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老人の異世界散歩  作者: 浦見 比呂
現人神の死
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サイド 残された家族 2

深夜11時頃に目を覚まし爺ちゃんに呼ばれ二人で話した。何でも爺は先の二つの世界大戦にて日本を守り抜いた守護神として崇められている存在なんだとか、戦時、戦後の功績は計り知れず現在の世界があるのは五人の人物によるものが大きく爺はその一人とのこと。その五人共歴史書に載ってないのがおかしい人物とのこと。「何で載ってないのか?」という俺の疑問に爺ちゃんは少し躊躇ってから「父さん達は照れ屋なんだ。他の人達もな。」少し遠い目をしながら言った。

「あの時の事は未だに当時の放送を聞いていた人達なら覚えていると思う。父さん達な戦後の条約条項に捻じ込んだんだ。」「え?」


「日本・中国合同と多国籍連合との調印式典でな。『ヒノカグツチに関しての一切の情報を文字、人物を特定する物は残してはならない。』その一文が書かれていてな。相手側の代表がそれを見て「多大な恩があるあなた達の名を残せないのは全人類にとって損失だ!」と抗議し、その場にいた父さんと言い合いになってなぁ。1時間ほど言い合ったけど、父さん口うまくないだろ?そこで本音がぼろぼろと。結果、纏めると『恥ずかしいからやめて!嫌だよ?街中で爺さん婆さんに拝まれるの!それすら堪えられないのに世界中とか考えられないわ!せめて俺達皆死んでからにして!」そんな事が生放送だったから世界中に流れたんだ。」

俺は大いに呆れた。調印って厳粛な空気でやるもんだろ?そんなんでいいのか?


「確実に人選ミスだろって俺は思ったな。しかし、人間臭さが受けたんだろうな。沸いた。それはもう壮大にな。俺達身内は物凄く恥ずかしかったがな。婆さんと母さんなんてラジオ聞きながら顔真っ赤にして「早く終わって!もうやめて!これ以上恥を晒さないで!」って必死にラジオに怒鳴ってたな。はははは」


「その後は、「せめて俺達皆死んでからにして」の一言で譲歩したとされ、世論もあり各国がそれを認め次の日に調印した。ただ、戦後の功績も多くてな。調印したからには国際条約を守って石碑、銅像等は建てられない。結果父さん達五人は崇められるようになったんだ。」

そんな話を直接聞かされた俺は現実感がなかった。そんなことを思っていると電話が鳴った。爺ちゃんが電話に出る。そして、顔を真っ青にして電話を落とした。そして一言呟いた「まじか・・・」爺ちゃんの今にも倒れそうな顔が忘れられない。

その後は地獄のような忙しさだった。思い出したくもないほどだ。


「百目鬼弾蔵」こと『明王』    享年97歳

「如月瑠璃」 こと『胡蝶蘭』   享年95歳 

「鬼頭膳」  こと『赤鬼』    享年99歳

現在の地球を作ったと言われている最後の三人が同時に亡くなった。

その情報が駆け巡ると世界中を巻き込んでの騒動に発展した。

しかも本人達は隠していたようだが仲の良かった三人の合同葬儀が行われることとなった。

それを聞いた世界中の重鎮が三人の葬儀のため集まろうとしたがいくら何でも多すぎた。

渡航規制に入国規制、政府はパンク寸前にまで追いやられ一時日本は大混乱に陥った。

日本政府が混乱している最中、大事件が起きた。三人の遺体が突如消えたのだ。

厳重に警備がされた霊安室から忽然と三人の遺体が跡形もなく消えた。

政府は事の重大さに混乱を加速させ機能不全に陥った。

各国に事情を伝え捜査、捜索の協力を打診し、国連主導で動く事態にまでなった。


「爺共どこいっちまったんだ」

俺はヒノカグツチの特集テレビ番組を見つつそう呟いた。


パラレルな地球になります。

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