第一話 日常
設定等はあるのですが穴だらけです。
矛盾は多彩にありまくります。気にしないでください
一日目
誕生日に父上に日記をねだってみたところ、この日記帳をもらったので今日から書いていこうとしよう。
といって、初めての日記であり特に特徴的なことがあったわけでもないのでこれまでにわかったことを書いていこうと思う。
まず、この世界はいままで住んでいた世界とはどうも違うようだ。要するに異世界だ。
この世界に転生してからこれで五年たつが、生まれたときはとても驚いたものだ。生まれてすぐのことは脳が発達してなかったのかあまり覚えていないが、あれだけは覚えている。私を生んですぐに死んでしまったらしい母上のあの笑顔。あの、この世で一番幸せなのは自分だといわんばかりの愛情にあふれた笑顔は忘れない。
それに、この五年の間にもいろいろあった。といっても、まだこの屋敷から出たことはないけどな。
初めのころはここが異世界とは思ってもいなかった。たしかに、文化が古いなとは思っていた。そしたら、実際に古かった。だいたい、中世ヨーロッパぐらいの文化しかないときた。初めて、馬車を見たときは驚いて父上の腕の中から落ちてしまったほどだ。
そして、言葉も違っていた。ある程度まわりのこともわかってくるといままで聞いたこともない言葉が聞こえてきた。まあ、今考えてもみると当たり前かもしれないけどね。
それにしても、昔はわからなかったけどしゃべるほうが、書くよりも簡単なんだな。しゃべるほうは五年もあればある程度しゃべれるようになったけど、書くことなんてまったくできないときたもんだ。だから、この日記は日本語で書いてる。誰にも読まれないしこれからも日本語で書いていこうかな。
今日はこれくらいにしておこうかな。では、また。
「ふぅ~~~・・・」
日記を書き終えた私はそのままイスにもたれかかった。
そして、チラッと壁にかかっている時計を見る。
長針と短針は朝を示している。
だいたい、ロベルタが起こしに来る時間だ。
なら、起こしに来る前にベットに入らなければ。
そうして、イスから立ち上がると一瞬クラッと来た。
思っていたよりこの身体には早起きがつらかったらしい。
それとも、毎日やっている訓練の疲れが取れないのだろうか・・・
そんな、取り留めもないことを考えながら子供一人寝るには大きすぎるベットに横になる
そして寝息が聞こえ始めた頃、その部屋に一つの音が響いた
トンットンッ
「トルシオン様、ロベルタです。ご起床の時間でございます。」
そういって入ってきたのは、一人のメイドだった。
いや、正確には黒のワンピースにフリルの付いた白いエプロンを付けたエプリンドレスを来たカラスの濡れ羽色と表したくなるような黒髪の美人な女性が入ってきた。
そのたたずまいは、大和撫子そのものを表したかのようである。
「トルシオン様、朝です。起きてください。」
そういって、ロベルタはこの部屋の主を起こし始めた。
「起きてください。」
「う・・・うん・・・・わかったよ、起きるよ。」
「さあ、速く起きてください。」
「ううん・・・・ちょっとまってね、おはよう、ロベルタ。」
「はい、おはようございます。トルシオン様」
そういって、ロベルタはトルシオンの服を脱がそうとした。
「わぁ!?や、やらなくていいよ。いつも通り、自分でやるから!!」
「・・・いいのですか?」
「う、うん。じゃあ、着替えるから外で待ってて!」
そういって、トルシオンはロベルタを外に出すと急いで着替え始めた。
食堂までの道のりをロベルタと二人でしゃべりながら歩いている。
「ねえ、ロベルタ?」
「はい、なんですか?」
そう、小首を傾げながら聞き返してきたロベルタの目を見ながら話す。
「トルシオンって名前さ、言いづらくない?」
「・・・・・・そうでしょうか?いいお名前ですが。」
「うん、ありがとう。だってさ他のメイドたちは僕のことトールって言うでしょう。」
「・・・そうですね。」
「だからさ、ロベルタにも僕のことトールって呼んでほしいんだけど・・・だめかな?」
「うっ・・・・・・いけません。たとえトルシオン様のご命令でもいけません。」
「いや、だから、これは命令じゃなくて、お願いなんだけど・・・それでもダメ?」
「だめです。だいたい、これでこの会話は何度目ですか?」
「えっと・・・・・・だいたい五回目かな・・・」
「いいえ、これで一四回目です。だいたい・・・」
あっ、これでまたお小言かなと思いながらも口には出さず心の中で溜息をつく。
だいたい、ロベルタは頑固すぎるんだ。
可愛く小首を傾げながら聞くという母性本能をくすぐるであろう行為をしながら聞いたのに、了解してくれないなんて。
他のメイドたちはすぐに了解してくれたというのに・・・
そんなことを考えながら話しているうちに、食堂についた。
「うむ、おはようトール。」
「はい、おはようございます父上。」
そうあいさつをしてきた今の父『ハードフタッド・フライヘル・フォン・リヒトホーフェン』にあいさつを返しながら席に着く。
この長ったらしい名前をみればわかるように今の父は貴族である。
いったいこの世界で貴族がどのような役割なのかはよくわからないけど、よく小説とかで書かれている貴族ではなく、しっかりと家族や家の使用人のことも考えている良い父ではある。
そして、その後ろに立っている執事を見る。
実は、私はこの執事の本名知らない。
誰もが彼を、セバスチャンと呼んでいる。
いったいこの屋敷の住民の何人が彼の本名を知っているのだろうか?
「・・ぃ、ぉぃ、おいトール、どうしたトール?」
「え・・・・い、いえちょっと考え事をしていただけです。」
「そうか?そういえば、勉強の具合はどうだ?」
心配そうな影を隠さないまま、父はそう聞いてきた。
「はい、順調です。いま、文字を書く練習をしているところです。」
「そうか・・・まあ、焦ることもない。それと、剣術の訓練のほうはほどほどにな。」
「はい。」
そんな、いつもと同じような会話を交わしながら食事は進んでいく。
そして二人とも食べ終わり、父と執事が出ていくと明らかに部屋の空気が変わった。
「いや~、それにしても旦那様はいつも勉強について聞いてきますね?」
「しょうがないよ、僕はこの家の跡取り息子だからね。」
こうして、気軽に話しかけてきたのがメイドの一人で、使用人たちのムードメイカーであるアーリーである。
「それにしても、君のほうからもロベルタになんか言ってよ・・・」
「もしかして、またお小言もらったの!?」
とびだしそうになる、アーリーを捕まえていう。
「それはもういいけど、名前をさ・・・」
「あ~あ~、名前についてね・・・。あれはさ・・・あ~・・姉さん頑固だからね~。」
「ほんとだよ、姉妹なのにこんなに違うんだもんね。」
「あ~、そんなことないよ。たとえば『アーリー、何してるんです。』あ~、その、食器をかたずけようとしてました。」
「そうですか。では速くいきましょうか。」
「は、はい~。」
「じゃあ、アーリーがんばってね。ロベルタもね。」
「はい。では失礼します。」
そういいながら、お辞儀をしてロベルタはアーリーと二人で食卓の上の食器をかたずけいく。
さて、なにをしようかな・・・。
まだ、日常パートです。これといった動きはないです。
次も日常パートです。
かいていくと、だんだん登場人物が増えていく・・・
最初は三人だけの予定だったんだけえど・・・