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新訳浦島太郎

作者: MANAM
掲載日:2026/04/03

ある日浦島太郎は海に釣りに来ていると子供達が大きな亀をいじめているのを見つけた。


浦島太郎は子供達を追い払い亀を助けるとお礼に竜宮城へ連れて行ってくれると言う。


浦島は亀の背中に乗せてもらい海の中の竜宮城へやって来た。

そこには竜宮城の主である美しい乙姫がおり、亀を助けたお礼としてご馳走を振舞ってくれ鯛やヒラメが美しい踊りを披露してくれる。


楽しい日はあっという間に過ぎ、竜宮城へ来てから三日も過ぎていた。

浦島がそろそろ帰ると言うと乙姫は引き留めるが、それでも浦島は帰る事にする。


そこで乙姫はお土産にと竜宮城の宝である玉手箱を持たせてくれた。

浦島は玉手箱を手に亀に乗せてもらい地上へと戻る。


しかし竜宮城で過ごしていた三日の間に地上では100年の時が過ぎていた。


知り合いは皆死んでしまっており浦島は絶望。

どうせ死ぬならと玉手箱を開けると中から煙が吹き出し浦島はあっと言う間におじいさんの姿になってしまった。


そんな浦島の元へ竜宮城から乙姫が追いかけて来ていた。

もし竜宮城へ戻り自分と一生暮らすのであれば元の姿に戻してくれると言う。


しかし浦島はそれを断り寿命を迎えるまで地上で過ごす事にする。


だが乙姫はそれを許さなかった。


「私と一緒に来ぬと言うのなら鬼になってしまえ!」


そう言うと乙姫は玉手箱を操り怪しい煙を浦島の体に纏わり付かせた。


煙が晴れるとそこには浦島の姿はなく大きな鬼が座っていた。


「これで私とそなたは永遠に一緒です」


そう言うと乙姫は鬼となった浦島を連れ竜宮城へと戻って行った。


それを陰で見ていた亀は浦島を助ける事を決意する。

力を蓄えいつか乙姫を討伐し浦島を助けるため、浦島の持っていた釣竿とそれについた釣り針、浦島の持っていた魚篭を抱き海の底まで沈んでいく。


そして長い長い眠りにつく。


亀が眠りについたその直後竜宮城が海底から浮上し海上に一つの島としてそびえ立った。



それから数百年後。


あるのどかな村の川でおばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃が目の前に流れて来た。

なんじゃらほいと拾い上げ、おじいさんと食べようと家に持ち帰りその大きな桃を着ると、何と中から男の子がうまれてきた。


そしてその桃の中には釣竿、釣り針、魚篭の三つが入っていた。


おじいさんはそれを神棚に置き、そして桃から生まれたその子を桃太郎と名付け育てる事にした。


桃太郎はすくすくと育ちそしてある日神棚に置かれた釣り道具を見て思い出す。

自分は元々亀でありあの日浦島の釣り道具を抱き長い眠りについた事。

そしてその悠久の時の中で亀の甲羅は桃へと変化し自身もその中で人として生まれ変わった事を。


亀の桃太郎は竜宮城へ…そう、今この時代では鬼ヶ島として恐れられている場所へ乙姫討伐に向かう事を決意する。


その決意を聞いたおばあさんは桃太郎にきびだんごを持たせてくれた。

そのきびだんごを釣竿、釣り針、魚篭へと付けてみると何とみるみる犬、猿、キジへと姿を変えた。


こうして亀の桃太郎と元浦島の釣り道具達は鬼ヶ島へと旅立つのであった。


鬼ヶ島へ着くとキジが空から門の内側へと回り込み閂を外し門を開け放つ。

桃太郎達は乙姫の居城を目指し道中の鬼達を倒し駆け抜ける。


ヒレやエラがある鬼達。この鬼達は乙姫の呪いにより鬼にされてしまった竜宮城の魚達。

かつての仲間を忸怩たる思いで斬り捨てながらようやく元竜宮城までたどり着く。


そこには鬼浦島と数百年経っても美しいままの乙姫姿があった。


「浦島、あの者達を始末して」


乙姫が命令すると鬼浦島が桃太郎達に襲いかかる。


説得を試みる元釣り道具達だが浦島の耳には届かない。

浦島の心はもはや人のものではなくなっていた。


そして桃太郎は決意する。浦島を救うには倒すしかないと。


桃太郎と仲間達は力を合わせ鬼浦島と戦う。そして苦戦の末に鬼浦島を討伐する事に成功する。

だが桃太郎達にはもはや戦う力は残されていない。


鬼浦島を倒された乙姫は激昂する。玉手箱を取り出し攻撃を仕掛け桃太郎達は吹き飛ばされる。

倒れたまま動けない桃太郎達に追い討ちをかけようと玉手箱を操ったその時あまりの憎悪の力に暴走を始める。


そして玉手箱から閃光が放たれ乙姫目の前で大爆笑が起こった。


桃太郎達が目を開けるとそこには倒したはずの鬼浦島が玉手箱を抱き抱えぼろぼろになっていた。

人の心が残っていないと思われた鬼浦島には乙姫を思う一欠片の愛情が残っていたのだ。

乙姫はぼろぼろになった浦島に縋りつき泣いている。


そして鬼ヶ島全体が揺れ始め外を確認すると島全体が沈み始めていた。


桃太郎達は痛む体を何とか動かし鬼ヶ島を脱出。

乙姫と鬼浦島は、鬼から魚へと戻った数多の光に包まれ島と共に海の底へと消えて行った。


その後桃太郎は村で幸せに暮らし犬、猿、キジは元の釣り道具へと戻り、海の見える場所に建てられた社に三種の釣具として奉納された。


その社からは時々海の底に綺麗なお城が見える事があるらしい。

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