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第6世界大陸記

作者: 梗煉

友達とリレーしてたやつを乗せてみました

もうチョイストックはあるんで反応がよかったら連載にするかもしれません

初投稿です。宜しくお願いします

北の国ロセン皇国の荒野に1つの古城がそびえ建っていた

城の名前はラスル、大いなるものという意味を持つ

そのラスル城の最上階で1人の魔人が目覚めた

「ふぁ~あ、よく寝たのう…」

寝起きでおぼつかない目をこすりながら広い部屋を見渡す少女

「ふむ…。100年くらい寝過した気がする」

否、少女ではなかった吸血鬼の真祖ジルヴァーナ・ルツ・ライチヒルトがたった今まで自らが眠っていたベッドを一瞥するとベッドの正面にある大きな扉が開き1人の品のいい初老の男性が入ってきた

「お目ざめになりましたか、ジルヴァーナ様」


ジルヴァーナは初老の男に視線を向け目を細める。こいつ誰だっけ、見たいな目だ。

しばらく考え込み「あ、思い出した!」とばかりにポンッと手を叩いた

「おお、そちは確かクロヴィス!懐かしいのぅ何年ぶりじゃ?」

「しれっとしたり顔でお呼びした所申しわけありませんが私はドミニクです。クロヴィスは先代ですよ」

「そうだったかのぅ」とトボけるジルヴァーナ。彼女の忘れっぽさは今に始まったことではない

「時にわしはどのくらい寝ておったのだ?」

「ざっと112年と235日13時間にございます」

「何と」

驚きに目を丸くする。どうしてこうも時とは無情に過ぎていくのか。まるで川の流れになすがままの砂粒の如し。散々自分を追い回してくれたエクソシスト共ももうこの世にはいないのかと思うと少しさびしくも思う。嘘である。むしろ憎きハエどもが死んでくれて飯が美味い

「腹が減ったのぅ。ドミニク、今日のブレイクファーストは?」

「はい、スコーンのブルーベリージャム添え、紅茶はアールグレイを用意しました」

ガラガラとワゴンを押して現れる手下たち。ワゴンにはスコーンの乗った皿とティーセットが用意されている

「ほうほう、これは中々…くっさー!」

腐っていた。これでは食べられたものではない。沸点の低いジルヴァーナは「作り直せ!」と皿を手下たちにパイ投げの要領で投げ飛ばし、ドミニクは宥めすかすのにかなりの時間を要した


「それで…?ドミニク。わしが寝ている間、色々あったようじゃが―――…」

ベッドに寝転がり、大きな窓から外を眺めるジルヴァーナ。ラスル城の周囲に張り巡らせた結界はかなり脆くなっており、瘴気は以前より濃くなっていた。人間たちの間で良くない事件が起こる予兆だ

「そうですね。アンデッド達がスコーンを作り直す間、歴史のお勉強をしましょうか」

「任せたぞ、ドミニク」


この世界「第6世界大陸」は、大まかに分けて5つの国に分かれている

ジルヴァーナ達の住む北西の国 ロセン皇国

神秘に包まれた極東の支配者 大東国

アニミズムの原点、南の楽園 ヒダム共和国

荒野と技術の最先端、西の大国 『帝都』



「ジルヴァーナ様が寝ている間に起きた一番大きな出来事と言えば帝都の(すめらぎ)が代替わりしました」

ドミニクがアンデッド達が新しく持ってきた紅茶を用意しながら言うと

「ふむ、帝都の(すめらぎ)がのぅ…。あ奴も我らほどではないがかなり長命の『龍人』ではなかったか?後100年くらいは生きておれたのではないか?

…あ、紅茶には蜂蜜を入れてくれ」

顔だけをドミニクの方に向け目線を紅茶に固定しながら尋ねる

ドミニクは慣れたようにアンデッドを呼び寄せ蜂蜜を持ってこさせる

「クーデターがあったようですよ。先の(すめらぎ)を倒し7代目皇についたのは第3皇子 アルヴィン・ガルド・アルカートですね

…起きてすぐにそんなものを飲むと太りますよ。体重もお休みになっていた間増えt、グハァ」

ジルヴァーナは枕をドミニクに投げつけると何事もなかったかの様に紅茶を手にとる

ドミニクは鼻血を出しながら床からゆっくりと立ち上がる

「そなたが何故わしの体重を知っておるかについては不問にしておこう。それでそのクーデターの後始末はついたのか?」

途中で「それはジルヴァーナ様の全てを知ることが執事としての誇りです故。ちなみにスリーサイズ・パンツの柄なども存じておりますぞ」

だめだ、こいつはロリコンという名の変態だった…。

そう嘆きながら説明の続きを求める


「魔物狩りの方はどうなっておるのだ。まだ魔王だ何だと騒いでおるのか?」

「は、そのことについてですが…。約数十年前にエクソシスト制度は廃止。代わりに15年ほど前からハンター制度なるものが公布されました」

「?ハンター?何じゃそれは」

「魔物狩りの資格を得た民間人が、国家公務員に変わり魔物や妖異による被害の対処に当たる――という制度だそうです」

「……実質、魔物狩りは続いているということじゃな」

「クーデター以来、治安もかなり悪化しましたしな。近頃じゃ南とは一触即発の状態だとか。ここが戦火に巻き込まれるのも時間の問題かと」

それを聞きジルヴァーナは深い嘆息を零した。また住処を変えねばならないかと思うと憂鬱な気分に陥ってしまう。人はわきまえるということを知らない。人より上に立つ者の存在を認めず、排除しようとする

例えそれが、同じ人間同士だとしても。無益な殺生を好むあたり、魔物より下等だというのに

「そうそう、言いそびれてしまいましたが……例のハンターについて」

鼻血をハンケチで拭いながらドミニクは言葉を続ける

「ジルヴァーナ様がお眠りになられている間に幾度も人間が押し寄せてきましてな」

成程、その度に結界は破られていたというわけか。白い靄が朝焼けを淡く包む

「何度も追い出してかかる度に、ジルヴァーナ様の噂に尾びれ背びれが付いてしまいましてな」

「………嘘じゃろ…?」

ドミニクがうやうやしく差し出した一枚の羊皮紙。そこにはジルヴァーナと思わしき似顔絵と、とんでもない単位の金額が煽り文句とともに書かれていた

≪不死の血を持つ魅惑の吸血鬼 見事に捕まえたら$100′000′000!!≫


「懸賞金がかけられているのですよ、ジルヴァーナ様」

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