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春の門出に寄せて

速いもので、第四詩集になりました。いろいろ問題も、不満も、非難もあろうことと思いますが、私の歩いてきた道が素直に、または、自分勝手に書き記されています。どうぞ、心穏やかに、そして、広い心で、加えて、寛容の気持ちで、ご容赦くださいませ。決して、過度の期待はしないでおいてくださいませ。

 では、ごゆっくり片目をつむってお読みくださいませませ。

  「外は青空がいっぱいなんですが・・・」


透明な光の中

白いベッドに横たわり

静かに眺めている眼差しは

薄青いコンクリートを抜け

彼方へと向いています


挿絵(By みてみん)


そんな日がずっと続きます


髪が長くて

人懐っこい、かわいい瞳が

見舞いました


彼は長い間瞳に見入っていたけど

わずかに眼差しが濡れて

微笑んだけど


静かに透明になってしまいました


彼は出発したのです

血のように赤い鞄を下げて

明るくて花の咲いている時でした

もう忘れてしまってよいほど

前のことでした


けれど、つい昨日のことのようでもありました




  「頭の中はお水でいっぱいです」


そこは秋の野山です

そこは春の花壇です

そこは夏の日差しです

そこは冬の囲炉裏端

何とも言えない無色です


挿絵(By みてみん)


黄金の屑を巻き上げて

くねくね道を走ります


空っぽの醤油の瓶の山積みの

トラック一台走ります


挿絵(By みてみん)


確かに私は見たのです

ガチャガチャ無音をたてながら

山あり、谷あり、坂ありの

そんな何にもないところ

どこまで、真っすぐ、いきました


ずっと、ずっと、その遠く

ワラワラ集う街のある

裏の裏街、表町

神社や寺や公民館

そのわき道を通りすぎ

やっと着きます細道の

その奥まった車庫の隅

チャトラの猫の髭のそば

ゆらゆら揺れる皿の上

ゆらゆら揺れる水の中


挿絵(By みてみん)


その水、蒼穹を映してる、かも・・・




  「先だっても書きましたっけ?」


彼はいつも見つめています

見つめているというより眺めています

真っ白なシーツのベッドのうえ

音もない虚空に眼を奪われています


ある日

可愛い瞳が訪れました


見つめて、眼差しを湿らせて

微笑みかけたのですが

彼は透明になってしまいました


挿絵(By みてみん)


自死したのです

遠い昔、もう忘れてしまいましたが・・・


それからずっと今が続いている気がします




  「私が帰る道」


生い茂る樫の木に

ポスタアが貼ってあります

通り過ぎるごとに気になるのです


なにか場違いなのです

なにか不調和なのです


挿絵(By みてみん)


雨が降りました

横殴りの大雨です

流れた後には傘がありました

恋人たちのよくするまったくのあれです


それ以来さらに気になるのです




  

この調子で、この先続きます。読み始めた方、ご同情いたします。決して深く考えないでおいてくださいね。

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