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第17説 愛情

タナトス達がジークの元に来てから一日が経過した。

そして、ロミオには恋の季節が

ジークには不穏な影が・・・


開始!

朝の陽ざしに力が出てきて、やっと朝だと感じられて来た明け方。それぞれのベットでは、先日に武器を振り回していた少女達だとは思えないほど気持ちよさそうにして寝ている少女達の姿があった。それから暫くして、朝も本格的になって来た頃になって一番最初に起きたのは、主のジークでもメイド達でも無くロミオだった。しかし、ロミオは目の前の光景に唖然とするしか出来ないでいた。


「・・・・・じゅ・・ジュリエット・・・?どうして・・・・」

ロミオが慌てている理由。それは、彼のすぐ横で眠っていたジュリエットが主な原因だった。ロミオが目を覚ました時、目の前にジュリエットがいて驚いて声が出そうになって声を殺して何とか落ち着いた所だった。


「・・ん・・・・ううぅん・・・!?・・えっと・・・お早う・・御座います・・」

どうやら寝起きで驚いたのはどちらも同じなようで、ジュリエットも驚きを隠しきれずに体を震わせて驚いていた。そして挨拶を済ませて起き上がった。その時の彼女の顔が赤くなっていたのは言うまでもない。


「ところで・・・その・・・・わ・・私に・・変なこととか・・してませんよね・・?」

顔を真っ赤にしながらベットのシーツを手繰り寄せて、まるで自分の体を守るようにして身構えた彼女は、これまた顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうにロミオに聞いた。それに顔を真っ赤にしながら否定したいように手を振りながら大慌てで否定したロミオは、胸のドキドキが止まないうちにベットから起き上がった。そして自分は椅子に座り、何も喋れそうに無くなっていた。


『・・・あの!』

二人の声が重なって、お互いに恥ずかしくなって一瞬言葉が詰まった。しかし、ジュリエットが言う順番を譲るように「どうぞ」と控え目な声で言ってくれたので、ロミオは少し気が楽になってなんとか言葉が出るようになってきた。


「・・えっと・・その・・・・ジュリエットは・・」

言葉を続けようとしたロミオだったが、次の瞬間・・


「起っきろ~~っ!朝だぞぉ~~!」

ドアが勢いを付けて開かれてミリアがやってきた。その豪快なまでの勢いに脅かされた二人は、一瞬だけ何が何だか分からなくなった。それに引き換え、ミリアは朝からハイテンションでロミオを起こしに来ていた。しかし、ミリアも想定外の出来事が起こっていた。それが、ロミオとジュリエットの傍から見ればイチャイチャしているところだった。


「・・・ええっと・・・・私が悪いかしら?・・・・それじゃ、続きをどうぞぉ・・」

二人の事に邪魔する気など無かったミリアは、少し苦笑いをしながら部屋を出て行った。その後には、気まずい沈黙だけが残っていた。一方、目を覚ましたジークにも少々奇妙な事が起こっていた。


「・・・おかしいな・・・・ちゃんとベットで寝たよな・・」

やっと目を覚ましたジークは、目の前の状況をいまいち理解することが出来なかった。ジークの周りでは、数人のメイド達が寝息を立てていた。そこまではまだ許容範囲内に入っていると思ったジークだが、それ以前に自分がリビングルームの長テーブルの上で目覚めた事の方が衝撃的だった。


「・・んんっ・・・あっ・・・おにいちゃん・・おはよっ。」

ジークの目覚めのタイミングでも計ったかのように丁度よく目を覚ましたのは、欲張りにもぬいぐるみとジークの腕を両方抱いていたクルスだった。すると、まるでクルスの起床がトリガーになっていたかのように皆が目を覚まし始めた。


『おはよう!お兄ちゃん!』

皆が声を合わせて挨拶したのだが、やはり人数が多いせいなのか部屋の気温が上がって来ていた。ジーク自身も眠る前に風呂に入ったのに服が汗ばんでいた。それはメイド達にも言える事なのだが、流石に皆が用意周到だった。それぞれに自分の為のタオルを持っており、それで拭いていた。何故もう一枚持っているのかと思ったジークだったが、その理由は直ぐに分かった。


『お兄ちゃん!これ使って!』

そう言われ、様々な方向からタオルを差し出されたジークだったが、どれを受け取るか困っていた。すると、今回に限って積極的なクルスがジークの額を拭いてあげた。お礼を言ったジークだが、次の瞬間には皆まとめてジークを拭いてあげようとして手を伸ばし、結果としてジークが殴られる形になっているとは、メイド達は知りもしなかった。しかし、やはり子供だ。それほどの力は無いのでジークは気にしなかった。


「・・兄上、メイド達を・・兄上っ!」

ジークが殴られることに痛みを覚え始めた頃、アダムがジークの部屋に紅茶を持って入って来たがその惨状を見てティーセットを投げ、メイド達の暴走を手刀一つで静めてあっという間に片付け、彼が手を掲げるとその場所にティーセットが見事に落下してアダムは一滴も零さない様にキャッチした。


