最後の日
掲載日:2021/12/06
君が出ていった。
一人残される部屋。
もしも君が戻ってくる気になったなら、
そう言いかけた僕に君は即座に『いいえ』を突き返す
それでも僕は待つだろう。
君が何かに疲れた時に、思い出してくれたならいつでもいい。
僕は一人待つ。
償いのつもりで。
僕は一人待つ。
いつまでも、
いつまでも、いつまでも・・・。
今夜はやけに寒い。
君は暖かい部屋で眠っているだろうか?
暖かい部屋で誰かと幸せに過ごしているだろうか?
それならば・・・。
たくさんの時間が流れても僕は一人待ち続けた。
馬鹿な男と笑われても。
そうだ、
鏡の中に写るのは、年老いた馬鹿な男。
ああ、けれど
ひどく眠くなってきたな・・、
冷たい布団はもう暖かくはならない
そろそろお迎えがくるんだろう。
ほら、誰かが呼んでいる。
行かなくては・・・。
あれから長い長い時間が過ぎて、
僕はやっと君の欲しかった言葉を言ってあげられる。
長い長い時間がかかってしまった。
さよなら
さよなら
ありがとう
大切なひとなら、
いま、大切にすればよかった。




