エピソード65
昨日はお騒がせしました。
修正はしましたのでまだ見ていないかたは読んでみてください。
よろしくお願いいたします。
ボス部屋は100メートル四方の広い空間だった。それもそのはずで、幼生体とはいえレッドドラゴンは体長5メートルある。狭い場所ではレッドドラゴン自身の身動きがとれないだろう。そして30メートルほどの高さの天井からマグマが落ち、所々にマグマの池を作っていた。
レッドドラゴンは地面を蹴り空中へと舞い上がろうとし、そして片翼がないためバランスを崩してそのまま墜落した。ドゴン、と言う大きな音とともにマグマの池に突っ込み、マグマがあらぬ方向へと飛んでいく。
「よしっ!行くわよエニシ。」
「わかった。」
ベチャッ、と全身を地面にぶつけて潰れているレッドドラゴンにカザハとエニシが攻撃を仕掛けるために駆け出していく。
「[アタックアップ]。」
「[守護の祈り]。」
駆けていく2人に向けて放たれた付与魔法の光をなびかせながらカザハたちが攻撃を開始する。ドラゴンは動くことができないのかその攻撃をただ受けていた。
その様子をガクが感心したように眺めている。
「すごいですね。まさか本当に翼を切ることが出来るなんて。」
「まあカザハだし。自分から言い出したんだからそれなりに自信はあったんだと思うよ。ぼくとしては片翼でも飛ぶんじゃないかと思ってたんだけどね。」
レッドドラゴンの動きを注意深く見ながらガクとユカナが言葉を交わしていく。
事前に掲示板でHPが残り30%になるとボスが飛ぶようになり、空中からのブレスや急降下からの体当たりや爪で掴んで空中へと連れ去り、そして落としたりと非常に戦いにくくなることをカザハたちは知っていた。それを防ぐためにはどうしたらいいか、掲示板の結論では翼を事前に攻撃しておくと空中での挙動が遅くなるため、なるべく事前に翼を攻撃しておくといったものだった。
それを知ったカザハがそれなら翼を斬り落としてしまえば飛べないんじゃない?と言い今回の作戦が決まったのだ。掲示板には翼を斬り落としたと言う情報は無く、本当に出来るかどうかはわからなかったが、どちらにせよ翼へとダメージを与えることが出来るため他の3人も了承した。
しかしカザハには確信があった。カザハは今まで、散々ゴーレムを切断してきているし、シンテツがモンスターを斬り倒す姿を見ている。AWOの世界のモンスターで部位を破壊できない者はいない、そう感じていた。
そしてそれをやってのけたのだ。
カザハとエニシの猛攻を受け、ただHPを減らしていたレッドドラゴンが前足をドン、ドンと地面に打ちつけ立ち上がる。その目には怒りがこもっているようにガクには見えた。
「怒ってるように見えますね。」
「そりゃあ、あんな無様な姿になったら怒るんじゃない?それよりも・・・」
ユカナの予想を裏付けるようにドラゴンがグググッ、と体を縮こませ、そしてカザハがユカナとガクの方を振り返り何かを叫ぼうとしていた。
「逃げるよ!」
「えっ!?」
ユカナがガクの手を引き、ドラゴンから垂直方向へと走り出す。ガクは訳もわからずに手を引かれるままに走っていた。そして自分の背後からズゴゴゴゴッ、と地面を削るような音がしたかと思うと、突風に背中を押された。
ガクが振り返ると、そこにはドラゴンがべちゃ、と地面に潰れていた。ドラゴンが縮こませた体をまるでバネのようにして、ユカナとガクを押しつぶそうと跳んできたことをそこでやっと理解した。
「大丈夫!?」
「ガク、平気?」
ドラゴンを追ってきたカザハとエニシが心配そうにガクたちに声をかける。エニシの表情は珍しく不安げだ。
「大丈夫だよ、姉さん。」
「いやー、これはきついね。予備動作がなかったら押しつぶされてたよ。」
2人の無事を確認し、穏やかになったエニシの顔に少しづつ怒りが現れてくる。それは普段エニシが見せないような顔だった。
「学に危害を加える奴は倒す。」
そう言って1人倒れたままのレッドドラゴンに向かっていった。そしてその後をフォローするようにカザハが続く。この攻撃をした後はしばらく動けなくなるようで、怒りに燃えたエニシの拳をレッドドラゴンはただ受けていた。
「まなぶ?」
「すみません。僕の本名です。姉さんがこんなに怒るのも久しぶりですね。でも本名はやめてよ、姉さん。」
レッドドラゴンにラッシュを繰り出しているエニシを見ながら、ガクが複雑な表情をする。自分のために怒ってくれたことは嬉しくもあるのだが、さすがに本名をゲーム内でバラされたことにはちょっと思うところがあった。ただそれがわざとではないことはガクが一番良く知っていた。
「まなぶだからガクか。ガクも単純だね。」
「姉さんが呼びやすい名前を考えただけです。下手な名前をつけたら面倒ぐさがって本名を呼びそうな気がしましたし。」
「あぁ、確かに。」
ちょっと笑いながら言ったエニシにガクが反論する。ユカナは普段のエニシの様子を思い出しありそうだと納得した。
しかし・・・とユカナは考える。そしてニヤニヤとした笑みを浮かべた。
「姉弟仲が良いですな~。」
「ッ!普通ですよ、普通。それよりもまた来そうです。逃げますよ。」
そのユカナの視線から、指摘されて赤くなった顔を隠すようにガクが走り出す。その後にユカナも続いた。2人が先程まで居た位置に再びドラゴンが飛び込んでくる。ドラゴンがマグマの池に途中で突っ込んだため、そのマグマが散弾のように四方八方へと飛んでいき、多少のダメージは受けたもののガクとユカナは無事に回避していた。
「パターン入ったね。」
カザハとエニシが動かなくなったドラゴンに攻撃を加えるのを眺め、ユカナが[アタックアップ]をかけ直す。ガクも頷きながらポーションを使い自分たちの傷を回復させていた。
