1話 冒険者登録
始まりの異世界転生 あれは高校二年の夏休みのことだった。俺は交通事故で死んでしまった。
そんな俺の目の前に現れた神様はこう言った。
神界にある世界で暮らして欲しいと。そして特別なスキルを授けるから生きてみないかと言われたんだ。
どうやら事故に遭った俺に生きるチャンスを与えてくれるらしい。しかも生き返り別世界への転生までさせて貰えるとかマジかよ! 神様の言う特別なスキルは”魔力転換”と”スキルWiki”だそうだ。魔力転換は転生先の世界の人々よりも高い魔力を得る為が魔力を100減らして自分の体の中の店で使うときのトークンを交換するスキルで、 スキルWikiは前世で読んでいたネット小説等の内容を簡単に調べる事が出来るという物だった。
そして転生先は異世界の田舎村だと言われた。俺はその世界についてと自分が行くべき場所やこれからの生活等を聞いたんだ。
勿論承諾したさ! そんな訳で神様が何かして転移の準備をしているようなので、どんな世界が待っているのかとワクワクしながら待っていたんだが……どうやら着いたようだ。早速周りの様子を見ようと思い立ち上がろうとすると突然凄まじい頭痛が襲いかかってきた。
何故だ!さっきまでは体のどこも痛くなかったのに……そう思いながら頭を押さえていると段々と治まってきたようだ。
そんな時だった神様が俺の前に現れ声を掛けてくる。そして最後に……、 何 こ の 村 っ て あ あ あああああああああ! おわりいいいいいいっ! “んっん”よく寝たなー
(ん?俺子供になったのか。)あっそうか俺異世界転生したんだ。でも子供ってどうすんだよ。俺大学生だったんだぞ……まぁいいまずはスキルの確認だな。
魔力転換:MP100=1トークンと交換。トークンで自分の世界のものなら交換ができるが人に貸す、あげるはできないが人に使うことはできる。(エリクサー等)
転移:
1KM=10MP +1人(他人のみMP10)*a (正しいいったことのある場所あるいは写真、記憶で見た場所に一番似ているところのみ可能)
転生する場合はMPを最低10000以上なくてはならない。MPが多いほど現在いる惑星から離れる事ができる。
スキルwiki:スキルのことなら何でも知れる。知りたい事を調べたいときに便利な機能。ただし有料のものもある。
ふ~ん転生した世界にはちゃんと魔法もあるようだな、で俺は今どこかの家にいるってことは分かったが親はどこにいるんだ?そう思っていると声が聞こえてきた。
「コラー早く起きて朝ごはん食べなさい!」
お、どうやら俺がいるのはまだ子供部屋のようだし親も俺の隣にはいないし仕方ないだろうと思い返事をしようとすると急に頭の中に声が聞こえてくる。
「分かっているよ母様」
何故だ!勝手に口が動いたぞ
「じゃあ早く降りてきてね。」
そう言って部屋を出ていく音が聞こえる。多分朝食を食べに行くんだろう。でもどうすんだ、転生してから俺の性格とか変わったのか?それとも普段からそんな喋り方なのか?取り敢えず起きて居間みたいなところに行ってみるか……
「おはようコラッド」
「おはようリリット」
「父さんは仕事に行ったわよ今日は帰ってこないからあんたと母さんだけのご飯ね、早く食べなさいね。」
お、どうやら父親がいないようだし母親の名前はリリットと言うようだな、
「わかった。いただきます」
「んっんっ」
(まっず!何この肉っ!?)
