよ?」「新しい特徴を考えるの」「ほう?」「例えば過去や未来を視る能力……」「エルフが何したってエルフにしか見えんだろ」 #twnovel



天使はぼやいた。「困るんですよ。実に困ります。それに理解に苦しむ。一体何をしたいのでしょうか? もちろんお断りしていますよ。けれど後を絶たないのです」ここ数年の間に急増したらしいのだが、天国行きの死者の中に、チェーンソーやのこぎりを持ち込みたがる輩が多いらしい。 #twnovel



包まれていた。どこまでも優しく。だからどんなに揺さぶられても僕の心は動かなかったし、叩き落されるような衝撃にも耐えることができた。でも、それも長くは続かなかった。目標地点に辿り着いたとき、僕は自分が少しずつ裸にされていくのを感じた。そう、僕はただの宅配物だった。 #twnovel



簡単なことだった。無論、簡単な相手ではなかった。捕虜はよく訓練された精鋭部隊員で、拷問に耐えるためのノウハウも身に着けていた。その彼が「もうたくさんだ! 何でも話すからやめてくれ!」と叫んだ。実に簡単。ただ彼の好物のパスタを目の前で食べ続ければよかったのだから。 #twnovel



またかよ。僕はうんざりした。新作RPGのストーリーが少し捻りを加えただけのラスボス退治もので、ラスボスが世界を滅ぼす理由の説明がなかったからだ。中ボスが言った。「お前が便利さのために地球を壊す理由を、納得のいく形で説明してくれないか?」僕は呆れてゲームをやめた。 #twnovel



「外の空気を吸うのは二百……いや、三百年ぶりか」「ほ、本当に出た!」「出してくれた礼だ。ひとつだけ何でも望みを叶えてやろう」「叶える望みを百個にしてくれ!」「無理だな」「何でもって言っただろう! 無理ってどういうことだ?」「増やすことはお前の望みではないからだ」 #twnovel

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