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詩 10編  作者: 呪癒 黎蘭
2/15

No.2_心の中身と空の状態

1. 睡眠不足

2. 最後の晩餐

3. 美しいね

4. ドライフラワー

5. 9月1日 07:34:57

6. 私が殺した。

7. 後悔

8. 明晰夢

9. 貴方は?

10. 廃棄物が輝く理由

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睡眠不足

----------------


理由不明の

憂鬱感、虚無感、空虚感に

苛まれた時は、

心が折れてしまわないように

気を付ける。

繊細だから、壊れやすいから。

でも私の何処かしらが

腐って、崩れているような

気がして、怖くて、

背中が冷たくて、ゾワゾワして、

不安に駆られて、眠れなくなって、

インターネットに沈む。


---------------------------------------

最後の晩餐

----------------


動物の体の可食部を食べて、

『美味しくない』

なんて思う今日この頃に

嫌気がさして。

寝て、

起こされて、

食べさせられて、

寝て、

連れていかれて、

食べさせられて、

帰って、

寝る。

なんてつまらない日々なの。

もう嫌。帰りたい。


---------------------------------------

美しいね

----------------


天国なんて知らなければ、

そこが地獄であることになんて

気付かない。

分からない。

地獄なんて知らなければ、

天国にいることに感謝するなんて

しない。

出来ない。

自分より不幸な人を知らなければ、

自分の人生は素晴らしいなんて

思わない。


なのに生きていて良かった、って

思えるのは、

自分より不幸な人がいるのか、

はたまた無自覚のうちに

誰かを見下しているのか。

もしくは自分の過去と比べて

昔の自分を今の自分より

下に見ているのか。


もうちょっとで良いから、

穢れてて欲しかった。

じゃないと、私が、

惨めで、悲しい、存在に。


綺麗な事が妬ましいなんて、

変な人間も居るもので。


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ドライフラワー

----------------


色褪せてしまって、

前のように扱ったら

ぐちゃぐちゃになってしまうほど

脆くなった。


薬漬け、永遠に朽ちることはない。

薬漬け、永遠に戻ることはない。


お願いだから、

こんな私を

『綺麗』だなんて

言わないで。


---------------------------------------

9月1日 07:34:57

----------------


おはよ。

やっぱり私はここに居るよ。

君と心中が夢だったのに、

君は死ねないから。

君が自由になるまで待ってる。

君の為に生きて、君と死ぬ。


ずっと一緒だよ。

ほら、まだ寝たほうがいいよ。

学校とか、仕事とか、

たまにはサボっていいんだよ。

じゃあ、おやすみ。


いい夢を。


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私が殺した。

----------------


どうしても渡したくて

ラブレターを書いた。


便箋を選んで、

とびきり丁寧に文字を綴って、

封蝋にニゲラを閉じ込めた。


でもどうしても渡せなくて、

返事を聞くのが怖くて、

言いふらされるのが怖くて、

嫌われたくなくて。

下駄箱に入れておこうかと

思ったけど、

馬鹿にされそうで、

踏み躙られそうで。

だから破って燃やした。


小瓶の中で、

時を止めたままで、

恋心を抱えて、

無垢なままで、

私の過去が眠っている。


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後悔

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『君はさぁ…』

―――自殺ってどう思う?


君からそんな単語が

出てくるなんて、

思いもしなかった。


「ありよりのあり」って、

軽々しく答えた。

君が、とは思ってなかった。


砂漠に花が咲いたかの様に

笑う君が、

死なんて無関係そうに

生きてる君が、

5月25日、

私の誕生日に、

この世から消えた。


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明晰夢

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嫌な夢の中にいる時に限って、

『あ、夢だ。』と

知れる。

でも意識は

覚醒している筈なのに、

思うように体が動かない。

夢なのに、

夢じゃないみたいで、

いつの間にか

夢って事も忘れて、

唯ひたすらに

迫り来る恐怖から逃げる。

そして昇る太陽の光に、

鬱陶しさを覚える。

頭の片隅で。


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貴方は?

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何色が好き?って質問。

小さな子でも

答えれるくらいには

簡単な質問。


でも、

私は答えられなかった。

なんでかは分からない。


その色で

私の印象が決まるのが

怖かったのか、

私はまだ

何色にも染まっていないって

信じていたからか。


だからいつも、

「『とうめい』が

 いちばんすき。」って。


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廃棄物が輝く理由

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恋は綺麗じゃなくていい。

愛は美しくなくていい。

だからそのままでいい。

何も変わらないまま、

そのままの貴方を、

好きでいてくれる人を、

愛していてくれる人を

見つけて。


そのまま、

どろどろに溶け合って、

宇宙の塵になって、

輝いていればいい。

綺麗で美しい星々も

全ては塵だと考えれば、

恋も愛も、

美しくない。

綺麗じゃない。

全ては混ざり合わさって、

綺麗だったものも、

美しかったものも、

全部、穢れて、跡形もなく、

消え去る。

そんな運命なんだから。


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