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二つ名オンライン  作者: そらからり
1章 二つ名
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11話 兄妹

なんだか毎日ブクマ増えている気がする

嬉しいです

「――以上を持ちましてこの法案を可決といたします。以後、何か問題が起きるようであればこの法案は撤回されるものとして――」


 朝、テレビからニュースらしき音声が流れる部屋へと起床したリュウキは自分の部屋から降りてくる。


「ふわあぁぁ。おはよう」


 毎朝7時に起きるのがリュウキにとっての日常であるが現時刻は6時半。いかに早くDNOの世界に入りたいか丸わかりだ。


「あ、お兄!おはよう」


「真火か。もう起きてたんだ」


 リュウキに朝の挨拶をしてきたのは真火、リュウキの3歳下の妹である。

 今年中学1年生になったばかりの彼女は年齢にしては背が低い。その容姿は兄であるリュウキのひいき目からしても可愛らしく、勝気な瞳、ツインテールにした長い髪から元気いっぱいであることが伺える。

 シズネが儚げな美少女であるならば、真火は笑顔の似合う美少女である。


「何言ってるの!昨日は国会で大事な議会があったんだよ。その結果が早く見たくてこうして起きたってのに……さてはお兄、知らなかったの?」


「国会で会議……知らないなあ。中学生が気にするようなものなの?」


「そりゃするよ!だって高校生以上しかやっちゃいけないVRゲームを私たちもできるかどうかっていう内容なんだもん」


「……え?」


 リュウキは昨日、初めてVRを体験した。つまり、誕生日は昨日であり、法律でVRをやっていいよと制定されている16歳になったのも昨日だ。

 この法案の改正案は10歳以上は平日は夜10時まで、翌日が休日であれば深夜もやって良しである。無論、保護者による許可が必要となっているが、真火はそれを難なくクリアしていた。

「父さんと母さんは許してくれた……よなあ」


「私の成績なら授業を聞いているだけでいいしね!」


 リュウキが凡才、シズネが秀才であるならば真火は天才であった。学んだことは全て吸収していく。四則計算を学べばどれだけ桁が増えようとも計算ができる。歴史上の出来事も一度覚えてしまえば後は思い出すだけだと言う。

 本人が自ら勉強しようという意志が余りないために、学校での授業を超えた勉強はしていないためリュウキの方が知識が上であるのが救いである。それでも、彼女の成績は常に良いため、両親からは常に愛を受けて育っていった。


「お兄も昨日からVR始めたんでしょ?私もDNOってやつ買ったから一緒にやろー!」


 やれやれ、しょうがないなとリュウキは思う。彼も何だかんだ言いつつ妹には甘い。

 年相応に甘えられては断ることもできない。


「じゃあ後でシズネが来るからその時にな」


「しず姉も⁉また三人で遊べるね!」


 最近はあまり真火を交えて遊ぶことは少なかった。心底喜んでいる真火にリュウキは思わず口元が緩む。


「まだ俺たちも最初の街だから、迎えに行くよ。最初の位置からなるべく動かないでいてね」


「はーい!」






「と、いうわけでこれから昨日最初に始めた位置まで行くけどいいかな?」


 シズネがリュウキ宅に到着し、二人はリュウキの部屋にてログインをする。真火はDNOのチュートリアルがあるため自分の部屋から先に入っている。

 ログインをするとそこは昨日見た景色。綺麗な街並み、街中を流れる河、行き交う人々、遠く空を舞う鳥たち。

 再びこの世界に戻ってこれたのだという実感が沸いてくる。


「……うん。……真火と遊ぶの久しぶり」


 シズネも心なしか嬉しそうに言う。幼いころからシズネは真火を妹のように可愛がり、真火もシズネを姉のように慕っていた。リュウキを取り合って喧嘩をすることもたまにあるが、基本的に二人は仲が良い。


「そろそろビギナーの説明も終わった頃かな。行こうか」


「……真火はどんな二つ名かな」







「お兄!しず姉!お待たせ!」


「お疲れ。名前は何てしたんだ?」


「名前をそのままカタカナにしたよ。マカって呼んでね!」


 やはり兄妹。凡才でも天才でも考えていることは同じであった。リュウキはそのことに嬉しくなる。


「俺たちもそのままリュウキとシズネだ。じゃあ俺からパーティ申請とフレンド申請しておくからな」


「……よろしくね、マカ」


 リュウキがマカへと申請を送る最中にマカも何やらステータス画面を弄っている。


「ねえお兄かしず姉。剣余ってない?」


「剣?俺の初期武器が確かまだアイテムボックスに残ってたような……。使わないから欲しいならあげるけど、二刀流でもするつもり?」


 片手剣であれば剣を二本装備することは可能である。ただし、スキルでは片手剣でのスキルとなってしまうため、二刀流用のスキルをまた新たに職業や他のイベントなどの報酬で覚えなくてはいけない。ちなみに職業で二刀流スキルを覚えるには転職をした後の上位職業でしか覚えられないが……。


「ううん、違うよ。二刀流よりももっとすごいやつ!」


 リュウキが初期装備である片手剣を渡してやるとマカはそれを大事そうに受け取り、アイテムボックスへとしまい込む。

 DNOの装備はアイテムボックスの中のものしか装備できないため、武器を拾う、相手から奪うなどをしても即座には使うことはできない。PKに有利にさせないためにこのように設定されている。


