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花散る音、空音の鈴  作者: 彩華
一章、入隊体験
7/8

昼からは体力作り

 午前中だけで、精神力を消化した。

 疲れた・・・。

 これから一週間はこんな授業。

 護花鈴が立ち向かう敵・・・異形の者たち怪鬼、滅多には出ない龍と言った・・・の特徴や、弱点の勉強をするようです。

 それが終われば自分たちがいずれ使う武器、簡易治療の仕方など、学ぶことがが沢山あると教えてくれました。

 聞くだけでいっぱいいっぱい。


 昼ごはんを食べ終わると、昼から体力つくり。

 講義を室から離れた場所に広い運動場があった。


 昼からの担当はもと第一部隊の(しげる)と言うおじさんだった。髭を蓄え、強面・・・。

 でも、人懐こい人だった。


「よくきた。待ってたぞ」


 気さくだ・・・。

 でも・・・。


「では、時間いっぱいまでにトラック100周な」


 はっ?

 100周?


 ザワザワと声が聞こえる。

 言いたくなるよね・・・。


「うるさいぞ」


 笑いながら言わないで欲しい。

 本気で目が笑ってる。ありえないでしょう。


「護花鈴は体力が基本だ。今日はそれだけで終わり。明日は身体計測。その次の日は体力測定。これから毎日、忙しいぞ」


 鬼予定じゃないの?無理でしょう。


「言っとくが、思いつきじゃないぞ。昔から同じメニューだ。第一部隊一班の瑠華様は初めは15周だったそうだぞ」


 どういうこと?嘘でしょう・・・。

 あの人が時間内でそれだけしか走れないなんて、ありえない・・・。嘘だとしか思えない・・・。


「あの方は異例よ」


 えっ、誰?


 いつの間にか、白い肩までの髪の女性が立っていた。

 どこかで見たことがあり気がするが、思い出せない。


「媛ちゃん」

「瑠華は全てが異例の上にあるのに、同じにしてはダメよ」

「すまねぇ、媛ちゃんは何周いけた?」


 媛・・・やはり聞いたことある気がする、どこだっけ?


 その媛さんは、先生の問い掛けに、少し悩む仕草をしたものの、ポンと手を打って、悪戯を見つかったような表情を見せた。


「・・・ズルしたから100周よ」

「媛ちゃん・・・」

「瞳子ちゃんは74周、颯は87周、綺沙りんは52周、晃琳(こうりん)くんは68周、あと、司令官は31周、これでいい?」


 淡々とした声。

 これ、第一部隊の2班、3班、4班と5班の班長名前、という事は班長たちと司令官の記録なの?呼び方がすごいけど・・・。

 

 意外に100周いないんだ。

 司令官が31周って・・・、大丈夫なのだろうか。

 それとも、頑張り次第で認められるということ?

 こんなことをいうんだろ?


「ちなみに今までの最高記録は・・・三雲 蒼138周、辰巳 一瑠112周よ」

「おい!媛!」


 先生は慌てた。

 なんでだろう。

 誰なんだろう・・・。


「この名前の人物が知りたいなら、上に来るのね。」


 彼女はそう言うと先生の文句も気にせず去って行った。


「あぁー、気にしなくていい。さっきの奴らは50年も前の話だから、現在そこまでの記録を出したもんはいない。100周なのは、自分の限界を見極めるためと、我らがこれからのメニューや個々知るためのものだから、無理せずに走ってくれたらいい」


 きっと、先生は言うつもりはなかったのだろう。

 あたしたちのやる気を見たかったのでないだろうか・・・。

 いや、知られたくないのか?

 先生の顔がどっと疲れたように見えたのは気のせいではないだろう。



 あたしの記録は43周。千香は26周、智紀は59周だった。

 ちなみにあの彼女・・・畑山 初音は76周、だった。



***



「なに考えてる?」

「司令官?」


 媛が本部棟を曲がった所で、壁にもたれかかる司令官ー朔夜が立っていた。


「どうして、奴らの名前をだした?」

「深い意味はありません」

「まあ、いい。あれでやる気が出るならいいか・・・」

「・・・最近、たるんでいますよね」

「立派な理由だな」

「・・・瑠華さん、・・・15周なんですね」

「15周らしいな・・・」


 二人はしみじみと口にした。


 


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