俺は今まで食べたことのないほど不味い肉をなんとか食べきるとリリットに母様の仕事について聞いてみることにした。
「母さんの職場は冒険者ギルドだよ、まぁ解体専門のギルドだけどね」
そうか冒険者がいるのか……ってことは魔物がいるんだよな?何倒したらいいんだろう?でもその前に武器を持ってないなどうしよう……と思っているとまた母様の声が聞こえる。
「あんた武器持ってないでしょ今日は散歩がてら教会に行って鑑定してもらいなさい。」
「わかった母様行って来るよ」
そう答えた後、俺は家を出るとそこには村の景色が広がっていた。中世のヨーロッパのような感じで綺麗な建物が並んでいるようだ。そう思っていると前から歩いてきた老人が話し掛けてくる
「おはようコラッド君今日は一人なのかい?」
「おはようデニスさんいえ今日は教会に行ってくるところです。」
(んっ?どうして会話が出来たんだ?それにこれは普通なのか?)と思っているとまたまた頭の中に声が
「神からの祝福であなたは一度聞いた言葉は記憶し使うことができるようになってます」
と聞こえてきた。
そして頭の中で考えたことが向こうに聞こえるわけでもないようだ。これなら問題なく話せるだろうと思っていると老人が驚いた顔をしながらこちらをみていた。
(ん?何か驚くようなことがあったのか?まぁ今は教会に行かないとな)
「デニスさんまた今度遊びましょう!」と言って別れた後俺は教えてもらったとおり村の中心にある教会を目指し歩き始めたんだ。
森の中を歩くこと十五分ほど経っただろうか、やっと教会
「お、着いたみたいだな」
と思いながら教会の中に入ると中には誰もいなかった。
(あれっ?誰もいないぞ……せっかく来たのにな)と思いながら取り敢えず歩いてみると奥のほうから声が聞こえてきたのでそちらに向かってみることにする。
「あの~」
俺が話し掛けると奥にいた男性牧師が驚いたようにこちらを見てくる。まぁ確かに普通の家にあるドアの大きさを10倍くらいにして6メートルほどの高さにした感じのところに入り口があるからなぁ
「もしかして君がコラッド君かい?」
そう聞かれたから俺はそうだよと答える。すると
「こんにちは。」
と、また頭の中で声が聞こえるのでこれは祝福によるものだと思いながら答えることにしたんだ。すると牧師さんは少し驚いているようだったがすぐに落ち着いてくれる。そして俺はまず自分が本当に喋れているのか試してみることにした。
(ふ~ん神様からもらった能力は本当みたいだな)
「それでどうしたんだい?」
そう言われたので今日鑑定してもらうように母様に言われたことを伝えることにする。
「僕の母さんが今日ここに行くようにと言っていたので来ました」
そう言うと牧師さんは軽く頷くと近くにあるドアの向こう側へと案内
「それじゃそこに座っててくれるかな?」
そう言われたので俺は近くの椅子に座ると牧師さんは小さな台のようなものを棚から持ってきて俺の前に置く。その上には水晶のようなものが置いてあったので、
(もしかしてあれで何かわかるのかな?)と思っていると突然頭の中に声が聞こえてきて続いてその声が聞こえてくる。
「すまないが私の手を握ってくれないかな?多分握ることで君の体に魔力を流して詳しく鑑定できるようになると思うからね」
なるほどそういう仕組みか……と思いつつ言われたとおりに右手を差し出す。すると牧師さんの体から出てきた淡い
「んっ?」
(なんだ?なんだか体が温かくなってきた気がする……)
「はい終わりましたよ。もう手を放しても大丈夫です」
そう言われたので俺は手を放すと牧師さんは説明を始める。
「コラッド君は優秀な人ですね、なんと魔力と気力が共に9000越えです!きっと将来は世界でも屈指の魔法剣士になれるでしょう!」
やっぱり魔法剣士なのかと思いながら話を聞いているとどうやら最初は後天的なスキルしか分からなかったようだ。その後は生まれた時からのステータスが頭の中に流れ込んできてそれ
「コラッド君は天からスキルを授かりました。」
スキルを?そう思った瞬間に頭の中に声が聞こえたんだ
(実は神託の時に抜き忘れたスキルがあったんだよそれがこれだ!)
