静寂
少し落ち着いてきましたか?
「振出し占いの中身」
近頃占いに凝っている
凶がよくでる
大吉、中吉、小吉、吉、末吉、凶
あまり信じていないのだけど
むきになって大吉の出るまで
根気よく振っている
時には凶ばかり出る日がある
気が塞いでいる日に当たると
息が詰まる気もするが
けど、そんな時はかえってすっきりする
初めに凶が出て、根気よく
大吉の出るまで振るのよりすっきりする
1/6 のはずなのに凶がよく出る
出過ぎる
そのうちぶち壊して中を見てやる
凶が二つも、三つも入っていたら腹が立つ
ひとつしか入っていなかったら
もっと腹が立つ
「今日はゆっくり眠れそう?」
昨日かいた詩を読んで
今日はどう出るだろう・・・と思って占ってみた
凶が出た
予期した通りで、呆れかえった
もう一度振ってみた
大吉が出た
偶然の頼もしさを感じて
笑いながら灯を消した
眠ることにした
「今日も夕べに」
遠い便りが、明日着く
「イマオクッタ」
凍り豆腐と、足袋二足
それにひょうたん
「神様のいたずら」
何が入ってるのか知らないけれど
誰もが胸のポケットの奥に
そっと温めておく
私にもいつの間にか現れて
昨日、そっと消えていったパンドラの箱
何も残らなかった
「神への報告」
パンドラの箱は
秘めている謎と責任に
星降る夜、縊死し果てた
とめどなく、涙を流していたという
朝の最初の見つけた人は、昇天した
二番目の人は、人に知らせた
三番目の人は、神に知らせた
「石の道標」
この先、一人
闇の中
誰が置いたか、罪な人だ
薄明りの中に立つ、墓標
「戻れぬ道」
誰もがここで踏み迷うらしい
腰を下ろして考えるらしい
いつかここに石碑が立った
ここから先に行く人たちが、名を刻んでいくらしい
おもわず笑った
「二十歳の年」
夕闇、濃く
暮れ行く蒼穹に、青く魂ひとつ
陽を移す雲もなく、冬の吹く声
死に人、静か
なんとなく、刺激がなくて、面白くなかったかな、って思ってます。でもまあ、こんなものじゃないかな――ー。




