何の因果かリスタート
目的を果たした主人公は強制的に異世界へと転移させられてしまった。
召喚主は落ちこぼれの烙印を押された魔法使い。
転移前の力は制限が掛かっていて万全に使えない。
こんな状況で生きていけるのだろうか。
落ちこぼれヒロインと弱体化主人公の旅路はどうなるのか。
果てし無い荒野、赤く染まる空の下、一人の男が空を見上げながら仰向けに倒れていた。
「これで終われる、あいつらにもやっと顔向け出来るなぁ。」
これは世界に弄ばれ、復讐を誓い、果たした男。
全てを賭して目的を果たした今、彼には何も残っていなかった。
その世界には彼以外誰も残っておらず、また世界も根底から崩れ始めていた。
空を見上げる視界の外側から世界自体が消え去り始めている。
彼の命が尽きるのが先か、世界が崩れて消えるのが先か、と言う時、動けない彼の背後に奇妙な紋様が現れた。
「何だ、これは…魔方陣?」
微かに聴こえる少女の声
『我が声に応える者よ、境界を越え、我が元へ来たれ、我が名はアルミリア・フェイル』
「ぐっ、もう抵抗する魔力も残ってないと言うのに、召喚魔法だと!」
彼には抵抗する事も出来ず、召喚魔法によって異世界へと強制的に転移させられてしまった。
彼しか残っていなかった世界は彼が消えた後、誰にも観測される事無く、消え去った。
今までは読む側でしたが、書いてみたいと思い立ちました。
何分初めての作品である為、温かく見ていただければ有り難いです。