49話 帰還せし戦士たち
破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊――ただ破壊が続いていた。
破壊され尽くし何が破壊され何が原形を留めているのかすら分からない。破壊されたものはさらに破壊されそれが原形となってそこにある。破壊こそが原形であり原形こそが破壊された跡。
街並みが破壊されていた。
木々が燃やされ炭となっていた。
全てが砂礫と化していた。
捻じ曲がった歪な木々がそびえ立っていた。
これらを起こした犯人は別の人物であるが、共通するのは彼らに会って生きて帰ってきたものはいなかった。
生きて帰ってこなかった。それは一週間のログイン禁止というペナルティを与えられたゆえに正しい言葉である。
彼らに殺されれば一週間はログインできない。
彼らを殺さなければ他の者が殺される。
有名なもの、高名な者、正義感の持ち主、それらにつき合わされた者、近くにいたという運の悪さで巻き込まれた者。
一週間という悪質的なペナルティが課せられているため段々と街から人は消えていく。
残っているのは闘う力のないプレイヤー、新人で何をすればいいのか分からないプレイヤー、そして用心深く機を窺っているプレイヤー。
街並みは破壊された後、NPCとNPCの所有物である家だけが戻されていく。
それは異様な光景であった。
壊れた家の前ではプレイヤーが立ち尽くし、あるいは地面で泣き伏している。
その横ではNPC達が普通に生活を行っている。
壊された家と無傷な家。その両方の違いは明確だ。
プレイヤーのものは無慈悲に扱われ、NPCのものは丁重に扱われた。
プレイヤーに恨みがある故か、NPCを大事に思っているからか。それはこの惨状をつくった者にしか分からない。
ただ、彼らの、壊された者にも壊した者にもどちらにも憎しみの感情があったことには間違いはない。
三日が経つとさすがにこの状況はまずいと感じたのか、PK達による妨害行為はなくなった。
四日が経つ頃にはPK達が『五行同盟』に挑みに行った。
彼らは曲がりなりにも対人戦のプロ。モンスターを相手にしてきたプレイヤーよりもプレイヤーと闘うということに関しては一日の長がある。
いくつかのPKギルドと呼ばれる集団が挑んだ。
結果は引き分けといったところか。いや、近いだけで良いところまで行けたPKもいる。
数の利を生かした者。
不意打ちに成功した者。
相性を考えた者。
『五行同盟』において最も強いとされているのはどれも強いため挙げにくい。だが、『五行同盟』のうち水を担当する修道女だけは攻略しやすいと言われていた。
彼女と相対した者は不可思議な能力により動きを封じられ、ダメージを負ったという。
ならば近づかずに遠距離から攻撃すれば良いのではないかという結論に至った。
そしてその作戦は見事にはまった。だが、はまりすぎた。
HPが半分を切ったほどで修道女は突然踵を返して逃げ去ったのだ。
これがただのプレイヤーボスとの大きな違い。
彼らは待ち受けるくせに定位置を持たない。
彼らは逃げることもできるし闘うこともできる。その選択は自由だ。
彼らを確実に倒すには周りを封鎖しなければならない。だがその兵力ももう残されていない。それ以前にプレイヤーを纏める者がいない。
二日ごとに別の街を蹂躙していく『五行同盟』。
当然ながら最前線であるウォークライから遠ざかれば遠ざかるほどプレイヤーの強さも劣ってくる。
日が過ぎるごとに人口が減っていくなか、段々と抵抗することを止め逃げ惑うプレイヤー達。
運営ですらこのままでは危ういと感じた瞬間、彼らが帰ってきた。
「……訳は聞いた。後三日待て。それまでお前らは力をつけておけ」
「俺らがいない間頑張ったみたいだな。もう安心しろ」
「まずは誰が残っているのか確認ね。……あの子達が試験期間だったのは不幸中の幸いかしら。あとは彼らもいればいいのだけど……」
『フレクション』が誇るダラーク、ジュガ、アザリカ。全プレイヤーの中でもトップに位置する彼らの帰還によりプレイヤー間に希望が湧いた。
しかしそれでもまだ絶望は残されている。
どれだけ強い彼らでも三人のみ。相手は五人である。まだ足りない。
加えて相手は劣勢に陥ると逃走する。
質の良い人数と、逃走経路を消すこと。これが『五行同盟』を倒す鍵となった。
三日という時間。その間にまた一つの街が滅ぼされた。
だが、その甲斐はあった。
待ち人は訪れ、能力は開花した。
「ダラークさん、待たせてすいません!
「……今、来た!」
「私たちの力が必要なんでしょ? 闘うよ、街も人も守るために!」
試験期間の終了。その日のうちにリュウキ達はログインをし、ダラーク達の元へと訪れていた。元々ネットを介して何が行われているのかは知っていた。
だからこそ自分達が何もできない歯がゆさを味わっていた。
「よしお前ら、まず明日、作戦は決行だ。突然だがこれ以上街を破壊されるわけにはいかねえ。そのためにお前らを待っていたし、こいつらの能力を次のステージにあげておいた」
そう言ってダラークは2人の男を連れてきた。
2人とも若者であるが、1人は笑顔、もう1人は眼鏡をかけており知的そうな印象を受ける。ダラークがわざわざ鍛えたのだ。よほどの重要人物に違いない。
ダラークは紹介はいらないだろ? とでも言うようにリュウキ達を見るが、
「えっと……誰です?」
当然、知らない人であった。
ほんの数話だけのご出張となってしまったよ……
試験期間の話もいつか書いてみたいぜ!
そしてやはりこういうのは書くの苦手
早くバトルしたいぜ




