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傭兵女学生は打ち合わせ中。

私の選択武器…変えたほうがいいのかな?


「ギーデル聞いているのか?」

ウニクス教官が教育用大型通信機から振り向いた。

「は、はい。」

不味い聞いてないよ。

「…おまえ…いくらハチミツ祭りの打ち合わせだからと気を散らすな。」

ウニクス教官が苦い顔をした。

「すみません。」

私は頭を下げた。


今日は修練じゃなくて近くなった年に一度のハチミツ祭りの打ち合わせなんだ。


ラーシキャの花からハチミツが採れる新緑の月の中頃にその『ハチミツ祭り』は各地方で開かれる。


実行委員会が傭兵学校に依頼するとはしらなかったけどね…ハチミツ戦士の若年組の方は、傭兵学校の生徒なんだそうだ。


「ハチミツ戦士なんか選ばれないと思ったんでしょう?いいわ、あなたがおやりなさい!」

闘神レファルト・ディレウス様の神官が私を指差して言った。

「ハーシュリラ神官、こいつは非力なんでやめた方が…。」

ウニクス教官がいいかけた。

「槌科の学生が非力?」

ハーシュリラ神官が不思議そうな顔をした、ま、そうだよね。

槌科の学生なら筋肉ついてるもんね。

「ええ、ギーデルよりオルセアかジエルキスの方を推薦します。」

ウニクス教官が二人の方を見た。

「………。」

それに反応しないでハーシュリラ神官が虚空をみてなにか呟いてる。


「決まりました、クリサ・ギーデルとソラリス・ジエルキスが若年組のハチミツ戦士です。」

厳かにハーシュリラ神官が言った。

「根拠はなんですか?」

ウニクス教官が聞いた。

「レファルト・ディレウス様からのご神託です、若者が鍛えられる機会を与えよとのことです、もう、面倒だわ!」

ハーシュリラ神官がめんどくさそうに書類になにか書いた。

「だ、そうだ、明日から素振り練習だ、ギーデル。」

ウニクス教官がため息をついた。

「まあ、柄杓と合わせて三キロくらいですから大丈夫ですよ。」

ハーシュリラ神官が書類をみながらいったとたん、私をみんなが凝視する。


「クリサちゃん、やめた方がいいよ。」

アルシオーネ先輩が言った。

「そうだな、今回は雑用係で。」

ダファヤ先輩が言った。

怪我するとやつが怖いってなんですか?

「そうだよ、ハチミツ飴うりの方があってるよ。」

ソラリス君が言った。

学園のアピールと資金調達のためにふだんは入れない部外者もいれて飴とか売ることになってるんだよね。


「こいつらもそう言ってることですし今回は辞退ということでどうですか?」

ウニクス教官がハーシュリラ神官に期待の眼差しを向けて言った。

「……だめです、クリサ・ギーデルは試練ととらえよとのことです。」

ハーシュリラ神官がトランスから覚めたように言った。


「…ギーデル、槌科の名誉にかけて特訓だ。」

ウニクス教官が決意の眼差しで言った。

「め、名誉?」

私はたじろいだ。

「そうだ、槌科のお前が途中で力尽きたら槌科はどんな修練をしているということになる、しいては傭兵学校の不名誉だ、根性で最後までやってもらうからな。」

どこか恐ろしいオーラを放ってウニクス教官が言った。


ええ?こまるよ。

三キロ振り回せる自信ないよ。


「まあ、逝ってこい。」

ダファヤ先輩があわれみの眼差しで言った。

「頑張ってね。」

アルシオーネ先輩が哀れみの眼差しで言った。

「訓練、手伝うよ。」

ソラリス君がため息をついた。


「若者よ!試練の時ですわ…私も不安ですけど。」

ハーシュリラ神官が言った。


…本当に逝きそうだよ。

でも、頑張るしかないのかな?

ハチミツ戦士なんか早々経験できないもんね。


が、頑張ります。

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