ステータスも+++するしどんなことが出来るんだろうかと思い聞いてみることにした。
「すみません。俺の持っているスキルってなんなんですか?」そう尋ねると牧師さんは答えてくた
「えっとですね、言いづらいけれども、授かりませんでした。というのには変な言語でした。」
「それでなんて言うスキルだったんですか?」
「そうですね。それは、……です」
ん?何か聞こえてこなくなったなと思っているとまた声が聞こえてくるんだ
(それともう一つのスキルも後天的なものだったよ)
俺の二つ目のスキルってなんなんだ?でも確かに魔力とか気力とかが+++されてるし運がいいのかもしれないな。そう思ってステータスをみてみると
(運+500で称号:幸運を手に入れました。さらに世界に愛されし者の称号を手に入れました。それに幸福神の祝福も与えられていますね
「えっ?」
(いや、おかしくないか?確かに運はいいほうだったけどそこまで+++されるものだろうか?それに称号ってなんだ? 幸福神の祝福ってことはあの声の主がくれたのか。でも世界から愛されし者っていうのはどうしてだろう……)
そんなことを考えていると牧師さんがまた説明を始める。どうやら先ほどの話はまだ途中だったようだ。まぁいきなり鑑定されたら普通は混乱するだろうから仕方がないよね。そんなことを思いながら話を聞いていた俺はようやくスキルの内容を知ることが出来たんだ。ちなみに授かり忘れたスキルは雷属性魔法と言う魔法
「俺の二つ名は?」
そう聞いてみると牧師さんはまた驚いた顔をして答えてくれる。
「えっとですね、ちょっとまだこのステータスカードには載っていないんですが、二つのスキルが後天的な物で一つは魔法剣士でもう一つが雷属性魔法のようです」
そう言うとほっとしたのか椅子に座りながら説明を続けてくた
「よかったです、ちゃんと授かりましたね」
いやだから俺は最初からスキルを持っ「分かりましたからそのことは……」……最後まで言わせてくれよ……と思っていると牧師さんが
「一応もう鑑定は終わっていますからお金のほうはちゃんと払いますから大丈夫ですよ」
そうかもう終わったのか、俺は椅子から立ち上がると牧師さんに挨拶をして教会をでて家に帰ることにしたんだ。
家に戻ると母様が出迎えてくれたんだけど……顔が怒っているようだった。何かしたかなと思っているといきなり話し出したんだ。
「あんたなんで帰ってきたのに玄関から入ってこないのよ!」
いや知らないけどと思いつつも俺のせいじゃないからねと答えるとその答えが気に入らなかったのか母様は続けるように話してくるんだ。
「どうしてあんたはそんな当たり前なこともできないの!次やったら出てってもらうからね!」
そう言われてから俺は部屋に戻っていく。どうも母様は俺が隠れて家に入ったと思い込んでいるようだったが俺からすれば余計なお世話だった。なんでこの年でコソコソしなきゃいけなんだよ、そう思って部屋に戻り椅子に座りながらいろいろとこれからのことについて考えていてふと壁に掛かってある時計を見るともう12時を過ぎていたみたいでお腹がすいてきたので椅子から立ち上がったんだ。そうして向かう先は冷蔵庫だもちろん台所に……
「あんたまだ居座るつもりなの?」
母様はそんなことを言うが俺には関係ないし、お腹もすいているから。そうして冷蔵庫を漁っているとどうやら俺宛に手紙が来ていたようで中にはこう書かれていたんだ。
コラッドへ 今日の夕食は用意してないから外で何か食べてきなさい!あとあなたはもう働いているんだからちゃんとお金くらい自分で払うこと!」
(ひどい……あんまりだ!)
そう思っていても仕方がないので外に向かうことにするんだが家のドア開けたらなんか暗いんだよね……外に出るのが嫌になるくらいに家の中とは違って
「なんで家の中と外がこんなに違うんだよ!」
ついそんなことを叫んでしまうと突然頭の中に声が
(いや~君が落ち着くように家の空間を少し弄ったよ)
またあの神様か……そう思っていると神様は続ける。
(それより今日おごりで行くんだから美味しいものでも食べてきなさい!じゃ頑張ってね~)
そうして声が聞こえなくなると同時に目の前に美味しそうなレストランが現れるのだった。そしてそのまま俺は店内に入っていくとメニューをみながらどれを食べようか迷っていると店員さんが来て注文を聞いてきたので
「卵とハムのサンドウィッチとコーンポタージュをお願いします」
そう言うと店員さんは驚いた顔をして俺に向かって話しかけてくる。「お客様本日のお食事代はすでに頂いておりますが……」
えっ?どういうことなんだろう……もしかして母様が送ってくれたのかな? そう考えているうちにも店員さんが注文通りに料理を出してくれる。
(うん、美味しいなこの卵サンド)
もぐもぐしながら食べているとあの声が聞こえてきた
(さて、お昼からどうする?)
そんなの決まってるだろと思いながら俺は神様
「そうですね、取り敢えずギルドに行って冒険者登録しようかと思ってます」
と答えると神様は答える。
(うん、それがいいね!頑張ってね)
そう言われて俺はごちそうさまでしたと言ってお店を出ていき冒険者ギルドに向かうことにしたんだ。
この小説のキーワードは何でしょうか?
「ふぅ……やっと着いたぞ冒険者ギルド……」
そう呟きながら俺はギルドの中に入っていくと、そこには広い空間が広がっていた。右側には掲示板や受付のようなものが並んでおり左側には酒場のようなものがある。
(取り敢えず受け付けに行けば良いんだよな?)
