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壱:正体は閻魔様!?


学校が授業開始のチャイムを鳴らす


‥と同時に始まる1対1の真剣勝負

その名も¨ババヌキ¨


馬鹿にするな、タダのカードゲームではない!


お互いに腹を探り合い、手元・表情、眼球のちょっとした動きでさえも見逃さない

裏の裏を読むトラップの応酬




相手は2枚、俺は1枚


ここは慎重に‥

右か、左か‥‥ん?

今目が左を見た!!

ならば、


「こいつだぁぁぁぁ!!!」



バッと裏返す


〈カーーーッカッカッカッ♪掛かったな、Jokerだ!〉


チクショー!あの目はフェイクか!?

形成逆転、今度は相手の番だ


相手は俺を見てニヤッと嗤い、1枚引く

〈ワシの勝ちじゃ♪〉


マジかよ!!

「あーぁ、ジジは233勝0敗かぁ‥今日こそはと思ったんだがなぁ」


ポケットから煙草を取り出して火をつける


〈まだまだじゃなぁ〜若造!カッカッカッ♪〉

そう言ってジジも煙管をふかす


「ま、明日にでも負かしてやるよ!」


〈カッカッ♪そりゃぁ楽しみじゃわい〉


晴天の空に白く煙が昇っていく



俺は如月神無(勿論男)

私立狩火(シュカ)高校2年3組


んで、隣はジジこと満三郎爺さん(爺さんだからジジ)

本人談500歳位らしい

(現実的に考えると戦国時代生まれ‥細かい事は置いとこう)


多分幽霊ってやつだと思う

俺は昔から見えるんだけど、やっぱ普通は見えない

だけどジジは俺以外にも見えるらしい

年の功ってやつか?



今では俺や俺の知り合いとも仲がいい

かれこれ1年経つかな?



「ジジ、今日の昼休みは来るのか?涼がチェスしたがってたけど?」


〈すまんの、昼休みは先約が入っておるんじゃ〉


「珍しいなジジ、雨以外でいなくなるとは」


〈ちょいとカフェでランデブーじゃ(笑)♪〉


ランデブーって‥


「なら明日だな、涼に言っとくよ」


〈カッカッ頼むわい!お、もう昼餉時じゃな。でわまた明日の!〉


「またな!」


ジジは煙管をくわえながらふわんと飛んでいった




〈やはり、あやつが適任かもしれんな、カッカッカッ♪イイ人材が見つかったもんだ!〉


ジジの呟きは風に消えていく‥




1日も終わり家路につく


今日の飯はどうしたもんか‥

面倒くさいからカレーだな!



学校から出て公園(という名のグランド)を横切り、商店街を抜けてしばらく歩くと俺の家がある

両親は既に他界し、今は俺と愛猫の小次郎が住んでいる

小次郎はいつも玄関に出迎えてくれる可愛いやつだ




「帰ったぞ、小次郎〜?」


し〜ん‥




ん?小次郎が来ない

タンスに挟まったか?


靴を脱ぎ居間に入る



ガチャッ


「・・・・・」


バタンッ!



何かいた‥

ここは俺んちで、鍵もしっかり掛けていった、ここには俺と小次郎しか住んでいないわけで、しかし今居間には誰かがいる

小次郎と戯れてる

つーか、


「誰!?」



再度勢い良く居間に入った‥ら

その誰かが目の前に立ってる〜!!


「・・・・・」

「・・・・・」



なんか見てる!

なんか見てる!!

なんか見てるし顔近ぇー!?



「如月‥神無殿か?」

「は?そ、そうだけど‥ってか近い近い!」

「え?あぁ、すまぬ」


誰かさんは俺から一歩下がった


腰まである紫がかった髪

どこかの外人モデルみたいな端正な顔立ち

特徴は紅い眼と白い着物

背も高いし胸も‥まぁ見なかったことにして

痩せというよりスレンダー

って、俺オヤジか!?



「如月殿?」

「ハイッ、オヤジです!」

「‥オヤジ?」


しまったあぁ!!

ものっすごい見てるよ(汗)


「如月殿!」

「ぁあ、はぃ」

「‥‥本日よりこちらに滞在させていただく御叉狩(ミサカリ) 朱祠(アカシ)と申します。」

「はぁ‥って、滞在!?」

「はい、父上が如月殿に話をしておくと言っていましたが、その様子だと‥」

「まぁ、なんにも‥」

「チッ‥まったく」


今舌打ちしたぁ!!


「ちーちーうーえー、そこにいるんでしょう!出てきなさい」


え?いるの!?


壁に裂け目が出来た

中から誰かが現れた


〈カーッカッカッカッ、見つかってしもうたか♪〉


ってジジかよ!?