「じゃーん!どう、すごい?」


 マカがステータス画面から手を離す。そうして出来上がったのはマカと、マカの周りを浮遊する二本の片手剣であった。


「私の二つ名、『舞空剣技』なんだって!超、超戦闘向きだからこれでお兄としず姉の足手まといにはならないからね!」


 だから置いていかないで。そう言いたげな眼でマカはリュウキとシズネを見る。

 リュウキは気づく。最近余りこの甘えたがりな妹に構ってやれなかったことを。

 シズネと遊ぶことはあったが、マカにも自分の予定があるだろうと誘うことを最近は控えていた。だが、それはマカにとって相手にされなくなったと思われていたようだ。


「……頼りにしてるぞ。マカも俺たちのパーティーの一員だからな!」


「……この子もよろしくって言ってる」


 シズネの腕からラビが飛び出す。


「うわああ。なにこのウサギ!」


 マカは目を輝かせる。シズネの腕から飛び出したラビはマカの元に寄る。マカは恐る恐るラビを抱き上げ、壊れ物にでも触るようにそうっと抱きしめ、それからしっかりと抱きしめる。


「シズネはテイマーっていう職業でモンスターを仲間にできるんだ。そいつはラビっていって昨日テイムした俺たちの新しい仲間だ」


「そうなんだー。えへへ、よろしくねラビー」


 胸にラビを抱きしめたままマカはラビに頬ずりをする。


「じゃあ何か適当なモンスターでマカの二つ名の能力を試すか。あんまり動かないやつがいいな。それにラビにも闘ってもらってレベルを上げないと」


「……最初はやっぱりマッドドッグ?」


「かなあ。マカは別にああいうのを怖いと思わないだろうし?」


「ん?呼んだ?」


 よほどラビを気に入ったのだろう。マカはしばらくラビを離さず、腕に抱いたまま二人に着いてきた。


「マカってホラーとか得意だよなって」


「だってあんなの弱点ありまくりだし。だいたいのお化けは太陽光に弱いしね!」


 さすが太陽みたいな笑顔をする妹は違うなとリュウキは思う。

 話が終わったのだと思ったのだろう。マカは再びラビに顔を埋める。


「マカ、あれがこれから闘うモンスターだけど……大丈夫?」


「あ、犬だ!ちょっと汚いね。それに何か頭おかしそうなのもいる。私は少し遠くから攻撃するけど、お兄たちはどうやって闘うの?」


「俺は格闘家だから直接近距離だよ」


「……私は魔法で。リュウキ、ラビはどうする?」


「うーん……。じゃあ、俺はマカと組んであっちの『汚れた犬』と闘うよ。動きは遅いから初戦には十分だろうし。シズネはラビと『狂った犬』を任せた。ラビが危なくなったらシズネが助けるってことで」


「……分かった」


「了解だよ!ラビ、またね」


「キュル」


 シズネとラビは離れ、『狂った犬』へと向かって行く。シズネがいるのだ。余り危険はないだろう。


「じゃあこっちも行くよ。俺があの犬を足止めしておくからマカはその間に攻撃だ」


「うん!」


 マカは二本の片手剣を操作し始める。それを見てリュウキはどうやってあれを動かしているのだろうと疑問に思う。脳波でもキャッチしているのだろうか。


「お兄?」


「あ、ああ。よし、じゃあ任せたぞ!」


 今のリュウキのステータスであれば二つ名を使わずとも攻撃を2,3回当てれば『汚れた犬』くらいなら倒せるだろう。

 だが今回はマカのための闘い。攻撃を弾き、受け流し、『汚れた犬』からマカへの注意を外す。


「お兄!当てないようにするけど、一応注意しててね」


 声に反応して振り返ろうとするリュウキの顔を掠めて剣が二本飛んでいく。


「オオン」


 片手剣が突き刺さり、『汚れた犬』のHPが減っていく。防御力が高いだけあって、2割ほどしか削れなかったが、それでも離れた位置からであれば十分な威力である。

 突き刺さった片手剣は『汚れた犬』から抜け、マカの元へと戻っていく。


「今は同時に二本しか操作できないけど、攻撃力は普通に手で使ったときと同じなんだって」


「それはすごいな。今度は突き刺すんじゃなくて、斬りつけてみてくれる?」


 マカへと向きかけたタゲをリュウキが足止めすることにより奪い返す。

 全て躱すことはできないため少しずつであるが、リュウキのHPも減っていく。


「えいっ!えいっ!」


 掛け声を入れてマカは片手剣で斬りつける。

 その姿を見てリュウキは可愛い妹のためだしいいか、と思う。実際に剣を握っているわけではないのに必死になりすぎて両手を振っているのが非常に微笑ましい。

 『汚れた犬』は攻撃してくる剣のみを相手にどうにもできない。マカへと向かおうとすればリュウキがそれを止め、その結果さらに傷を増やす。いくら剣自体に攻撃しようともマカにダメージはなく、攻撃した『汚れた犬』自身が剣に触れたことによるダメージを負う。


「ギャンッ」


 最後まで己を傷つける相手に何もできずに『汚れた犬』はポリゴンとなって消えていった。




 マカ  駆け出し冒険者 LV1 

    『舞空剣技』   LV1

 HP  100

 MP  20

 ATK 10

 DEF 10

 INT 10

 AGI 10

 DEX 10

 LUK 10

*ATK・DEXに補正


『舞空剣技』LV1

アクティブスキル:武器を操る。

パッシブスキル:ATK・DEXに補正


読者様にご指摘を頂きまして

ティム→テイム

ティマー→テイマー

に変更します。

調べたらこっちの方が正しいぽいですね。

ご指摘ありがとうございます!他にもありましたら皆様、どんどん教えてください!

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