エピソード64
すみません、投稿エラーしました。
書き直しましたが想像以上に時間がかかりました。
遅れてすみません。ではどうぞ。
火山のダンジョンを探索し始めて6時間。4人の目の前にこの先がボス部屋であることを表す大きな扉があった。その目の前の広場でガクが片付けをしている。ちょうど3時頃だったのでおやつタイムに突入していたのだ。ちなみにおやつはガク特製のマフィンである。
「それじゃあ行きましょうか。」
「そうだね。腕が鳴るね。」
「がんばる。」
「頑張るのはいいけど作戦を忘れないでよ、姉さん。」
ガクの言葉に心外だとでも言わんばかりにエニシがふくれっ面をする。そんなエニシの頭をカザハが撫で、ユカナが肩を叩き、ガクが謝った。
そしてカザハが扉に触れるとその扉が少しずつ開いていく。4人の顔に少し緊張が走る。掲示板の情報によればここのボスは今までのボスとは格が違うのだ。
4人が部屋に入ると、白い煙とともに赤いウロコをした体長5メートルほどの翼と牙を持った爬虫類のモンスターが現れる。レッドドラゴンだ。
「散!」
カザハの合図で4人が2人ずつ左右に分かれて走り出す。その先程まで4人がいた入口入ってすぐの場所を巨大な火炎放射機を放ったかのような炎が襲いかかる。その様子を恐ろしげに見ながらカザハが冷や汗を流す。
「本当に初見殺しじゃない。」
「まあまあ、掲示板で情報を拾っておいて良かったじゃん。」
「そうね、じゃあ行くわ。」
カザハが小太刀に手をかけると、切り返してレッドドラゴンに向かって走り出す。そのカザハに向かってユカナの[スピードアップ]が掛けられ、カザハがさらに早くなる。
「よいしょっと!」
カザハがドラゴンの翼を狙って小太刀を振るう。日本の細長い龍ではなく、いわゆる西洋竜のような体系のそのドラゴンの翼は小さな前足の辺りから生えていた。カザハの小太刀がその翼を斬り裂くが切断までは至らずカザハ目がけてドラゴンの爪が振るわれる。その爪と爪の間を狙ってカザハが小太刀を振るう。皮膚の下、数センチを斬り裂きそこで小太刀は止まった。
「硬っ!」
まずい、とカザハが思った時には手遅れだった。いくらカザハの力が強くなっているとはいえ、ドラゴンの力には敵わず、そこに体重差も加わりそのままドラゴンの爪がカザハに突き刺さろうとしていた。小太刀で斬りつけたことにより若干体が浮いた今のカザハでは回避することは厳しかった。
カザハが吹き飛ばされ床を転がる。しかしすぐにカザハは立ち上がりレッドドラゴンへと向き直った。
「ありがとう、エニシ。」
「油断ダメ。」
「そうね。」
エニシがカザハを殴りつけた体勢から軽くステップを踏んでレッドドラゴンへと向き合う。
爪が当たる直前にカザハの腹をエニシが全力で殴ったのだ。カザハ自身もそれと同じ方向へと跳ぶことで勢いを増し、なんとか爪を回避することが出来ていた。
<レッドドラゴン(幼生体)>
Lv30
HP 8965/9000 MP 240/300
(説明)
火の属性を持つ竜の子供。子供ゆえにブレスなどは満足に扱えない。
「ブレス、吐いてたじゃない。」
簡易鑑定を終えたカザハがその結果に対して突っ込みを入れる。そうしながらもカザハとエニシは弧を描くようにしてドラゴンへと近づいていっていた。正面から近づけばあのブレスが吐かれる可能性があるからだ。
しかしカザハもプレイヤーたちも勘違いしている。このレッドドラゴンの放った炎はブレスなどではない。しいて言えばブレスの成り損ないなのだ。ブレスとは指向性を持った防ぎようのない物。一度くらえばどんな防御も突き崩す最強の攻撃なのだ。このドラゴンの幼生体が吐いたような炎などそれに比べるべくもない物だった。
そんなことに気付くことは無く、ドラゴンの両サイドからカザハとエニシが攻撃を加えていく。ドラゴンはカザハを集中して狙っているため、エニシは時々振り回される尻尾を注意するだけで済んでいた。
カザハが翼を狙って攻撃を続けているため、ドラゴンもそれを追うように回転していき、それに合わせるようにエニシも回転しながら攻撃を続けていた。2人へとユカナの付与がガクの回復が飛び、2人の体をキラキラと輝かせる。
カザハのスキル【斬鉄】は固い敵に対して斬撃が通りやすくなるスキルだ。しかしそれはあくまで物理耐性や斬撃耐性などの特殊な耐性を持っているモンスターなどに対する者であり、素の防御力の高いドラゴンにはカザハの斬撃も通りにくくなっていた。
しかしその防御力も完璧ではない。
カザハの斬撃により、少しずつ、少しずつ傷は多く、そして深くなっていく。そして・・・
GRUGAAAA!!
