第31話 炎龍討伐 1
皆様、お久しぶりです。空月九重です。
長い間更新できず申し訳ありませんでした。
これから、週一回ほどのペースで、徐々に更新していけたらと思っていますので、よろしくお願いいたします。
また書き溜めれるようなら、毎日投稿もしようかなと思っています。
朝になって、俺たちはほぼ同時に目を覚ました。
「おはよー!」
今日も朝からシェスカは元気だ。
「さあ! 今日はついに炎龍討伐よ。頑張りましょう」
「ん、Aランク依頼は初めて、楽しみ」
「そうだな、気をつけて行こう」
俺たちは、身支度をしてから、ギルドへと足を向けた。
「おはよう、今から出発かな?」
ギルドへ入ると、ジルバが待っていた。ジルバの横には、ご老人が一人いる。
「どうも初めまして、村長のハンというものです。本日は依頼を受けてくださりありがとうございます、炎龍がいる近くの場所までは、わしの息子のグルジに案内をさせますので」
「初めまして、ルフレといいます。案内の斡旋感謝します」
「いえいえ、当たり前のことです。こちらこそよろしくお願いします。どうかこの村を助けてください」
「お任せください。必ず倒してきます」
俺たちは村長とジルバに挨拶をして、火山の方へと歩いていく。そうすると村の出口で青年が待ち構えていた。
「よう! 親父から話は聞いてると思うが、俺がグルジだ! 火山の出入り口まで案内させてもらうぜ!」
「ルフレだ。よろしく頼む」
「おうよ!」
とても快活な青年だった。俺たちは村を出て火山を登り始める。
「炎龍退治ができるったぁ! にいちゃんたちものすごく強いんだな!」
「そうだな、そこまで自慢できるほどじゃないが」
「いやいや、謙遜すんなって! 尊敬してんだ! 頼りにしてるよ!」
「ありがとう。精一杯頑張らせてもらうよ」
「ああ! そっちの別嬪さん二人も怪我しないようにな!」
「ありがと!」「心配には及ばないわ」
「へへ! もうすぐ着くぞ! 暑くなってきただろ! ここらへんまで来たらどこ掘っても温泉が出てくるくらい暑いんだ! そういえば温泉には入ったか?」
「いや入ってない」
「温泉があるの!」
「入りたいわね」
「なんだって! 入ってないなんて勿体無い! 炎龍の討伐が終わったら絶対に行きなよ! ウルカヌスの温泉は天下一品だからな!」
「それは勿体無いことをしたな、是非入らせてもらうよ」
「おう! そうしてくれ! ついたぞ! 俺はここまでだ! あとはそっちで頑張ってくれ!」
「ありがとう。案内感謝する」
グルジは俺たちに挨拶をして山を下っていった。
「さあ、ここからは火山の中だ」
「そうね」「そうだね」
「何があるかわからない、気を引き締めていこう」
火山の洞窟の入り口だからかもうすでに全身から汗が吹き出そうなほど暑い。
「ホーリーフィールド」
俺はホーリーフィールドを発動する。すると体の周りが空気の膜で包まれ快適な温度になる。
「涼しい!」
「これはすごいはね、いつも戦ってるのと同じくらい動きやすい温度だわ」
「そうだな、温度調節までできるとは思わなかった。前回使った時は平地だったし、あまりわからなかったんだな」
「これなら安心して挑めそうね」
俺たちは火山洞窟へと足を踏み入れた。中は壁面から流れ出るマグマで比較的明るい状態だった。しかし、外に比べるとだいぶん暗く、目がなれるまで少し時間がかかる。
「ちょっとくらいが、思ってたよりも明るいな。これなら何とか戦えそうだ」
「そうね、けど私は夜目が効くからこれくらいの方が楽でいいわ」
「ねね! マグマものすごく綺麗だよ! 絶対に触らないけど」
「そうだな。こんな環境だ、炎龍以外は住んでないんだろう」
「そうだと思うわ。ささっと行って倒して、温泉に入りましょ」
「そうだね! 温泉入りたいよ!」
「そうしよう。じゃあ攻略開始だ!」
洞窟の中は複雑な構造になっていた。入り組んでいてアップダウンもあり、自分が今どこにいるのかがわからなくなる。しかし、道は1本だけなので帰る時もわかりやすくて助かる。
