大喜利外伝:ドキドキ☆海の探検!?
お題をいただいた「火山」「宝石」「しっぽ」の大喜利外伝です。
本編とは全く関係ありませんので読み飛ばしていただいても・・・
いえ、結構苦労したので読んでもらえると嬉しいです。
500ポイント記念です。
5/15 パロった部分を修正しました。指摘ありがとうございます。そしてド○ンさんご免なさい。
海岸線の白く広がる砂浜で、水着姿のユカナとエニシ、水着に軽い上着を羽織ったガクがビーチボールを打ち合って楽しんでいる。
ユカナの水着はワンピースタイプだ。青と白のボーダー柄でそのお尻からはちゃんと銀色の尻尾が飛び出している。エニシの花柄のビキニタイプの水着に腰の位置からパレオをつけている。そのパレオがひらひらと揺れる。
「ユカナ。」
「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ!ゴッ〇フィンガー!!」
エニシのトスを跳び上がったユカナがへろっ、と打ち返す。ビーチボールがふわふわと力なくガクへと向かっていった。
「ユカナさん、そろそろ諦めたらどうですか?」
「まだまだ!」
ガクが飛んできたビーチボールを取りやすいようにエニシへと打ち返す。ガクは紺色のハーフパンツタイプの水着に上半身は黄色の長そでタイプの薄いパーカーを着ていた。パーカーはしっかりと首元まで閉められているため、その風貌と合わせて男か女か判断するのに迷う感じだ。
ちょうど頭の上にふわふわと打ち返されてきたビーチボールをエニシが再びトスする。
「はい。」
「俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ!くらえっ、シャァァァイニ〇グゥフィンガー!!」
ジャンプし、勢いよく振り下ろされたユカナの手はボールの下部をかすり、ボールをくるくると回転させながらゆっくりとガクへ向かって飛んでいくのだった。
そんな楽しげな3人の様子を、カザハはただ黙って見ていた。そして改めて自分の格好を見直す。
カザハの格好は全身紺色のウエットスーツのような格好だ。足ヒレとシュノーケルもつけている。あまりに他の3人と違う自分の格好のためか、それとも暑さのせいかカザハは若干のめまいを感じた。
「なにボーっとしてんだ。早く行くぞ。」
その声の方向をカザハが向く。カザハの横に立っているシンテツはいつも通りの格好をしている。ある意味カザハ以上にこの場所にそぐわない格好だった。
そんなシンテツを半眼でカザハが見つめる。
「あの師匠、なぜ私たちはこんな恰好なんですか?」
「あっ?そんなもん海に潜るからに決まってるだろうが。」
カザハは何かを言おうとして、そしてやめる。言っても無駄だということは今までの経験上でよくわかっているし、シンテツが海に行くと言った時点でおかしいと思わなかった自分もうかつだったと思ったからだ。
ただ、思うところが無いわけではない。せっかくユカナとエニシと一緒に買った水着を着ることが出来ず、シンテツに渡されたウエットスーツを着せられたからである。おニューだったのにな~、とちょっとやさぐれ気味でそのテンションは低い。
そんなカザハに構うことなくシンテツは海を見続けていた。
「じゃあ行くぞ。ちょっと遠いからな。いつも通りだ。」
シンテツが膝を曲げたのでカザハはもう何も言わずにそのまま肩へと乗る。シンテツは満足そうな顔で一度屈伸するとそのまま海へ向かって走り始めた。
カザハはその時その違和感に気付いていなかった。海に潜るのになぜ肩に乗る必要があるのかと言うことに。ただいつも通り肩へ乗れと言われ、それに従っていたのだ。だからこそ自分の身に起こっている事態を飲み込むのに時間がかかってしまった。
「何で海の上を走ってるのよ!!」
シンテツは海岸の砂地から海へ向かって進んでいき、そのまま海の上を一直線に走っていたのだ。まるでそこに道があるかとでもいうかのようにシンテツの靴は水に濡れてさえいなかった。
その叫び声に、シンテツが顔をしかめて面倒くさそうにカザハを見ていた。
「うるせぇな。最初から遠いって言ってるだろうが。お前が泳いでたら着く前に日が暮れちまうぞ。」
「そういうことじゃないわよ。どうやって走ってるか聞いてるの!!」
「そりゃあ、足が沈む前にもう片方の足を上げれば・・・ってそんな目をするんじゃねえよ。冗談だ、冗談。」
シンテツが段々と厳しくなっていくカザハの目を見て、言葉を止めた。しかし相変わらず足を止めることなく海上を走っている。シンテツが走った後には船が通り過ぎた後のような一筋の白い泡の跡が続いていた。
「まあそういうスキルがあるってことだ。まあ使い道はあまりねえし、MPを馬鹿みたいに食うからお前に教えるつもりもねえよ。」
「ちょっと安心したわ。本当にスキルもなしに走っていたらどうしようかと思ったわよ。」
カザハが普段の表情へと戻る。水の上を走れるスキルを教えてくれないというのは、侍や忍者が好きなカザハにとっては残念なことであるのだが、まあスキルがあるならいつか覚えられるかもしれないし、そんな効果の付いた装備品があるかもしれないと気持ちを切り替えていた。
そんなカザハを逆にシンテツが馬鹿にするような顔で見ていた。
