No.9_曖昧な関係でいたい
1. 心
2. 頑張るね。
3. 不安定
4. にじいろ
5. 恋は盲目
6. 朝食
7. ???
8. 救済措置
9. 今なら君だけの私キャンペーン開催中
10. 躁鬱
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心
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ずっとずっと、
慰めて、諭して、
どうにかして両足をささえていたいたけれど、
もう、泣き止まなくなってしまった。
悲しいことしか思い出せない、
視界が濁った映画のワンシーンのような、
後悔を煮詰めたような、
青にも見える灰色の、
輪郭がぼやけた記憶。
わたしは弱くない、決して弱くないの。
でも最近、小骨のような針のようなものが
咀嚼しても、抜こうとしても、
喉の奥に刺さったままで、
心がやわくなっているの。
すぐ泣きたくなる、じんわりと侵蝕されていく。
わたしは弱くない、
今日も悲しい事しか思い出せなかった。
きっと、日々が楽しすぎて
悲しい事が目立つ、
なんてハッピー、
そんな風に変換できないだけ。
弱くない、弱くないの。
少しでいいから、
立ち直る時間を与えてほしいの。
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頑張るね。
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パステルカラーの色褪せた空、
そんな日はロックがかった儚さが響く音楽が
聴きたくなる。
生きていけない、死にたい、
なんて言ってても生きていけるし、
正解がわからないから、とか
すきぴと両思いじゃないから、とか
そういうもんなのはわかってるんだけど、
まだ生きていかなきゃなのに、
もう私が生きているちっぽけな世界でさえも
怖く感じてしまったから、
怖いものだと決めてしまったから、
もう世界は広がらないかも、なんてことに
危惧している。
対象としてみられてないんだ、
好き、って気持ちに性別も年齢も境遇、なんてものも
関係ないってなりかけているのに、
だから、逃げようと思って、
死にたくはないの、負けた気がするから、
捉え方は人それぞれだけれど、
私は、常に戦ってるの。
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不安定
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言い難いなら言わなければいいのに。
簡単に人を信じては行けないけれど、
信じなければ進まないこともある。
自分がいじめられる、なんて物語は
想像できなくてくるしかった。
あの子みたいにはならないよ、私は。
ほんと、殺してやりたいほど憎いよ。
おねがい、気付いて。
ぜんぶ嘘だから、嘘つきってことにして、
そのままでいいから、終わらせて。
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虹色
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君のオーラは虹色、
ちゃんと神々しいだけでなく、
混ぜればものによって白にも黒にもなる、
そんな君が好き。
君は何なんだろう、
でも、君が好きなことには変わりないよ、
禍々しい黒の濃霧、
虹は、気付いたときには消えているものだよ。
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恋は盲目
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好きの皮を被った空虚、
満たそうとするあまりの愚行、
生きているからには果たすべき役目がある?
私の全部を愛してほしい、
求めるばかりじゃ上手くいかない?
下の名前で呼ばれるだけで嬉しくなる、
可哀想だから、友達だから、じゃなくて、
好きだから、優しくしてよ。
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朝食
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優雅とは掛け離れた栄養重視の朝、
とりあえず口にすれば良いと思って、
嘔吐かないように、飲み込めるように、
時間なんてないよ、見た目に使いすぎたから。
鞄にやる気をかき集めて投げ入れる。
髪を梳く、スキンケアをする、
まつ毛は下がったままだけど、
二重は安定しないけど、
貴方に会いに、駆けていくから。
今日こそは、おはよう、って。
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???
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幻視幻聴を伴った錯乱状態、
とけていく脳、ふえていく空洞、
消えていく感覚、壊れていく感情、
現在と過去が入り乱れていく視界、
ずーっと、ずーっと、怒られている声、
叱責により泣いている私、
泣けなくなったのは、いつから?
なんで私だけ、って、
頑張るのが馬鹿らしくなって。
貴方に理解されなければ殺される、
私のすでに死んだ私、
明日の涙、私の聲、
今ならわかる、私は、
愛されたくて、認めてもらいたくて、
仕方なかったんだ。
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救済措置
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爪にヒビが入った、
そこから広がって、折れた。
痛い、失恋が指先で起こったみたい。
なかなか踏み切れないね、
つらいね、かなしいね。
そんな貴方には紐をあげる。
やっと私、報われる。
いってらっしゃーい、来世でもお元気で!
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今なら君だけの私キャンペーン開催中
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私だけをみてくれない君は嫌い、
ちゃんと一途だよ、
保証書もついてるし、
返品、交換は受け付けてないけど、
頑張ってなおすから、
なんで、なにがだめなの?
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躁鬱
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寝れなくて、ただぼーっとするしかなくて、
なんで夜はこうも鬱いでくるんだろうか。
睡眠薬に頼りすぎるのは良くないとわかってて。
目を瞑っていればすぐに朝が来るんじゃないかって。
寝ている時間が好きなのはなかなか眠れないからで、
夜から隠れることができるからで、
君といっしょに包まれた夜はきらきらしてたんだけど。
唇の血色感が死んでいく、
隈が酷くなっていく。
メイクで覆い隠す、私を見えなくしていく、
これはきっと体にとっての夜。
君がいなければ何一つ楽しくない、
冷えたバルコニーからみる星は好きだったけど。
ねえ、
君が目を離した隙に私が死んじゃったらどうする?
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