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みっつの御面

作者: シャー芯

 綺麗に言わせてください。

 美しい言霊に救われたい。

 

 でも、後ろには、

 いつも、みっつの御面。


 ひとつの御面、おはなしです。

 「うそつき」と、私を睨むのです。


 ひとつの御面、おはなしです。

 口から血を吐き、目を白くさせるのです。


 ひとつの御面、おはなしです。

 蝋で固まったように、重く動きません。


 私の後ろにいつも付き纏い、

 ただじっと待っている様です。


 私が笑ったら、ひとつの御面、

 目の前で死んで見せるのです。


 私が笑ったら、ひとつの御面、

 目の前で泣いて見せるのです。


 私が笑ったら、ひとつの御面、

 後ろからそっと首を掴むのです。


 なにを、してようと、 

 いつも、みっつの御面が離れない。


 嗚呼、言葉に救われたい。

 彼らは私が殺したんだ。


 みっつの御面は、

 死んだ彼らの最期の姿。


 いつも私の脳にべっとりと纏います。

 ごめんなさい、ごめんなさい。


 みっつの御面、耳は憑いていません。

 けど、言わせてください。


 「うそつき」 そうでしょう、きっと。

 否定しません、だから、もう。


 吐血し、目を白くして睨む。

 私にはどうすることも出来なかった。


 ただ、後ろに立ち尽くす。

 本当に、ごめんなさい、みなさん。


 せめて、綺麗に繕い祈らせて下さい。

 せめて、美しい呪いであって下さい。


 でも、こうしてる時も、

 みっつの御面は私に言うのです。


 「あなたが死ぬべきだった」 と。

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― 新着の感想 ―
[一言]  失礼しますm(__)m  楽しく読ませていただきました(^O^)  ちょっとホラーっぽくて怖かったです。  執筆活動頑張ってください。
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