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最強のNPCは鍛冶師でした  作者: ジルコ
第四章:4人の冒険者?
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エピソード77

 モノミルの街北側のあまりプレイヤーがいない草原のフィールドでカザハたち4人は地面にうずくまりながらブチブチと草を抜いていた。たまに一角ウサギが襲ってくるが全く脅威ではないため各自始末して終わりだ。


「そういえばタケノコありがとうございました。母が感謝していました。」

「こちらこそ。手伝ってもらっちゃって悪かったわね。」

「いい。タケノコご飯、天ぷら、春巻き。美味しかった。」

「ぼくも春巻きが好きだな。タケノコが入ると食感が変わって美味しいんだよね。」


 4人がしゃべりながら抜いている草は薬草だ。北のフィールドはあまりプレイヤーが来ないため薬草の群生地が多い。他にも取っている生産職らしきプレイヤーもいるので邪魔にならないように人があまりいないところを探して4人は採取していた。


「それにしても大きなスコップでタケノコが掘れるとは思いませんでした。テレビとかだと鍬で掘っているイメージだったので。」

「スコップ最強。」


 スコップ片手に嬉々としてカザハの家の竹林を走り回っていたエニシが、その時のことを思い出し楽しそうな顔をする。


「鍬は慣れた人にとっては使いやすいけれど、タケノコを掘るだけならスコップで十分よ。」

「スコップでも風の谷のナ〇シカごっこ出来たし。ぼくもスコップが好きだな。」


 この前のタケノコ掘りで鍬を使っていたのはカザハ1人だった。一応全員分の鍬とスコップをカザハは用意して、鍬を入れる方向や、力の入れ方などは教えたのだが、結局スコップの方が使いやすく3人はスコップで楽々タケノコを掘っていたのだ。

 ちなみに風の谷のナ〇シカごっことは、タケノコをうまく掘ると、一番下の部分にナ〇シカに出てくるオー〇の目のような点々があり、細い根もついているとまさにそっくりなのだ。途中からエニシがラン、ランララ、ランランラン、と歌いだしたことでそれに乗ったユカナがタケノコを両手に持ちながらおばば様のまねをしたりと言う一連の流れがそのごっこ遊びであった。


「ふぅ、とりあえず目標の数は採れたわね。」


 カザハが立ち上がり、腰に手を当てくぐぐ、と背伸びをする。微妙に年寄り臭い。それに合わせて他の3人も薬草の採取を終え、立ち上がった。


「それじゃあ冒険者ギルドの納品に行きましょう。これでユカナさんも9級に上がれるはずです。」

「おぉ~、やっと新人から抜け出せるのか~。」

「おめでと、ユカナ。」


 ユカナが楽しそうにどうも、どうも、と右手を挙げ、選挙の時の政治家のように応えていた。カザハたちが今更になって薬草の採取などをしているのは冒険者ランクを上げる為だった。それは新入生歓迎会のイベントの終わった日にさかのぼる。





 部屋の掃除と家具の備え付けを終わらせ、シンテツの店の奥にある食堂でガクが食事を作りながら今後の方針について4人で話し合っていた。


「というわけで、今後はユカナの修行もかねてミズホの国へ行く予定なのよ。」

「1回、2人で行こうかと思ったんだけど途中の敵が強すぎて回復薬がいないと無理だったんだよね。カザハは何とかなるんだけどその間にぼくがやられちゃうし。」

「米。楽しみ。」


 話を聞いていたエニシはどちらかと言うとドワーフ自治国にある焼きおにぎりの方へ興味を引かれていたが、いつものことなので他の3人は柔らかくスルーしていた。そしてキッチンで料理を作っていたガクが思い出したかのようにカザハたちの方を向く。


「と言う事は冒険者ランクを6級まで上げないとダメですね。僕たちはまだ8級なのでもう少し待ってもらうことになりそうなんですが大丈夫ですか?」

「そういえば、国外に出るには一定ランク以上に上げないといけないんだっけ。すっかり忘れてたよ。」


 カザハとユカナがそういえば、と思い出す。

 実際カザハとユカナは自分たちの努力でランクが上がったわけではなく、シンテツの弟子と言う事でなぜか鍛冶師ギルドのミスリルランクまで一気に上がってしまったので、国外に出るためにランク上げが必要と言う実感があまり無いのだ。


