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2話「魔王様と剣聖?」


「……ちょーっと待ってください。何してるんですか魔王様。前回のラスト、あんなに格好良く『俺様が最凶だと証明する!』とか言って旅立つ雰囲気出してましたよね?」


魔王城の一室。

エリザベスは、玉座でゴロゴロしながらスマホをいじり倒しているあるじに、冷ややかな視線を浴びせていた。


「うむ。今日はなんか指のコンディションが悪くて疲れたから、明日から本気出すわ」

「……ハァ」


猫は深く、深く溜息をつく。


「明日からやる」と言う奴の九割は、明日になってもやらない。それがこの世界のことわりだと、彼女は半ば諦めることにした。

だがその時、魔王がいきなりガバッと起き上がった。


「ふむ。想定よりも早くログボの回収が片付いたしな。行くぞ、エリザベス」

「へっ?」


唐突な心変わりにエリザベスが目を丸くすると、魔王はフッと鼻で笑い、髪をかき上げた。


「『明日やればいい』などと宣う輩が大抵何もしないことくらい、俺様も知っている。だが忘れるな、俺様は魔王ぞ? 王自らが動かなければ、配下は付いて来ない。そう思うだろう、エリザベス?」


「……(なんか格好つけてるけど、そもそも魔王様に配下なんて一人も残ってないし、私ただの猫だし。しかもさっきまでスマホゲーしてただけだし)……そうですね。流石です、魔王様(棒読み)」


その時、またしても重厚な魔王城の扉が、凄まじい音を立てて開け放たれた。


「見つけたぞ魔王! 人々を苦しめる悪の元凶め! 覚悟しやがれ、この銀の剣聖『ギン・イロ』が成敗してくれる!」


現れたのは、これでもかというほど銀ピカの全身鎧を纏った男。

鎧が眩しすぎて、もはや本人の顔すら判別不能である。


「……また来ましたよ魔王様。今度は剣聖だそうです」


魔王は待ってましたと言わんばかりに、玉座でのけぞり不敵な笑みを浮かべた。


「来たか剣聖よ! よくぞこの難攻不落な魔王城に辿り着いた、その努力だけは褒めてやろうではないか! だが、この俺様と戦いたいのであれば、まずは俺様の筆頭配下に勝ってからにしてもらおうか!」


(えぇ……またその展開? というか、なんでこの魔王は無駄にノリノリなの……解せぬ)


剣聖は腰の銀剣を抜き、鋭い剣先を魔王に向ける。


「よかろう。そんな猫如き、俺の敵ではない! 吠えろ聖剣『ミラクルエクスカリバー』、真の姿を解放しろ――リリース!」


魔王はキラキラした期待の眼差しで、剣聖の放つ大技をワクワクしながら待っていた。

一方、エリザベスは面倒くささを隠そうともせず、尻尾をパタンと振る。


「(あー、はいはい。面倒くさい……)――ていっ」

剣聖が神速の踏み込みを見せた瞬間。

エリザベスは欠伸をしながらその一撃を紙一重で回避。流れるような動作で、その顔面へ「猫パンチ」を優しく叩き込んだ。


「いゃー!?」


直撃。

凄まじい衝撃音と共に、剣聖はまるで大砲の弾のように後方へと吹き飛んでいった。


「よ……弱くない? あれで剣聖……? 逆に今の猫パンチで死んでないか?」


魔王のツッコミに、エリザベスはハッと何かに気づいたように振り返る。


「魔王様! もう一刻も早く出ましょう、ここ! 絶対にここに居座ってたら、次の話でもまた変な奴が来ますって! 作者のアホさが透けて見えますよ!」

「……作者? 誰だそれは」

「いいから行きますよ! 下剋上ですよ下剋上!」

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