ボツ案:ユイと妖夢の剣術訓練
ボツ案。
ユイが白玉楼で妖夢に剣術を教えるシーンです。
今後のユイと妖夢のくっつけ方が見当付かなかったのでボツになりました。
ユイと妖夢が白玉楼の庭で木刀を手に向かい合っている。
しかし、2人に剣気はない。
「いいか。お前さんは基礎はほぼ完璧にたたき込んである。だが剣術がその良さを殺している。言ってしまえばお前さんは独自の剣術、ちょいとかっこ良く言えば『妖夢流剣術』、普通に言ってしまえば我流の剣術を確立する必要がある。分かるか?」
「はい。」
「じゃあ、1回模擬戦行くか。」
そう言うとユイは木刀を無造作に構える。
妖夢も木刀を構えユイに斬りかかる。
何回か打ち合ったところでユイが口を開く。
「じゃあ、我流の1つ。『払い上げ』。」
そう言うとユイの木刀が妖夢の1撃を払い、上に飛ばした。
その様子に妖夢は唖然とした表情を浮かべる。
「これでまだ1つなんだがな。」
そう言うと妖夢から取り上げた木刀を持っている木刀で打って落ちないようにしている。
「こっからは、もう1発芸の域だがまあいいか。『太刀断ち』、『太刀割』、『太刀砕き』。」
そう言いながらユイは木刀を振っていく。
宙に舞った木刀が切れ、縦に割れ、そして砕けた。
「…これを習得できるようにしろと?」
「そんな無茶は言わん。1番最初の『払いながら相手の獲物を奪い取る』と言った類の剣技にはどう対応すれば良いのか。それを考えてもらう。対応策はいくつ建てても構わない。その中でどれがお前さんにとって1番の良策となるのか。こういう考察と実践を元に一応修行をしていくつもりだ。」
「1番は自分の範囲と相談しながら決めていくんですね。」
「そういうことだ。その実験で模擬戦が必要になったらいつでも呼んでくれ。1番は自分の刀を使って振ってみて何が現実的か、を体感するのが大事だ。木刀に弄ばれるなよ。」
そういうとユイは妖夢に持っていた木刀を渡して白玉楼に入って行った。
「おい、バレてる。」
「あらあら、何かご不満かしら?」
「別に。あれはお前さんが教えたのか?」
「いいえ、彼の祖父が叩き込んだのよ。」
それを聞くとユイはため息をついた。
「下手な事は教えられないな。あの剣はお前さんを守る気持ちが半分、何かに飢えて喰いつく餓気が半分だ。如何にしてその爺さんを超えるか。あいつの中にあるのはただそれだけだ。あれでは上達はしない。」
「どうしようかしらねぇ。」
「他人事か。」
ユイはそうため息をつくと文字で木刀を新しく4振り出現させると肩に担いで庭へ戻って行った。