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現実逃避:ユイVS勇儀

酒に酔った勢い(ユイはともかく勇儀は酔うのか?)で力比べをすることになりました。

少し開けたところでユイと勇儀が巨大な盃を持って向かい合っている。

「よし、酒は注がれてるか?」

ユイは頷く。

「ぼちぼち始めようぜ。じゃないと盃が空になっちまう。」

盃に目をやる。

中に注がれているのは上物の大吟醸だ。

「そうだな。呑み比べになったら堪らないからな。」

そういうと勇儀は距離を詰めるとユイに殴りかかった。

ユイは軽く腕を持ち上げると鱗を出現させる。

ガツン! 、と大きな音と共に拳が腕に当たる。

押し負けたのはユイの方だった。

盃が大きく揺れる。

ユイは素早く後退すると盃を持ち直した。

「これ意外と難しいな。怪力乱神とはまさにこれの事。この際、怪力乱鬼だがな。」

「アンタもやるねぇ。恐ろしく堅い。こりゃ楽しくなりそうだ!」

勇儀は無邪気にはしゃぐ。

「疲れた方の負けだな…完全に不利じゃねえか。」

ユイはそんなことを呟く。

先程の勇儀の拳を喰らってユイは「防ぐ」と言う考えを捨てた。

「四天王奥義『三歩必殺』!」

「反逆『七賢人のはかりごと』!」

ほぼ同時に2人はスペルカードを宣言し、弾幕の雨を避けはじめる。

しかし、勇儀のこのスペルカードはユイの想像をはるかに上回った。

濃い密度の弾幕を避けていると、勇儀が足を踏み鳴らした。

次の瞬間、耳が聞こえなくなる程の轟音と共に更に濃い密度の弾幕がユイを取り囲む。

「…は?」

桁違いの弾幕に流石のユイも唖然とした表情を見せる。

「御太刀『混淆剣 太極』!」

ユイは太極を手元に呼び寄せると目に見える弾幕を片っ端から切り刻みはじめる。

「はははっ! 面白い! 流石私を呑み負かした男だ!」

「こんなの…三歩必殺じゃねえか!」

「三歩必殺だからな。初見瞬殺なんだが、ここまで耐えたのはお前が初めてだ。」

勇儀はユイの弾幕を器用に躱す。

それでも、油断すると被弾する弾幕なので油断は出来ない。

しかし、勇儀の顔には楽しそうな表情が見て取れた。

しばらくの間、2人はお互いの弾幕を避け続ける。

「ここまで耐えたことを褒めてやろう! これで最後だ! ここで被弾してもらうよ! 三歩必殺の名が泣くからな!」

勇儀は地面を打ち鳴らした。

「冗談だろ…」

今までの物とは比べ物にならない密度の弾幕がユイに向かってくる。

大吟醸が未だかつて無いほど大きく揺れていた。

「竜麟『Absolute shield』!」

桜の花びらの様な形をした弾幕がひらひらと舞い落ちては勇儀の弾幕とぶつかりぶつかった弾幕ごと砕け散る。

しかし、しぶとい弾幕のひとつがついにユイの胴体を捉えた。

凄まじい衝撃がユイを襲う。

「勝負あり、だ。」

勇儀が笑う。

ユイも釣られて笑う。

「いや、まだだ。」

ユイは盃から逃げ出した大吟醸を口で捕らえると勇儀の背後に回り込む。

素早く鋭い蹴りが襲う。

しかし、勇儀も鬼だ。

そう易々とは蹴らせない。

軽く膝を曲げて躱すと振り向きざまに拳を振った。

ユイはそれをしゃがんで躱すと振られた勇儀の腕を下から掴み上げた。

「これで僅かなもんだが右手は封じたぜ。」

その言葉に勇儀は大きく息を吸い込む。

「ハァッ!」

凄まじい威圧感がユイを襲う。

ユイは堪らず後ろに跳び退いた。

それを勇儀は追撃する。

盃を一瞬だけ宙に浮かせると両手で拳を叩き込む。

ユイは手を後ろにやったが何を思ったのかそのまま勇儀の拳を受けた。

盃がひっくり返り大吟醸が宙を舞う。

「お見事。」

ユイは吹っ飛ばされながらそう呟くと岩壁に叩きつけられた。

ユイを中心に大きな亀裂が走る。

勇儀は盃が収まるであろう場所に手をかざす。

しかし、いつまで経っても盃は戻ってこなかった。

「探し物はこれか?」

ユイの声が聞こえる。

その手には勇儀の盃が乗っていた。

中身はまだ並々と残っている。

それをユイはぐいっと煽ると勇儀に返した。

「…何が起きたんだい?」

流石の勇儀も唖然とする。

「三歩必殺を攻略するのに剣を使ったよな?」

「そうだな。」

「もしあれが、付喪神だとしたら? そいつが人型を取るとしたら?」

勇儀はだんだんとユイが何をしたのかを飲み込んだ。

顔を上にあげ大声で笑う。

「いや〜、参った! 見事! 私の負けだよ!」

「何を言うか。盃を飛ばされたのは俺だ。勇儀さんの勝ちだよ。」

「いやいい! 今回の勝利はお前に譲ってやるよ!」

そう言うと勇儀はユイの肩を叩いた。

やたらとハイテンションだ。

「お前さんさ、周りからよく『世話焼き』って言われないか?」

「おう、よく言われるさ! 酒が入るとな!」

勇儀の底抜けて明るい声にユイはただただため息を吐くばかりだった。

さすがユイくん!

やられてもただではやられない!

そこに痺れる憧れるぅ!

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