「カザハとユカナは何級?」


 ずずず、とガクの用意したあたたかい紅茶を飲みながらエニシが質問する。喉が渇いたからではなく、空腹を押さえるための行為なのだがそれに気付いているのはガクくらいだ。

 その言葉にカザハとユカナはちょっと照れたように顔を赤くした。


「えっと私は9級ね。」

「ぼくは入ってさえいないね。」

「「えっ!?」」


 その答えにガクとエニシの動きが止まる。まさか自分たちよりも先にAWOをやっていて、しかもイベントでその強さも十分に知っている2人が自分たちよりも低いランクだとは夢にも思わなかったのだ。

 そんな2人の様子を見て、カザハがわたわたと焦ったように手を振る。


「ほら、私は師匠との修行ばっかりしていたから冒険者ギルドの依頼は二の次にしていたから・・・」

「ぼくも、鍛冶ばっかりで冒険者ギルドは使ってないからな~。どちらかと言えばぼくとカザハは鍛冶師ギルドの方を使ってるしね。」

「はぁ、そうなんですか。」


 ガクが納得したように呟き、料理へと戻っていく。その様子に先輩としての威厳が・・・、とちょっと考えていたカザハも安堵で胸をなでおろした。


「じゃあ、当面はガクとエニシのギルドランク上げのために冒険者ギルドの依頼をこなすってことで良い?」

「わかった。」

「よろしくお願いします。」


 結論がまとまったように見えた話し合いだが、1人ユカナは腕を組んで考え事をしていた。

 そして思いついたかのように顔を上げる。


「ぼくも冒険者ギルドに登録してみるよ。せっかくなら冒険者になってみたいし。」


 その言葉は受け入れられ、そして全員のランクをそろえるためユカナやカザハのランクアップを最初に行うことになったのだった。





 倒して素材として持っていた一角ウサギの皮を納品し、簡単な戦闘試験を受けることで冒険者ギルドに登録を果たしたユカナだったが、10級から始まるので、まずはランクアップのために依頼をこなす必要があった。

 新しい素材が大量にあったためシンテツやスミスからの指導が重なりしばらくの間冒険者としての活動が出来なかったユカナだったが、昨日にやっと及第点がもらえたため4人で改めてランクアップのために依頼をこなすことにしたのだ。

 そして選んだ依頼は「薬草×5の納品」「一角ウサギの肉×5の納品」である。


「やっぱり、最初の依頼と言えばこれだよね~。」


 と言うユカナの言葉に、エニシがうんうんとうなずいていた。カザハもガクも別にこだわりは無かったので特に突っ込みもせずにその依頼に決まった。そして4人であまりプレイヤーのいないモノミルの街の北へと向かったのだ。

 実際、納品系の依頼なのでお金の損を考えずにズルをすれば店やプレイヤーから購入することで簡単に達成することは出来るのだがそんなことをするつもりは毛頭なかった。

 そして2日目にしてやっとランクが上がるだけの依頼をこなすことが出来たのだった。


「いや~、やっぱり依頼をこなしていると冒険者って感じがするね。」

「私は草むしりをやってる気分だったわ。」

「冒険者の始めは薬草採取。様式美。」

「まぁ、言いたいことはわからないではないですけどね。」


 4人でうだうだと話しながらモノミルの街の冒険者ギルドへと向かい、ユカナの冒険者ランクは無事9級へと上がった。





 ◇----登場人物ステータス----◇


<登場人物1>(スキルレベルアップ)

 名前:カザハ

 種族:金狼族

 職業:剣士

 副職業:素材ハンター

 称号:『剣聖の弟子』、『鍛冶師ギルドのお墨付き』、『世界を股にかける者』、『一匹狼』、『レアボスハンター』、『神のきまぐれ』、『坑道名人』、『ドワーフの友』、『ゴーレムスレイヤー』、『孤高のハンター』、『ハムハム』、『良き先輩の証』

 従魔:サスケ 


 Lv30

 HP  865/865  MP  175/175


 STR 452   VIT 310

 INT 148   MID 166

 DEX 332   AGI 470

 LUK 46


(スキル)