そして同じような攻防が繰り返されること数回、最後はエニシの拳による一撃によりレッドドラゴンはその巨体を横たえることになるのだった。
「【解体】」
カザハの練習包丁バンノウがレッドドラゴンを切り裂いていく。その表情は鳥肉確保のために解体していた時とは比べ物にならないくらい真剣だ。光の筋へと斬撃を重ね、[纏]を使った影響で途切れそうになる集中力をなんとか繋いでいく。そしてカザハはなんとか斬撃を最後まで重ね切った。
その様子を3人は固唾を飲んで見守っていた。
レッドドラゴンの幼生体が光の粒子となりその後には大量の素材が残されていた。
◇----登場人物ステータス----◇
<登場人物1>(スキルレベルアップ)
名前:カザハ
種族:金狼族
職業:剣士
副職業:素材ハンター
称号:『剣聖の弟子』、『鍛冶師ギルドのお墨付き』、『世界を股にかける者』、『一匹狼』、『レアボスハンター』、『神のきまぐれ』、『坑道名人』、『ドワーフの友』、『ゴーレムスレイヤー』、『孤高のハンター』、『ハムハム』
従魔:サスケ
Lv30
HP 741/865 MP 34/175
STR 452 VIT 310
INT 148 MID 166
DEX 332 AGI 470
LUK 46
(スキル)
【剣術 Lv46】、【斬鉄】、【剣聖術 Lv22】、【投擲 Lv21】、【HP上昇 Lv11】、【STR上昇 Lv11】、【VIT上昇 Lv11】、【AGI上昇 Lv11】、【気配察知 Lv31】、【採掘 Lv41】、【解体 Lv27】、【釣り Lv6】、【***】
(装備)
武器 黒銀の小太刀(カザハ用)
頭 なし
腕 軍隊赤蟻の小手(カザハ用)
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(カザハ用)
服 軍隊赤蟻の道着袴
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(カザハ用)
足 軍隊赤蟻の靴(カザハ用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
<登場人物2>(レベルアップ)
名前:ユカナ
種族:銀狼族
職業:付与術師
副職業:鍛冶師
称号:『神級鍛冶師の弟子』、『鍛冶師ギルドのお墨付き』、『世界を股にかける者』、『神のきまぐれ』、『坑道名人』、『ドワーフ王の教え子』
Lv28
HP 488/533 MP 102/286
STR 188 VIT 153
INT 325 MID 212
DEX 502 AGI 336
LUK 105
(スキル)
【付与術 Lv30】、【採掘 Lv12】、【鍛冶 Lv38】、【杖術 Lv21】、【皮細工 Lv20】、【釣り Lv4】、【***】、【***】、【***】、【***】
(装備)
武器 黒鉄の杖
頭 なし
腕 軍隊赤蟻の小手(ユカナ用)
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(ユカナ用)
服 森林狼のローブ(ユカナ用)
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(ユカナ用)
足 軍隊赤蟻の靴(ユカナ用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
<登場人物3>(レベルアップ)
名前:エニシ
種族:エルフ族
職業:武闘家
称号:『挑戦者』
Lv22
HP 299/531 MP 290/309
STR 192 VIT 144
INT 282 MID 259
DEX 183 AGI 250
LUK 31
(スキル)
【格闘術 Lv24】、【釣り Lv3】、【***】、【***】、【***】、【***】、【***】
(装備)
武器 黒鉄のグローブ(エニシ用)
頭 なし
腕 一角ウサギの小手
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(エニシ用)
服 一角ウサギのローブ
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(エニシ用)
足 軍隊赤蟻の靴(エニシ用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
<登場人物4>(レベルアップ)
名前:ガク
種族:エルフ族
職業:僧侶
副職業:料理人
称号:『博愛者』
Lv24
HP 380/448 MP 128/377
STR 129 VIT 118
INT 334 MID 312
DEX 186 AGI 191
LUK 34
(スキル)
【料理 Lv14】、【本 Lv20】、【回復魔法 Lv23】、【MP上昇 Lv5】、【MP回復上昇 Lv14】、【気配察知 Lv19】、【釣り Lv3】、【***】
(装備)
武器 初心者の本
頭 なし
腕 一角ウサギの小手
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(ガク用)
服 一角ウサギのローブ
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(ガク用)
足 軍隊赤蟻の靴(ガク用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
解体によりついに念願のドラゴン肉を手に入れた一行。ドラゴン肉といえばステーキだ!という訳で宝箱も取らず食事を始めた4人に放置されたその宝箱に意識が芽生えていく。
次回:寂しがり屋の宝箱
お楽しみに。
あくまで予告です。実際の内容とは異なる場合があります。




