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花散る音、空音の鈴  作者: 彩華
一章、入隊体験
4/8

里子ちゃんで〜す

なかなか進まない内容ですみません。

初めの段階で・・・隊の仕組みやこれから出てくる敵について、しっかり書いておきたいので、どうしてもゆっくり進行になっています。もう少しすれば色々と動き始めると思いますので、もうしばらくお付き合いください。

次に壇上に上がったのは、二人の女性。

臙脂色の隊服は同じだが、一人は、ヒダ付きのミニスカート、もう一人はタイトスカート。

ミニスカートの女性は可愛いしく、ふたつに結んだ髪型。

タイトスカートの女性はショートヘアだった。


女性が多いのかな?


「は〜い。第五部隊、救護隊こと<治療班>部隊長でありま〜す、里子ちゃんで〜す」

「第四部隊、治安維持隊こと<守護班>部隊長の保津です」

「私たちが今から説明しま〜す。でも〜、そのま・え・に〜」


二つ結いの里子隊長が右手をあげると、周りから悲鳴が上がった。

見ると、何人かの手元にある封筒が燃えているようだった。


「今、封筒が燃えてる人は、速やかに退場してくださ〜い」


怖いほどの笑みを湛えていた。

可愛い言い方の割に後ろに鬼が見えた気がした。


「なんだ?」

「あなた方は封筒を開けました。命令違反とし、この場にはいりません。即刻、除隊処分の手続きをしてください」


「なんでだ?」

「そうよ、なんでよ?折角、護花鈴隊に入れたのに、除隊なんて、ありえないわ」


あの人・・・、封筒の中を見て騒いでた人。


「なんで?だって〜、封筒の中見たでしょ〜」

「それが何?なんも書いてないただの紙じゃないの?」

「命令違反になります」

「えっ?」

「受付でいいました。見ないでください。後で説明すると」

「でも、命令違反だなんて、開けただけだろ?」

「こうもいいましたよ〜『これより皆様は護花鈴隊の一員です。規律、規定違反等がありましたら、即刻除隊になりますので、お気をつけてください』って。

つまりぃ、命令違反も該当で〜す」

「ちょっとじゃない!」

「あのね〜、そのちょっとが命取りなんだよ〜。そりゃ〜さ、自分で考えて行動しないといけないよ〜。でも〜、ここは軍だよ〜。命令違反した時にその理由、正論ですって言える?」

「・・・」

「見たかったから見ました。それは理由にはなりません。それは軍では身勝手な行為でしかならない。そんなものはここには必要ありません」


「はいっ」


一人の女の子が手を上げた。


「なに〜?」

畑山 初音(はたやま はつね)といいます。正論な理由であれば答えても構いませんか?」

「いいよ〜」

「では・・・。封筒が風に飛ばされて、そこの川に落ちました。それで、仕方なく中身を取り出しました。コレが証拠です」


しっかり濡れた封筒をみせた。

と言うより、破れてる?

濡れた紙はもろいよね。


「破れてる・・・」

「取り出した時に・・・」

「受付にだせば〜替えてくれたよ〜」

「すみません、司令官話がある少し前のことで、行く事ができませんでした」



ハキハキした子だな。

少し苦手かも・・・。


「そうですね、それならば仕方ありません。そのイレギュラーならば不問にします。ただし、お友達を庇うのはよくないです。本人がきちんと言ってくださいね」


保津隊長は目を細め彼女と、その横の女の子をひやりと見た。

畑山さんは少し俯いた。



えっ?あの子、友達を庇ったの?

と言うか、知ってる?

見てた?

試してたの?


ゾッとして、智紀と千香を見た。

二人も青ざめていた。


「実はわたしも・・・」

「俺も・・・」


彼女の発言を皮切りに何人もの手が上がる。


えぇっ、あの発言を聞いてなお、手を上げるなんて図太い神経、あれを聞いたら事実以外言えないよ。

あたしなら無理。

余程の理由がない限り、無理。


「二番煎じは、いらな〜い」


里子隊長、目が笑ってませんっ。

怖いですっ。


「ちゃんとしたこと〜?じゃなきゃいらない。・・・即刻出て行きなさい!」


ビリビリと空気を震わせた。

手を上げたものたちは、力をなくして、その場に跪いたのだった。

かわいそうに・・・とは思えなかった。


気を取り直したように、おっとりした口調の説明が始まった。


「じゃあ〜、説明するね。

保津ちゃんがいるから〜、気づいてると思うけど〜、ここには百人以上いま〜す。一部隊で全員見るのは流石に〜、難しいので〜合同でしま〜す。それでも多いから〜・・・」

「A.B.C.Dの四チームに分けます。また、その中でも一グループ、2〜3人の10グループを作ります。一週間目に第四にAチームが第五にBチーム。二週目に第四にCチーム、第五にDチームというふうに入ります。三週目なA.Bが逆転して入り、四週目も同じように変わっていきます。それについては紙に書いているので参考にしてください」

「あと〜、体験入団に入ってないチームは実技と座学になってるから、ちゃんと受けてね〜」


嘘、座学まであるの?

実技って・・・。

苦手なのに・・・。


「一部隊付き、四週間だから、四ヶ月かかるからね〜」


うそ?四ヶ月?

二ヶ月でなく、四ヶ月?!

ローテーションで入るからそうなるのね。



「コレに耐えなきゃ〜、上はもっと過酷だからね〜」


里子隊長は可愛く、うふふっと笑うだけだった。











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