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第一王子はモテない  作者: 東野 千介
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老将軍二人②

 戦場を見下ろせる高台に二人の老将軍が来ていた。


 「この両軍の布陣、あんたはどう見る?」


 ナターシアが悠然と立ったまま、腰掛に座っていたザムザに問いかけると、


 「意図がわかりやすいのう。レスタークス殿下側は先陣にドラゴン騎士団と近衛騎士団を置き、後方に貴族連合を置いている。一方シャルル側は先陣に貴族連合と神聖近衛騎士団を置いて後方にウイン将軍の騎士団を置いている。どうもシャルル軍はレスタークス軍に攻め込んでもらいたいみたいだの」


 ザムザは座ったまま鬚をなでながら答える。


 「あたしもそう思うね。レックス坊は自分に忠誠心が強く、戦も強いのを惜しげもなく前に出しているのに対して、シャルルの方は自分の周りに最強の部隊を置いて忠誠心の低そうなやられてもいいようなやつらを前線だしてるってことだね」


 「そういうことじゃな。こんなところにまで性格が出ておるわ」


 おかしそうに言うザムザだが、ナターシアはシャルル軍のやり方に呆れている。


 「しかし、もったいない駒の使い方をするねえ。ウインは攻めてこその猛将。守らせてはその力も存分にはふるえないだろうに」


 「シャルル殿下はウインをそばから離すまい。いまやシャルル殿下が頼れるのはあやつくらいだろうよ」


 ザムザはシャルルが敵を引き込むためだけにウインを先陣から外しているわけでなく、シャルルの『頼りになる者を近くに置きたい』という心理がそうさせているとみている。

 そう考えるとレスタークス側は頼りになる者がそばにいないことになる。まわりを元々中立派だった貴族で固めている。

 一応近衛騎士団のうち300騎が直掩部隊として残っているがこの大軍の中での300騎ではたいした働きはできないだろう。


 いまだ戦は始まっていないがナターシアは心配になってきたのか、


 「大丈夫かねえ。この布陣。もし劣勢になったらレックス坊の方は本陣近くから裏切りが出かねないよ」


 「大丈夫じゃろ。万が一にも劣勢にならんよ。わしが見たところではよほどの事がなければレスタークス殿下の圧勝だろうよ。よほどのことがあっても勝つじゃろうし」


 ザムザは楽観的だ。


 「あんたがそう言うならそうだろうけど・・・」


 ナターシアもザムザの戦を見る眼は確かと思っているので納得はするが歯切れが悪い。

 そんなナターシアにザムザは、


 「お前も心配性だのう。そんなに心配する必要はなかろう。サンズ家当主の眼から見てもレスタークス殿下の圧勝だろうて。それにその万一に備えてわしらがここに来ておるのだろう?」


 「まあ、そうだね」


 ザムザとナターシアの二人はそれぞれ千騎の手勢を連れてきており、いざとなったら戦場に介入する気なのだった。

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