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カラス  作者: みぶ真也
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前編

マンションのゴミ置き場をカラスが荒らすようになった。

網を張ったり、鳥よけのカカシを置いたりしたが、カラスはなかなか頭が良い。

すぐに慣れて、網に穴を開けてゴミを引きずり出すようになる。

自治会でこの問題が議題に上がった時、中西さんが面白い案を出した。

「こういう解決方法はどうでしょう。

カラスに対抗するんじゃなくて、カラスと仲良くなるんです。

朝、家を出てカラスがいたら、おはようと声をかける。

会社に行く時は、行って来ます

帰って来てカラスがいたら、ただいま

そんな挨拶をしてみるんです」

「そんなことをして何になるんです?」

自治会長の船越さんがあきれたように訊くと、

「いえ、何かの本で読んだんです。

毎朝、カラスに挨拶してみたら、カラスがその人の家の前に出してるゴミだけ荒らさなくなったという実話があるんです。

明日から、このマンションの皆で試してみてはどうでしょう。

カラスは頭の良い鳥です。

毎日挨拶してくれる人に迷惑をかけてはいけないと思い、ゴミを荒らすのを辞めるかも知れません。

一円もお金はいらないことだし、ダメ元でやってみる価値はあるんじないでしょうか」

皆半信半疑だったが、とにかくやってみようということになった。

翌日から、

「カラスに挨拶しよう!」

というポスターがゴミ置き場に貼られ、大人も子供も朝から、

「おはよう、カラスさん」

などと声をかけている光景が見られるようになった。

挨拶されたカラスたちも最初はキョロキョロして、

「え?俺?」

みたいな顔をしていたが、慣れてくるとコックリうなずいて挨拶を返すような仕草をする者さえ現れた。

で、肝心のゴミの方はというと…

                               つづく





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