「何でジジが来るんだよ!」

〈じゃって、呼ばれたからのう♪〉

「いや、ジジ違うだろ!!」

「父上!」


は?


「今‥なんて?」

「父上」

「CHICHIUEーーー!!!!」






なんてこったぁぁ!スレンダー美人の父親がまっさか500歳の爺さん!?

てか幽霊の子供ってオカシイダロ!!



「父上、いつまでもそんな格好してるから如月殿が混乱している」

〈おおー忘れておった!でわ‥ドロンッ!〉

「ごふぅっ!!」



俺、直撃

部屋いっぱいに煙幕が立ち込める



「ゲホッゲホッ‥ジジ」



〈どうだ若造!〉


晴れた煙の中からエッヘンとばかりに胸を張る1人の男性


紫がかった髪は襟足が長く一つに結われ、黒の着物に身を包んだ美男子

スレンダー美人と同じ紅い眼


「え、誰!?」


〈もう忘れたのかワシを?満三郎だ!カーッカッカッカッ♪〉


ジジィィーーーー!?



「ちょっ、ちょっと待て!」

〈なんだ?〉

「ジジは爺さんじゃないのか?」


〈あれは仮の姿だ♪以前知りあった水戸ナントカってヤツの姿が気に入ってな!〉


ええ〜まさかの黄門コス!?

てかスレンダー美人呆れてテレビ見てるし‥って水戸○門かよ!


「500歳ってのは?」

〈あれはホント!〉

「あの子が娘ってのは?」

〈それもホント!〉

「幽霊じゃなかったのか?」

〈幽霊?カーッカッカッカッ♪あんなのと一緒にするな!俺は閻魔だ!!〉



・・・・・・ん?

閻魔様ァァァァァ!!



「マ‥マジ?」

〈マジvV〉

「証拠は?」

〈もうすぐ来る♪〉


は?


ドドドドドドドドガッシャーーン!!!



なぁにぃぃぃ!?



[閻魔様ぁぁぁ!!見つけましたぞ、また冥界を抜け出して!業務が滞ると何度申し上げたら分かってくださるんですかぁぁぁ(泣)]


鬼っ鬼がいる!頭に角生えてるって!!てか泣いてるよ!?


〈あぁ漸鬼ぃ〜お前出てきたら場が白けるだろうが!〉


[ガーーーン!!]

漸鬼1000のダメージ


〈大体なぁ、いつまで経っても泣きべそかいてるから合コン行っても相手にされないんだぞ!〉


[ガーーーーン!!]

更に1000のダメージ


〈だからお前はチ○リーなん‥ボカァァン‥グフォッ!!〉


閻魔10000のダメージ

戦闘不能


[お嬢!!]


「何しに来たんだテメェは!漸鬼もぐずるな!いいかげんにしないと2人の(ピー)纏めてチョン切って小次郎の餌にするぞ!」


いろんな意味でやめてくれぇぇぇぇ!!


[〈スイマセンデシタァ〉]



土下座したぁぁぁ!!



「で、納得してもらえたか?如月殿」


変わり身早っ!!?


「えっと‥そこの土下座してるのが閻魔様で、君はその娘で、うちに住みたいってとこでいいのか?」

「十分です」

「何でウチ?」

「あのバカ親の気まぐれです」



気まぐれかよ!


「此処(現世)にいる理由は?」

「私は次期閻魔なのですが、まだまだ未熟なため、冥界と現世の現状把握という名目の社会見学と人間観察の為です」


現閻魔より十分しっかりしてそうですが‥


「なるほどね」

「滞在許可は頂けますか?」

「ん〜まぁいいか、うちは俺と猫だけだしな!じゃあこれからよろしくって事で!」

「こちらこそ宜しく頼みます」



〈カッカッカッ♪閻魔ふっかぁーつ!話は纏まったみたいだから俺は帰るとするかな!〉



ホント何しに来たんだアンタ



[ならば私も共に!お嬢、お体にお気をつけて!]


「ああ、バカを早く連れて行ってくれ!」


[はい!如月殿、また改めて挨拶に伺わせていただきます。お嬢をどうか宜しくお願い致します]


「ああ、はい」


深々と頭を下げる鬼・漸鬼さん礼儀正しい人(鬼)だ!

好感度高いぞ


[ではこれにて]


〈また明日な、如月!娘を頼んだぞ♪〉


2人は壁の裂け目から帰って行った




嵐が去って溜息が出る

明日から大変そうだな‥



一気に静かになる居間



「そういえば如月殿」

「ん?」

「オヤジとは?」


今きたかぁぁぁ!!!!!



もう今晩から大変そうだ(泣)

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