No.8_きっと大丈夫
1. 明日のみんな、耐えてる
2. 背中
3. 銃身に花
4. わかってくれないよね。
5. ぎゅってしてはっとして
6. ひとり
7. あわよくば
8. 付き合ってよ
9. 嗚咽と103番
10. 感覚遮断平和生活
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明日のみんな、耐えてる
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今何時?
なにしてるの?
生きてて偉い、なんて響かないよね、
わかるよ。
響かないからこそ、
口にできる気がしているけど。
私はあなたじゃないから、
偉そうに聞こえるけれど、
あなたを全部肯定したくて、
私を全部肯定してもらいたくて、
おはよう、生きてて偉いね。
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背中
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あめ、あめ、曇り空、
雨音を聞きながら、四肢を投げ出して、
仰向けに寝転がっていた。
右手だけ額に移動した。
愛される気持ち、忘れないでね?
君は、君が、光に飲まれるとこをみた。
ねえ、待ってよ。
あめ、あめ、真夜中、
雨音を聴きながら、テレビをつけて、
窓に凭れ掛かっていた。
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銃身に花
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血だらけの白百合、
茎が色褪せてると嬉しいかな。
秒針が滑らかに進む時計を見ていた。
さいごぎりぎりまで、
わらって、愛して、
死にたい、なんて言わないで、
殺すなら、天使にして。
私を、認めてくれて、
ありがとう、
秒針がかちかち音を立てる時計がとまった。
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わかってくれないよね。
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眠いのに、寝れなくて、
ただただ天井を見つめていた。
そんなに嫌?
そんなにいきたくないの?
なら窓の外でも眺めてればいいじゃん。
なんで私なの、なんて、
なんで、なんか、
考えちゃだめなんだよ。
考えたところで何も変わらない、
その事実に悲しくなっちゃうから。
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ぎゅってしてはっとして
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私ひとりじゃ歯が立たなくって、
悔しいな、なんて思えるほど差は小さくなくて、
ぬるいお風呂が私を抱きしめてくれてる気がして、
涙は流れなかったけど、
楽になった気がした。
できればでいいから、
いっしょにないてくれる?
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ひとり
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好きなのに、嫌いになりかけている。
スマホを落としてしまった。
嫌いな子の名前がお花の名前だから
その花が嫌い。
優しくされれば好きなような気がする。
好きと好きの境界線が曖昧になって、
好き、なんて言える程核を知らないのに、
ありきたりな好きで一纏めにしてしまう私が居て、
何が嫌いかわかんないのにとにかく嫌いで、
感覚が鈍くなっているのに知らないふりをして、
少しずつ価値が薄くなっていっていることには
本当に気づけずに、
私が為りたかった私、なんて形容した虚像に、
隣にいてよ、って。
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あわよくば
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貴方の隣に私がいなくても、
私の隣に誰もいなくても、
幸せでいてって、願ったはずなのに。
私といれば幸せだと思っていた。
君には幸せになってほしかった。
私の隣じゃなくても、私を憶えていなくても、
なんて、願えなかった。
願わくば、なんて言えない。
欲望と恥の具現化、
記憶の壁際にたてかけられた、
向き合うべき私の私。
思い出だけでも、つくっていい??
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付き合ってよ
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キスしたかった。
ハグしたかった。
その先も、その先も、したかった。
寂しかった。
ひとりじゃないけれど、
だれも核に触れてくれない、
私だけだった。
自分が1番好きで、1番嫌い。
全部、誰かの夢の中だったらよかったのに。
ぎゅーってして、愛ってなにか、教えてよ。
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嗚咽と103番
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お気に入りのリップで
なんとか誤魔化そうとした。
視界のピントが合わなかった。
みんなが毒を吐いてまわる、
全部全部、私のせい、
視線は唯一人に集まる。
帰りたい、
どこにいても帰りたいと思うように
なってしまった。
どこに帰るの?私もわからないのに。
言い換えただけのような気がして、
空っぽさに色褪せてしまった。
不純物塗れの吐瀉物、
その後に待ち構えてる、真っ暗な視界、
それは1番の、私のSOS。
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感情遮断平和生活
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消えたくても消えれない、
それが世の常、人の常、
なんて教わった。
全部受け止めれば、平和だということを知った。
世界の平和は心の不穏を殺すことでつくられる、
個性と感情がある以上、それを殺すまでできない、
悲しみも、嬉しさも、数えちゃいけないよ。
流れた涙が擽ったく感じた。
口を開けばため息、
戰うために、わらってみようよ。
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