「お前なあ、人間が海の上をスキルもなしに走れる訳ねぇだろ。俺の事をなんだと思ってんだ?」
「えっと、かろうじて人間?」
シンテツの言葉に、カザハの口から普段考えていることがポロッ、と飛び出す。カザハがしまった、と逃げ出そうとするが海の上に逃げ場など無かった。
「ほう、お前が俺をどう思ってるかが良くわかった。」
「師匠、言葉のあやってやつよ。別に本心ってわけじゃあ・・・」
その続きを聞く必要は無いと言うかのようにカザハの首根っこを猫でも掴むようにシンテツが持ち上げ、カザハは宙ぶらりんの状態になる。シンテツが笑顔を浮かべながら、しかしそのこめかみに青筋が浮かんでいるのを見てカザハの尻尾が諦めたかのようにしゆん、と垂れた。
そしてシンテツがもう片方の手でかっしりとカザハの胴体を掴む。
「海の上を人間が走れるわけがねえよな。じゃあ空は飛べるかちょっとお前試して来い。」
「無理に決まってるでしょー!!」
ミサイルのように45度の角度で空へと飛んでいくカザハの叫び声を聞いていたのは空を飛ぶ海鳥だけだった。
カザハの目の前で、蝋で固めた翼をパタパタとさせながらユカナが飛び回っている。ユカナはカザハの周りをくるくると2回ほど回った。
「じゃあ、ちょっとぼく太陽目指して飛んでみるよ。」
カザハを残してユカナは太陽に向かって飛び去って行く。ダメよ、蝋で固めた翼は溶けるって相場が決まってるわよ!そう言おうとしたカザハだったが言葉は出ず必死に伸ばした手はむなしく空をきるだけだった。そして突然地面が崩れ、真っ逆さまに落ちていく。
バシャン。
口の中に入った塩辛い液体を吐き出すためにカザハがケホッ、ケホッ、と咳をする。周囲を見るとシンテツが同じように海面に浮かんでいた。そこでやっとカザハが今見ていたのが夢だと気付いた。
「おぅ、起きたか。目的の場所に着いたぞ。」
「・・・なんで何事もなかったかのようにしてるのよ!!」
カザハがだんだんと事態を把握し、シンテツへと抗議の声を上げた。シンテツもそれを予想していたからだろう、その耳を両手でふさいでいた。そしてカザハが言い終わったのを確認するとただ一点を指さした。カザハがつられてその方向を見る。
そこには海面から白い煙がもうもうと立ち上っていた。
「何、あれ?」
先ほどまでの怒りも忘れ、その光景にカザハがあんぐりと口を開けたまま驚く。そしてゴーグルをつけて海を覗くとごつごつとした黒色の岩の隙間からブクブクと気泡が舞い上がり、たまにその黒い隙間から赤色の何かが見えていた。
「海底火山ってやつだ。」
顔を上げたカザハにシンテツが教える。改めてカザハが見てみて、あの赤い部分がマグマなのね~、とじっくりと眺めていた。
「それで何をするの?ただ潜るわけじゃないわよね。」
「あぁ、あそこで採掘できる藍のアクアマリンが必要な装備の注文が入ってな。ついでだからお前にも教えておこうと思ったわけだ。」
「へぇ~。」
アクアマリンと言われてもカザハにはピンと来なかった。カザハの知っている宝石と言えばダイヤやルビーと言った一般的にもよく知られている物だけでアクアマリンと言われてもどんなものかピンと来なかったのだ。藍のアクアマリンと言うくらいだから濃い青色なんだろうなと言う予想をするくらいだ。
「じゃあ行くぞ。俺が【採掘】する間、お前は襲ってくる奴らの相手をしてろ。」
「えっ?」
そう言い残してシンテツは一直線に海底火山まで潜っていく。水深が30メートルほどあるはずなのだがそれを苦にもしていなかった。取り残されたカザハも後を追う。
シンテツがつるはしを振るい始めた途端、周囲にモンスターの気配が漂ってくる。カザハがすぐに小太刀をアイテムボックスから取り出した。
するとすぐに10メートルほどある巨大なサメがカザハに向かって襲い掛かってきた。
カザハが小太刀を振るう。しかし足場のない海の中では満足に振るうことが出来ず、相手を傷つけるどころかむしろカザハの方が跳ね飛ばされていた。
(水中戦、初めてだけど厄介なことこの上ないわね。)
カザハはそう考えると、即座に戦法を変えた。自分から斬りかかっても遅いし、威力は殺されてしまう。ならば、と神経を集中させる。
再び攻めの巨大なサメがカザハを噛み殺そうと向かってくる。それを直前でかわすとその表皮をなぞるように小太刀を当てていく。サメは軽い傷を負い、水中に薄く赤色が混ざった。
(よし、行けそう。)
カザハはそのままの戦法を続けることを決めた。突撃をかわし、軽いカウンターを入れていく。そしてそれを続けるごとにだんだんと微妙な海流の流れが自分にわかる不思議な感覚があることに気づいた。
それはしっぽの感覚だった。いつもはユカナにいじられたり、感情を表すだけのしっぽの毛一本一本が微妙な動きをとらえ、そしてそれをカザハに知らせていたのだ。
(そっか、しっぽも使えるんだ。まだまだ私は強くなれそうね。)
カザハは新たな発見に笑い、そして獰猛な笑みを巨大なサメへと向けるのだった。
「よし、十分な量が確保できた。帰るぞ。」
「はい。」
採掘を終えたシンテツが再び海面に立つ。そのシンテツの肩に乗り、帰っていくカザハのしっぽは機嫌よさそうに左右に揺れていた。
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