動骸異変の終わり〜白玉楼said〜
こんにちは!
文々。新聞記者、射命丸 文です!
動骸異変を解決した白玉楼の方々。
白玉楼に帰ってきたふたりの様子を撮影してきました。
何を企んでいるんでしょうか!?
スクープの匂いがしますねぇ…
白玉楼の主人、西行寺 幽々子はゆっくりと縁側に腰を下ろした。
「妖夢、お茶淹れてきてもらえるかしら?あなたの分もね。」
「はい、少々お待ちください。」
そういって、台所へ向かうのは白玉楼の庭師、魂魄 妖夢だ。
縁側に腰掛けた幽々子は思案にくれていた。
(あれの力はまだ10分の1も出していない。紫はなんてのものをここに呼び込んだのよ。)
そんなことを考えていると妖夢がお茶を2つ、饅頭とともに持って来る。
「妖夢、座りなさい。」
「はい、幽々子様。」
恐る恐る妖夢が幽々子の隣に正座する。
しばらくの間、2人は緑茶を無言で緑茶を飲んだ。
「なかなか恐ろしいものを紫は呼び込んだものね。」
「ユイ、という竜人ですか?」
幽々子が誰にともなくいうと、妖夢が返事をする。
「えぇ、あれはおそらく10分の1の力も出していない。本気になった彼の力はおそらく、幻想郷1、2を争うでしょうね。今回は借りを作れたのはよかったわ。」
「彼を取り込むためですか?」
幽々子はその問いにはすぐに答えず、湯呑みを傾ける。
「監視するため、といったほうが正しいのかもしれないわ。力の制限を設けることで、最初にこちらが被害をくらう事がなくなったから。」
「毒にも薬にもなる人物と言ったところでしょうか。」
「あれをどう肥料にするのか、が難しいのよ。」
そういうと今度は饅頭を手に取って口に運ぶ。
「うまくいけば何年も耕す必要のない畑になり、失敗すれば一切の生き物がいない砂漠になる。益と不利益の差が大きすぎるのよ。」
「幽々子様は彼を抑えて何をしたいのですか?」
話の意図が掴めない妖夢は問いを投げかける。
その問いには答えず、幽々子はまた湯呑みを傾けた。
「妖夢、紫にここへ来るよう、会ったら言っておいてくれるかしら?あの竜も含めて一度話し合う必要がありそうね。」
「?…わかりました。伝えておきますね。」
妖夢は首を傾げながらも承知した。
幽々子はまだ湯気の立つ湯呑みを縁側におくと立ち上がった。
「彼は伝えなくてはいけない。幻想郷の糧となるために。」
何かを含んだ幽々子の声が白玉楼に静かに響いた。