「・・助かった・・感謝するぞ。アダム。で?こいつらがどうしたって?」

アダムに助けられ、何とか自力で立ち上がったジークは、ふとアダムが部屋に入るときに言っていた事を思い出した。断片的にしか聞こえなかったが、予想でこのメイド達の事だと思ったジークがアダムに聞いた。そして、次の瞬間にはメイド達の髪に髪飾りらしきものを付けているアダムがいた。別にやましい事をしている訳じゃない。ただ、メイド達に何か細工をしているように見えていた。


「・・出来た。そうだ、兄上も要りますか?ヴィーナスさんが作ってくれた護身符なのですが・・」

全員分付け終わったアダムが、ジークの方を振り向きながら持っていた物の説明をした。しかし、ジークは躊躇なくその申し出を断ってリビングを出て行った。その直後にアダムがメイド達を横一列に寝かせて部屋を去ったのは余談である。


「・・・(ヴィーナスが護身符を配った?どうやら、信頼してくれているようだが・・・こっちが信頼しなくてはあちらが可哀そうだな。)・・・お?タナトス・・ヴィーナスも一緒だな。」

ジークが考え事をしながら廊下を歩いていると、対向方向を歩いてくるタナトスと鉢合わせた。その背中には、疲れ切ったのかだらしなく口を大きく開けて眠っているヴィーナスがいた。こういう所を見ると、ヴィーナスとタナトスが兄弟のように見えてくるかもしれないが、本人達が嫌がりそうなので止めておいたジークは、ヴィーナスの頭をそっと撫でて耳元で「ありがとう」と呟いて撫でるのを止めた。


「・・おっと!そうだ主。実は・・「にぅ・・」・・・すまん・・」

再び歩き出したジークとタナトスが、離れて行きそうになった時になって何かを思い出したかのように再びジークに声を掛けたタナトスが続きを伝えようとした時、タナトスのコートの中から一人(一匹?)の子猫ほどの大きさしかない女の子の様な、猫耳を付けた生き物が這い出してきた。それを見てタナトスが何を言いたいか分かったジークが頬を微妙に吊りあげて笑いと怒りを堪えていた。申し訳ないと思ったタナトスが申し訳無さそうに頭を下げたが、ジークはあっさり許してしまった。その理由は、ジークの思いに有った。


「(あんな大柄のタナトスが子猫・・ブハッ!もう無理!後で影で笑い散らさなくちゃ!)」

そんなこんなで抱腹絶倒寸前まで笑いを堪えたジークは、適当にタナトスに挨拶だけして廊下の突き当たりを曲がったところで腹を抱えて座り込んだ。傍から見れば腹でも下したかのように見える構図だ。実際に、その構図と勘違いした者がいた。それは、いつの間に起きたのか掃除に取り掛かっていたアミだった。


「お兄ちゃん!どうしたアルか!?痛いアルか!?ちょっと待ってるヨ!いま医者を・・」

目の前でいきなり腹を抱えてしゃがみこんだジークを見たアミは、大慌てでジークに声を掛けるだけ掛けて、間髪いれずに医者を呼ぼうと何処かへ行こうとした。しかし、実際の所は笑いを堪えていただけのジークだったので、アミを止めることは造作もなかった。掴んだ場所がふとももだったのがいけなかったのか、アミが少し顔を赤くして驚いていたのは余談らしい。


「ちょっ!お兄ちゃん!私・・・まだ心の準備が・・・」

ジークからすれば何を言っているのか分からなかったが、適当に「それじゃ、また今度な?」とだけ言って立ち上がろうとしたが、物凄く不満そうな表情でアミがジークを押し倒そうとした。しかし、そこはジークの反射神経の勝利で、アミがジークを押し倒して(以下略 な事は起こらなかった。


「何やってるんだ・・・それじゃな?」

それだけ言ってジークはその場を去って行った。後には、涙目のまま倒れ伏しているアミの姿、そのすぐ隣のテーブルに無駄に置いてある花瓶だけになっていた。その花瓶に入っていた花は「ハイテンション」と言う、興奮作用と媚薬効果を兼ね合わせた花粉を持つ花だった。しかも花は満開なので花粉も多少は飛んでいる。要は、先程のアミの暴走は、花粉によって増幅された興奮が抑えきれなくなってジークに抱き付こうとした訳である。植物、おそるべし!一体誰がこんな物を置いていたのかは不明だ。元々、知識の豊富なアダムやイブはこんなものを取り寄せる訳が無い。それ以外にもいくつか心当たりを探しては見たが、どれもこれも違っていて外れている。そんな考え事をしているジークは、無意識のうちに庭の裏側に来ていた。そこでは、とある人物が庭の手入れをしているのだった。

次回に続く!

無意識のうちに惹かれるように裏庭にやって来たジーク

そこでは、一人の少女が手入れをしていた。

そして、ジークはその少女に不信感を抱く


次回 第18節 壊れた人形 お楽しみに!

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