そう思いながら歩いていくと目の前に男性が立っていることに気がついた。
「こんにちわ、どういったご用件でしょうか?」
そう言われたのでとりあえず登録をしたいんだけどと言うと、どうやらこちらの事情も知っていたようでそのまま奥の個室に案内されることになったんだ。そしてしばらく待つように言われた
「ふぅ……」(たぶんこれからギルドカードを発行するんだろうな。ちゃんと出来てるといいな)
そのまま待っていると、先程の男性職員が帰ってきたのでいよいよ本題に入ることになったんだ。
「コラッドさんですね?では初めに説明をしますのでまずはこちらの書類にご記入ください」
そう言われたので俺は言われるがままペンを取り項目を埋めていくのだが、書いている途中にふと疑問が浮かぶ。
(あれっ?そう言えば俺のステータスって神様から与えられたやつだよな……全部書き終わらせてからはんこを押すんだった
「あの……すいませんこれって全部書き終わったあとに印鑑を押すんですよね?」
「はい、そうですよ?」
(良かった……間違ってたらどうしようかと思ったよ)
そして全ての項目を書き終えると男性職員に書類を渡す。するとどうやら手続きは終わったようで奥に通されたのでついて行くとそこには白い綺麗なテーブルがあり椅子がおいてあったのでそこに座る。するとギルドの職員は部屋から出ていき別の人が入ってきたんだがその人は俺のところまで来ると挨拶をする。
「はじめましてコラッド君で良いのかな?私が君の担当をさせていただくギルド職員のアイナと申します。今日からよろしくね」(かわいい)
そう言いながら握手を求められたので握り返すと早速手続きについて説明を始めるのだが、どうやらステータスカードを魔道具で読み取るだけで終わりのようだ。ただしこのステータスカードは特殊な物で偽造することはできないようになっているそうだ。そしてもし万が一偽物を作ってもすぐにわかる仕組みになっているらしいので安心だ
(なるほどな……ってなんでそこまで徹底してるんだよ)
そうして色々教えてくれたのだがそれが終わるとギルドについての説明をしてくれたんだ
「まずコラッド君には1番下のランクから始めてもらいます。一番下のランクはG級となっていて最低依頼達成数は30個となっております」
なるほど、それなら余裕そうだなと考えていると職員がさらに続ける。
「コラッド君はE級の冒険者たちが受けるゴブリン討伐の依頼を受けてもらいます」
(えっ?)
俺が驚いていると職員はさらに説明を続ける
「本日の5の鐘が鳴るころにギルドの裏口に来てください」
そんなこんな言っているうちにもう4の鐘が鳴り終わっていたので慌てて
「じゃ俺行きますね。色々教えていただきありがとうございました!」
と言うと俺はギルドを出て急いで準備をすることにしてまずは防具を買いに行くことにしたんだ
(まずは武器だよな、それに着替えも買わないと……)
そうして様々なことを考えながら歩いていると目的の店があったのでそのまま入っていったんだけどどうやらここら辺では一番の品揃えらしくどれがいいのか分からなくて困っていると店員が声をかけてきてこれがオススメですよと教えてくれたので購入することにしたんだ。その後は道具屋で薬草などを購入して時間を確認するとあと5の鐘まで
「やばいな、早く行かないと」
そのまま俺はダッシュでギルドまで向かったんだ。そして何とか間に合って5の鐘が鳴ると同時にギルドの裏に立っていたんだけどそこにはもうみんな集まっていたようだったから急いで入ることにしたんだがどうやら俺が最後だったようでまずは謝罪をしてから受付嬢に言われた通りにギルドの裏手に向かったのだった。
「あの……ゴブリン討伐ってどこにあるんですか?」
そう質問すると少し笑ってから指を指すのでそっちを見ると一ヶ所だけやけに暗い場所があったので不思議に思っているとそこに職員が
「ここです」
そう言いながら進んでいくのでその後を追っていくと突然目の前の景色が変わった
(えっ?)
目の前には山があってそれがゴブリンたちの巣になっているみたいだった。だがそんなことよりも俺の目を引いたのはその数だった。なぜかと言うと、その数は軽く見ただけで1000匹近くおりまだ奥にはたくさんいるように見えたんだ。しかも奥の方には小屋みたいなものが見えた気がしたんだけど……どうやらそれに気がついたようで職員が
「今回はあそこにある集落を殲滅することで依頼達成となります!」と言われたんで取り敢えずどうやって倒していこう。