悲鳴のような叫び声をドラゴンがあげる。執拗に狙い続けた翼をカザハの小太刀が断ち切ったのだ。
ドラゴンがその場を飛び退き、10メートルほどの間が空く。カザハの方を憎らしげに見るドラゴンの瞳に剣をピッ、と血のりでも払うように振るい、ドラゴンを睨みつけるカザハの姿が映った。
「自分の高い防御力に慢心し過ぎね。攻撃ばかりに気が向いて防御が疎かになってるわよ。」
ドラゴンにカザハの言っている言葉はわからない。しかし自分のことを馬鹿にしている雰囲気は伝わった。そしてそんなカザハに対してパチパチと拍手をしているエニシにも腹を立てていた。
そして短絡的にレッドドラゴンはブレスもどきを吐いた。それが最強の攻撃だからだ。
「やっぱり頭が悪いわね。」
「うん、ワンパターン。」
カザハとエニシが左右に分かれてあっさりとその炎を避ける。そして再び距離を詰めると2人がかりで攻撃を加えていく。カザハはもう特定の部位を狙わず、攻撃してきたドラゴンに合わせる形で斬撃を振るっていき、エニシは先ほどからずっと攻撃を続けている右後ろ脚へとさらなる攻撃を続けている。
時折カザハもエニシも直撃とはいかずともダメージを受けているが、ガクの回復によりかなりの余裕をもって相手をすることが出来ていた。
2人の攻撃により、少しずつドラゴンのHPが削られていく。ドラゴンの顔面や前足にはいくつもの小太刀による切り傷が刻まれ、その右後ろ脚はエニシの集中した攻撃によりその動きを鈍くしていた。
そしてHPが30%を切る。
「カザハ、エニシ!いったん退避。」
「了解。」
「わかった。」
ユカナからの指示に2人がドラゴンから素早く離れる。ドラゴンは丸まって片方の翼で体を覆い隠していた。2人からの攻撃が無くなった今もその体勢のまま動こうとはしなかった。
「「ふぅ。」」
カザハとエニシが同時に息を吐く。いくら攻撃をくらっていないと言っても自分たちよりもはるかに巨大な生物と戦うと言うのは神経を削っていた。しかも攻撃をしてもほとんどHPが減らず長時間その緊張を強いられていたのだ。少しの間気を休められるだけでも2人にはありがたかった。
そんな2人の元へガクとユカナがやってくる。
「お疲れ。とりあえずあともう少しだね。」
「姉さんもカザハさんもお疲れ様です。」
「ええ、思ったよりも硬くてビックリしたわ。エニシに助けられちゃったわね。」
「エッヘン。」
エニシがどうだ、と言わんばかりに胸を張る。その姿に戦闘中であるにも関わらず3人の表情が緩むが、GAAAA!と言うドラゴンの叫び声にすぐに引き締まった。
ドラゴンがドン、と地面を蹴りつけその片翼を大きく羽ばたかせる。それが第二ラウンドの始まりの合図だった。
◇----登場人物ステータス----◇
<登場人物1>(スキルレベルアップ)
名前:カザハ
種族:金狼族
職業:剣士
副職業:素材ハンター
称号:『剣聖の弟子』、『鍛冶師ギルドのお墨付き』、『世界を股にかける者』、『一匹狼』、『レアボスハンター』、『神のきまぐれ』、『坑道名人』、『ドワーフの友』、『ゴーレムスレイヤー』、『孤高のハンター』、『ハムハム』
従魔:サスケ
Lv30
HP 792/865 MP 111/175
STR 452 VIT 310
INT 148 MID 166
DEX 332 AGI 470
LUK 46
(スキル)
【剣術 Lv46】、【斬鉄】、【剣聖術 Lv21】、【投擲 Lv21】、【HP上昇 Lv11】、【STR上昇 Lv11】、【VIT上昇 Lv11】、【AGI上昇 Lv11】、【気配察知 Lv30】、【採掘 Lv41】、【解体 Lv27】、【釣り Lv6】、【***】
(装備)
武器 黒銀の小太刀(カザハ用)
頭 なし
腕 軍隊赤蟻の小手(カザハ用)