「怖いね、今にもマグマが溢れてきそうで」
「ちょ! シェスカ、そんなこと言わないでよ! ほんとに溢れてきそうでしょ!」
「そうだ、あんまりそういうこと言うんじゃない」
『けど、そこから出てくるよ。マグマが』
いきなりヴィヴィが念話を飛ばしてきた。すると壁面にヒビが入り始める。
「うわ! まじだ! 急ぐぞ!」
「わかった!」
俺たちはそれを確認するや否や全速力で駆け出した。直後後ろから岩が崩れる音がして煌々と輝くマグマが溢れてくる。
「これは、帰れるのかしら」
「え〜と、なんとかなるんじゃないかな?」
「なんとかなるといいな」
俺たちは顔を見合わせて、帰りの心配をしてしまった。
しばらく走っていると、道がだんだん広くなってくる。
「そろそろ、エンカウントしそうな雰囲気だな」
「そうだね。気を引き締めよう」
「そうね」
そこから進んでいくと道がさらに広がり、奥の方に広がっているのが見える。ちょうど火口の真下なのか、陽の光に照らされて自分たちがいる場所より明るく、マグマが湖のように溜まっている。普通ならありえないがそのマグマの真ん中に島が浮いており、そこには炎龍が丸くなって寝ている。
「あれだ」
炎龍は、これだけの距離が離れていても存在感が凄まじく息が詰まるような気がする。
全身は、吸い込まれそうなほど深い真紅の鱗で覆われており、とても美しかった。脚はそれぞれ樹齢が何百年もある木ほど太く、口からは呼吸をするたびに吐息ともに火の粉飛び散っている。寝ている状態でも地面から背中まで5mほどはあるだろうか。あれを今から俺たちが倒さなければならない。
「カウント3で突入する。奴が起きて反応するまでに一気に叩くつもりで。俺は上を取る。基本的にワイバーンを倒した時と同じだ。絶対に空中へ飛ばせない。すぐに翼を狙ってくれ」
「うん」「わかったわ」
「よし。じゃあ行くぞ。3……2……1、0!」
俺たちは全員で縮地を使い、一気に炎龍へ肉薄する。
俺たちが敵意を持って近づいたのがわかったのか、眠っていた炎龍が起きるとこちらへと咆哮してきた。一瞬、体の動きが鈍った。他の2人も同様だ。その一瞬で計画が破綻する。炎龍は翼を広げ空中へ移動する。
「やっちまったな」
「そうね」
「じゃあ、ルナはまた地上をお願い! 私とルフレで落とす!」
「わかったわ!」
一度空中へ上がってしまったものは仕方がない。ワイバーンと同じように地に落としてやる。
俺とシェスカはほぼ同時に炎龍へ向けて重縮地を使い跳躍した。炎龍は地上から20mくらいの高さでホバリングしている。ビルの6階くらいの高さだ。そこに一気に飛び上がり、左右に展開し、炎龍の注意が分散するようにする。足元を見るだけで少し寒気がしてしまうような高さだ。
「ヴィヴィ、炎龍の翼斬れるか?」
『太すぎて、マジックスラッシュを使っても一度じゃ無理。何度か斬らないと』
「そうか、何か他の方法を考えるべきだな」
俺が思案している間にも、状況は刻一刻と変化する。シェスカの方へ炎龍の注意が向けられ、俺たちなんか一口で食べられてしまうような大きな口が開かれた。
「シェスカ! 避けて! ブレスがくるわ!」
ルナが地上から声を張り上げた。その勢いから緊迫度が伝わったのだろうか、シェスカは自分の名前が呼ばれた次の瞬間、ルナが全て言い終わる前に重縮地を使い今いる場所から5mほど急降下する。
その直後、さっきまでシェスカがいた場所に高温のブレスが撃たれた。それは洞窟の壁にあたった。その壁は、あまりにも高温で焼かれたため、岩石の温度が融点を超えドロドロと赤黒くなり溶け出していた。俺は、シェスカの近くへと移動する。溶けた岩石と未だ空中に悠然と存在する炎龍を見る。
「これは、倒しがいがありそうだ」
「そうだね! 気を引き締めていこう!」
読んでいただきありがとうございます。これからも引き続きこの作品を読んでいただけると嬉しいです。