【剣術 Lv47】、【斬鉄】、【剣聖術 Lv27】、【投擲 Lv23】、【HP上昇 Lv11】、【STR上昇 Lv11】、【VIT上昇 Lv11】、【AGI上昇 Lv11】、【気配察知 Lv33】、【採掘 Lv42】、【解体 Lv31】、【釣り Lv6】、【採取 Lv22】


(装備)

 武器  黒銀の小太刀(カザハ用)

 頭   なし

 腕   軍隊赤蟻の小手(カザハ用)

 上半身 軍隊赤蟻の胸当て(カザハ用)

 服   軍隊赤蟻の道着袴

 下半身 軍隊赤蟻のすね当て(カザハ用)

 足   軍隊赤蟻の靴(カザハ用)

 アクセサリ 絆のミサンガ

 アクセサリ なし


<登場人物2>(スキルレベルアップ)

 名前:ユカナ

 種族:銀狼族

 職業:付与術師

 副職業:鍛冶師

 称号:『神級鍛冶師の弟子』、『鍛冶師ギルドのお墨付き』、『世界を股にかける者』、『神のきまぐれ』、『坑道名人』、『ドワーフ王の教え子』、『良き先輩の証』


 Lv29

 HP  547/547  MP  294/294

 STR 194  VIT 157

 INT 334  MID 218

 DEX 517  AGI 346

 LUK 108


(スキル)

【付与術 Lv31】、【採掘 Lv12】、【鍛冶 Lv40】、【杖術 Lv23】、【皮細工 Lv25】、【釣り Lv4】、【採取 Lv7】、【***】、【***】、【***】


(装備)

 武器  黒鉄の杖

 頭   なし

 腕   軍隊赤蟻の小手(ユカナ用)

 上半身 軍隊赤蟻の胸当て(ユカナ用)

 服   森林狼のローブ(ユカナ用)

 下半身 軍隊赤蟻のすね当て(ユカナ用)

 足   軍隊赤蟻の靴(ユカナ用)

 アクセサリ 絆のミサンガ

 アクセサリ なし


<登場人物3>(スキル判明)

 名前:エニシ

 種族:エルフ族

 職業:武闘家

 副職業:美食家

 称号:『挑戦者』、『良き後輩の証』


 Lv24

 HP  570/570  MP  329/329

 STR 206  VIT 154

 INT 302  MID 277

 DEX 195  AGI 268

 LUK 33


(スキル)

【格闘術 Lv29】、【釣り Lv3】、【採取 Lv6】、【***】、【***】、【***】、【***】、【***】、【***】


(装備)

 武器  黒鉄のグローブ(エニシ用)

 頭   なし

 腕   一角ウサギの小手

 上半身 軍隊赤蟻の胸当て(エニシ用)

 服   一角ウサギのローブ

 下半身 軍隊赤蟻のすね当て(エニシ用)

 足   軍隊赤蟻の靴(エニシ用)

 アクセサリ 絆のミサンガ

 アクセサリ なし


<登場人物4>(スキル判明)

 名前:ガク

 種族:エルフ族

 職業:僧侶

 副職業:料理人

 称号:『博愛者』、『良き後輩の証』


 Lv26

 HP  474/474  MP  407/407

 STR 137  VIT 124

 INT 360  MID 336

 DEX 198  AGI 203

 LUK 36


(スキル)

【料理 Lv18】、【本 Lv23】、【回復魔法 Lv25】、【MP上昇 Lv6】、【MP回復上昇 Lv16】、【気配察知 Lv20】、【釣り Lv3】、【採取 Lv12】


(装備)

 武器  聖職者の心得(初級編)

 頭   なし

 腕   一角ウサギの小手

 上半身 軍隊赤蟻の胸当て(ガク用)

 服   一角ウサギのローブ

 下半身 軍隊赤蟻のすね当て(ガク用)

 足   軍隊赤蟻の靴(ガク用)

 アクセサリ 絆のミサンガ

 アクセサリ なし

パーティとして冒険者の活動を始めた4人。冒険者ギルドの受付へと向かった4人に酔っぱらいの魔の手が迫る。


次回:お約束は大切に


お楽しみに。


あくまで予告です。実際の内容とは異なる場合があります。

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新作です。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。

「大地転生 ~とりあえず動けないんだが誰か助けてくれ~」
https://ncode.syosetu.com/n5307ei/

少しでも気になった方は読んでみてください。

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「外伝用お題募集ページ」
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