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(カザハ用)
服 軍隊赤蟻の道着袴
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(カザハ用)
足 軍隊赤蟻の靴(カザハ用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
<登場人物2>(スキルレベルアップ)
名前:ユカナ
種族:銀狼族
職業:付与術師
副職業:鍛冶師
称号:『神級鍛冶師の弟子』、『鍛冶師ギルドのお墨付き』、『世界を股にかける者』、『神のきまぐれ』、『坑道名人』、『ドワーフ王の教え子』
Lv27
HP 519/519 MP 181/278
STR 182 VIT 148
INT 315 MID 206
DEX 488 AGI 326
LUK 102
(スキル)
【付与術 Lv29】、【採掘 Lv13】、【鍛冶 Lv38】、【杖術 Lv22】、【皮細工 Lv20】、【釣り Lv4】、【***】、【***】、【***】、【***】
(装備)
武器 黒鉄の杖
頭 なし
腕 軍隊赤蟻の小手(ユカナ用)
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(ユカナ用)
服 森林狼のローブ(ユカナ用)
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(ユカナ用)
足 軍隊赤蟻の靴(ユカナ用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
<登場人物3>(レベルアップ)
名前:エニシ
種族:エルフ族
職業:武闘家
称号:『挑戦者』
Lv20
HP 217/495 MP 290/290
STR 177 VIT 134
INT 262 MID 241
DEX 170 AGI 232
LUK 29
(スキル)
【格闘術 Lv23】、【釣り Lv3】、【***】、【***】、【***】、【***】、【***】
(装備)
武器 黒鉄のグローブ(エニシ用)
頭 なし
腕 一角ウサギの小手
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(エニシ用)
服 一角ウサギのローブ
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(エニシ用)
足 軍隊赤蟻の靴(エニシ用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
<登場人物4>(スキルレベルアップ)
名前:ガク
種族:エルフ族
職業:僧侶
副職業:料理人
称号:『博愛者』
Lv23
HP 435/435 MP 191/362
STR 125 VIT 115
INT 320 MID 300
DEX 180 AGI 185
LUK 33
(スキル)
【料理 Lv14】、【本 Lv19】、【回復魔法 Lv22】、【MP上昇 Lv5】、【MP回復上昇 Lv13】、【気配察知 Lv19】、【釣り Lv3】、【***】
(装備)
武器 初心者の本
頭 なし
腕 一角ウサギの小手
上半身 軍隊赤蟻の胸当て(ガク用)
服 一角ウサギのローブ
下半身 軍隊赤蟻のすね当て(ガク用)
足 軍隊赤蟻の靴(ガク用)
アクセサリ なし
アクセサリ なし
傷ついたその赤竜は突然自らの体に噛みつきむさぼり始める。その光景にあっけにとられる4人だったが、その間に事態は最悪の方向へと進むのだった。
次回:素材が腐敗
お楽しみに。
あくまで予告です。実際の内容とは異なる場合があります。




