転移
こっちはゆっくりゆっくりしていきます
「やあ、結さん、悠馬さん貴方たちには転移してもらうよ」
突然、黒いドレスを着た人がそういってきた。私の隣にいる悠馬君というのは同じクラスにいる男の子だ。あまり、人と親しくしてるような様子はないし、よく私をにらんでくるけど私は何かした覚えはないんだけどね。あとから、聞けたら聞いておこうかな。
「ああ、今君たちはしゃべれないからね。君たちに質問を1つずつ答えるのを許可するよ」
「なぜ、俺たちは転移させられるんだ?」
「僕が選ぶ権利があったからかな。普通転移者は2通りあって、召喚型と選別型があってね。召喚型はほら君たちが本で読むような国とか組織とかから異世界から転移させるためだからランダムに連れてくる。その代わり、ポンポン召喚されちゃこっちも困るから一つの召喚陣からは30人以下しか転移させないし、その単位も80年から90年だからね。で、ここからが本題だ。君たちを連れてきたのは選別型、神が交代で二人ずつ転移させられる。理由としては神が連れてきた人は召喚型より信頼性があるのと、問題の起こしそうな召喚型の人が来るときにその対策だね」
対策ね。だけど対策だとしても連れてこられた人たちはたいへんだよね。
「あ、そうそう連れてくる人は召喚型で連れてこられた人の関係者だからね。君たちだと同じクラスの人だよ。まあ、君たちは面白そうだからどっちにせよ連れてきたんだけどね。だって順番だからあまり当たらないからおもしろそうな人を連れてきたいじゃん」
そういわれても困るんだけどな。というか私のクラスなのね。問題を起こしそうなのは。
「じゃあ結さんの質問は?」
「私たちは何をすればいいの」
来た人を全員殺せって言われても、クラスメートを殺すのは抵抗があるし。
「君たちにはダンジョンの経営をしてもらうよ」
「ダンジョンマスターってことですか?」
「いや、コアの方になってもらう。もちろん普通に動けるけどもう一つダンジョンコアができるから壊されないように気を付けてね。壊されちゃうと死んじゃうよ。それと1人面白そうな人を呼んでおいたから、ダンジョンマスターになるように説得してね」
はあ、どっちにせよ拒否権はないんだろうな。
「じゃ、頑張ってね。世界で一番の難関ダンジョンを作るも、世界から恐れられる危険ダンジョンを作るも自由だから」
「わかりました。悠馬君いこうか」
「わかったよ、結さん」
だんだん周りが光に包まれ私たちは去っていった。
「まあ、僕は邪神なんだけど、君たちの生き様面白くなりそうだね」