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二つ名オンライン  作者: そらからり
2章 同盟者
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50話 責任

 ダラークはリアルでの仕事でDNを離れている間、ずっとDNOに起きている状況を把握していた。ギルドメンバーからのメールやネットでの情報から自分の好きであった世界がぽっと出の人間に蹂躙されていく様を、ただ指をくわえて見ているしかなかった。

 アザリカとジュガが止めなければすぐにでも自宅に戻りログインしていたかもしれない。

 

 自宅に帰れないならと現状取り入れた情報からログインしてからのことを考え抜いた。


 あいつとこいつがまだ生きている。ならばこいつらをあいつと闘わせて……。

 

 だが、それも日を追うごとに死んでいくプレイヤーが増えるため無意味となってしまう。

 ログインできるプレイヤーは挑まずにいられないのだ。街を、大切な人を、自分よりも弱い人を守るために。


「……ちっ。こいつもやられたか」


 ダラークの当初の策では生き残っているプレイヤーの中から相性を考えていけばまだ勝てると思っていた。

 だが、プレイヤーは死んでいく。


「……リュウキ達はいるとして、『フレクション』のメンバー、そして……」


 恐らく闘えるメンバー的にはこれ以上減らなければギリギリといったろころだろうか。

 一人一殺では勝てない者もいる。ならば二人三人と増えれば……


「問題は能力を全て解明できていないってとこか」


「多いところは15人がかりだったかしら? 他にも正体不明の攻撃……」


「修道女だな。そこはアザリカ、頼む。お前の二つ名なら見抜けるかもしれない。俺はあの火炎男だ。ジュガは木を操る男だ」


「俺の装甲なら問題はないってことだな。リュウキ達はどうするんだ?」


「鎧の男は攻撃力の高いやつを当てさせたい。シズネは強力な岩魔法を無尽蔵に放てるし、マカはスキルを数多く同時に使える。こいつらがいれば大丈夫のはずだ。そんで問題はあの砂女だよな……」


「一瞬で地面を砂に変えて埋めるって魔法ね。『サンドカーペット』って魔法のはずなのに規模も威力も桁違いってやつ」


「あれをリュウキに任せるのか? 無茶だろ」


「……とはいえ、飛行系の二つ名を持っているやつに知り合いはいねえしな。あいつの二つ名の固有スキルに期待するしかねえ」


「まだあの三人はレベル4だったのよね。闘いの直前、あるいは闘いの最中でレベル5になってくれればいいのだけれど」


「まあ、一応リュウキにした理由はあるんだ。あいつの速さなら魔法を発動する前に近づくことも可能なんじゃないかってな」


 リュウキの二つ名発動時のAGIはプレイヤーの中でもトップに近いだろう。よほど他のステータスを捨てていない限りは。

 魔法使いというものは遠距離から一方的に魔法を浴びせることに特化している。

 近距離戦であれば勝てる可能性は高い。

 いかに魔法を発動させないか。その前に相手に近づけるか。

 ダラークがリュウキを選んだ理由がこれである。


「それで、あの問題はどうするの? ほら、負けそうになると逃げるってやつ」


「あれか。俺も考えたんだけどな、この二人の二つ名ならいけるんじゃないか?」


 そう言ってダラークは2つの二つ名の能力を言う。


「なるほど。こっちで舞台を用意してしまうってわけか」


「それなら安心だが、分かっているのか? ダラーク」


「何がだ?」


「それは諸刃の剣。こっちも逃げられないし、加勢にも行けないってことを」


 ダラークの言う逃走への解決策とは、フィールド作成の二つ名と場所を移動する二つ名を合わせることで相手の逃走経路を無くすというものであった。

 ただし、ダラークの知っている限りでは送ることはできても個別では戻せず、戻すときは一斉に。もしこちらのメンバーが死にそうになっても戻してしまえば敵すらもこちらへと戻ってきてしまう。それは再び街の破壊へと繋がる。


「分かってるぜ? だからお前らが死にそうになっても俺は助けにいってやれねえ。まあ『フレクション』のやつらもいるからそいつらとせいぜい協力してな」


 



 作戦が決まれば後は交渉だけであった。

 絶対に死ぬなと言っておき、ダラーク達が戻るまではなるべくログインしないでほしいと『フレクション』づてに伝える。

 彼らが死ぬことはこの作戦の失敗を意味する。

 『フレクション』のメンバーにはアイテムの補充。なるべく余計な時間をダラーク達が戻ったときにしたくはない。できることはできるうちにやっておくべきなのだ。

 他にも、なるべく次の敵からの攻撃の被害を少なくするための根回し。敵に挑まずに逃げろとプレイヤー達に伝えなければならない。これすらもログインができないため、ネットなどのやり取りでしか伝えられない。


 そしてダラーク達がDNOへとログインした。

 過去に訪れた街も、現在滞在していた街もかつての景色はもうない。

 街の一部――NPCに関係するものしか残っていない景色はダラーク達の心を削る。

 なぜ今起きてしまったのか。せめて自分達がいればもっと被害は少なかったのではないか。過ぎてしまったことを悔やんでしまう。

 だが、過去の被害の前に今は未来に起きる被害を防がなければならない。


「よし、まずはメンバーの確認。そしてあの二人と顔合わせだ」


「おう!」


「任せて!」


 ダラークは肝心な時に何もできなかった。その責任を今果たす時である。


短いですね

バトル以外は書けないんだなってつくづく思ってます…

まあバトルも十分に書けているかと言われればすいませんという感じですけど

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