No.7_私の中身
1. 猫舌、ホットティーにすればよかった。
2. 大事にしてあげてね
3. あなたをまってたよ
4. ストレスシンドローム
5. レターセットと体調不良の雨
6. 花と君と恋と私
7. 逃げ出そっか
8. スキンケア
9. おすそわけブルー
10. 救世主にでも
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猫舌、ホットティーにすればよかった。
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頭が痛くなるくらいに
紅茶がつめたかった。
思っても届かず伝えても伝わらず、
欲しかったけど無理だと思って。
砂糖を入れすぎたせいで鈍ってしまった、
白濁色のつめたいカップ。
寂しい、かなしい、つめたいブルーで傷が沁みる。
痛くて、いたくて、
どくどく、ずくずく、じくじく、体中に鳴り響いて、
心臓が青くなった気がした。
いつか、明日こそ、なんて思って生きてきたけど、
そのせいで、何も思い出せないの。
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大事にしてあげてね
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人に対してきれいってよく言うけど、
見た目じゃなくて、中身じゃなくて、
勿論それもあるけれど、
穢らしさと生命の曖昧な調和を
きれいだって言葉にしていることが多い。
拭い落とせない汚れが共存しているだけで、
人間ホントは綺麗だから。
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あなたをまってたよ
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自分以外のことに目を向けるのは難しいし、
自分を俯瞰してみることもなかなかできないし、
自分が生きてる意味なんてわかんないけど、
あなたがいるから私が生きてるかもしれないし、
私がいるからあなたが生きてるかもしれないし、
どこかであなたや私が
憎まれたり蔑まれたり殺されたり
してるかもしれないし、
どこかであなたや私が
愛されたり敬われたり生かされたり
してるかもしれないし。
そんなことがあるかもしれないって、信じて、
導いてあげてね。
今は信じれないほどの深い黒を歩いていても、
既に傷だらけで戦っているとしても、
あなたがいて、私がいるから、
あなたが生きていなければ始まらなかったかもしれないから。
きっと奇跡は起こるから。
いつかそれに気付けるから。
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ストレスシンドローム
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理想像の押し付けは個性の殺害だと思ってる、
なんて考えを押し付けてくるのも何かしらを殺してて
死ぬ、なんて表現は良くはないけれど、
それに値するくらい苦しくて、
汚れていく、汚れていく、
浄化されずに淀んでゆく、
歪んでゆく、歪んでゆく、
気にもされずに淀んでく、
グレーが私を満たすけど、
気体はあれらになり得ずに、
少しずつ、確実に、私は死に近づいてゆく。
あのね、私ね、
つらくてもくるしくても大丈夫っていってるけど、
ほんとは大丈夫じゃなくて、
つらくて、こわくて、さみしくて、
飲み込まれそうで、
現実にも非現実にも首を絞められる感覚がして、
誰かが作り出した虚像でも安易に想像してしまって、
眠れなくなって、泣けなくなって、
つらくて、こわくて、かなしくて、
そんな、弱くてちっちゃくて悲しくて寂しくて、
期待に応えられなくて、世間知らずで、
誰よりも馬鹿で、残念な人なの。
生きているだけで、ありがたいということに
気がつけているのに、
それでもなお、負を呟く。
はやくいなくなればいいのに、
こんな人、いらないのに、
冷静な私がそうでない私の殴り書きを打ってゆく、
冷静な私が不純物もまとめて綺麗に固めるけれど、
そうでない私にこれが形容できるならば、
わたしはまだ大丈夫、死ねない。
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レターセットと体調不良の雨
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万年筆を走らせる、インクが気持ちを代弁する、
掠れた線が形づくる、私の声、
貴方の匂い、心地よい声、
日頃目にしないニュースの文章、機械の声、
煙草の踏み躙られた匂いがする雨、空の声、
いつの間にか、泣き声が聞こえていた。
夜は深い青、貴方は深いピンク?
紫なんて曖昧な色、
目がチカチカしてつらいだけなのに。
もう煙草の火は消え切ったんだね、
水たまりが示すコンクリート、
随分インクを使ってしまった。
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花と君と恋と私
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温度の管理、水やり、
関係においてはとても大事で、
雑にしてもだめだし、
丁寧にしすぎても我儘になるし、
君が誰かに水をやるとき、
私は少しずつ枯れてゆく、
美しいままでいるために薬を使う、
美しくないから大丈夫。
羨ましいな、愛嬌のあるかわいいこ。
容姿しか見えていない、見ていない、
棘にでも刺されて食べられてしまえばいいのに。
脱いだ服さえもあたたかく感じたのは、
きっと怖気のせい。
わたしは、君のことが、
本当に本当に好きみたい。
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逃げ出そっか
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水たまりは大きければ大きい程、
垂らした絵の具に反応しなくなっていく。
大丈夫、きっとここにいるよ。
感覚を無視した冷たさ、感情を無視した浮遊感、
不思議だと思うけど、失敗は失敗のままで、
過去の私が救われることなんかないはずなのに、
飲み込まれる様はあわれで、
私の覚悟がどれだけ生温くても、
冬の海は、きっと受け止めてくれるんだろうな。
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スキンケア
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肌荒れが気になる、
そんな期間が絶対ある。
チョコレートが食べたい26時、
乾燥が気になる24時間、
ずっと一人なら猫と居たい、
家族がいるなら犬と居たい。
一人が1番落ち着く、
でもどうしても、寂しい。
思春期特有の肌荒れ、
青すぎる私。
純愛を弄ばないでね。
一人じゃ寝れない、
まだまだ、子供みたい。
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おすそわけブルー
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肩を叩かれた気がした、
呼ばれているような気がした。
私を知っている誰かが、
私以外を見つめてる。
知ってしまったら、
毒を吐いて回るしかなくなっていく、
そうやって、失ってく。
外が暗かった。
星も、月も、私には見えなかった。
髪を引っ張られた気がした、
連れ去られていきそうな気がした。
青白い光に、惑わされそうだった。
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救世主にでも
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雨が降っていた、
電話しながら書くこの詩、
ベッドサイドランプの橙色、
雪になりかけていた、
君は優しかった。
実はそれはあなたにもあてはまるはずなのに、
武器として振り翳してくるあの声が嫌いだった。
いちいちうるさいんだよ、
なーんて思ってしまわないように。
信じる、削って削って信じる、
あの人の生きる音、
包まれて死にたいと思った。
なんて幸せ者。
出会えてよかった、
ぎゅーって抱きしめてくれるかな、
心の蟲が蠢く、夜は何かとちくちくする、
夢見がちな私を救おう、って、
誰かに愛されようとしていた。
お腹が空いていた。
愛されてるって実感が欲しくて、
たまらなかった。
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