表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

傭兵(学生)王子は修練中1

今日も天気が良いようですね。


「グーレラーシャ!客人を案内してくれ!」

ヨウルシス・セダル槍士科教官が修練場の端から言った。

二人の男女がたっている。

一人は…典型的なグーレラーシャの武人の格好をしている赤毛の男性で両方の腰に短目の剣を下げているところをみると職業傭兵らしい。

もう一人は黒髪を顎のラインで切り揃えた黒目がちなの目をキラキラ輝かせた綺麗な女性だ、明正和次元人らしいですね。


脱いでいた下着と長衣を羽織って駆けつける。


「リオレウス・グーレラーシャに校内を案内させます、穿孔のリュディガーさんも傭兵学校は久しぶりだからわからないでしょう?」

セダル教官がわらった。


穿孔のリュディガーさんが二つ名なのか…。


「まあ、卒業して何年にもなるが…グーレラーシャってことは王族かよ。」

目付きの鋭いいかにも手練れの男性が言った。

「一応そうです。」

父上様が王族として国で仕事をしている以上、私も姉上も王族ということになるんです。

「あら、王族も傭兵学校に入るのね。」

ほがらかな笑いを浮かべて黒髪の美人が言った。

「おれの世代は…グーレラーシャの戦竜か?」

穿孔のリュディガーさんが考え込んで言った。

「リツデイラ叔母上ですね。」

なるほど120~130歳くらいなのか?

「本当に王族が近い国なのね。」

楽しそうに女性が笑った。


女性はニホンからきた異世界人でレン・アリシナさんと言うらしい。

在科 蓮さんが正しいのだと思いますが。

私の日本名も五十嵐(イガラシ)黎夫(リオ)ですし。

ニホンは明正和次元の日本じゃないらしいですね。

足の運びに隙がないな…なにか武道でもしてるかもしれないです。


「なにか武道でもしてるんですか?」

校内案内しながらさりげなく聞いた。


不用意には近づかない。

穿孔のリュディガーがたぶん求愛対象にしているからだ。


「あら?わかるのかしら?」

レンさんが朗らかに笑った。

「ええ、かなりのお強いのでは有りませんか?」

一度手合わせしてみたいが…客人に失礼だろうな。

「おい、レン、ヒフィゼギルド管理官長のコネでやっとなかにはいれたんだからな、問題起こすんじゃねぇよ。」

穿孔のリュディガーさんが言った。

さすが一流の傭兵だ、少し緊張した空気が読めたようだ。


あんなに近いのに抱き上げないなんてなんという自制心なんだろう?

私ならもうクリサを抱き上げてる。


「ごめんなさい、そうよね、ひーさんに迷惑かけたら真姫奈ちゃんに悪いわよね。」

レンさんが言った。

ヒフィゼギルド管理官長の関係で普段はあまり外部の人を入れない傭兵学校に見学に来られたようだ。

従姉の国王陛下がガイウスちゅんとヒフィゼギルド管理官長を呼んでいるのを聞いたことがあるが

ひーさんもすごいですね。

「すまんな…と殿下だったな。」

穿孔のリュディガーさんが言った。

「ここではただの傭兵学校の学生です、叔母上がそうだったように。」

そうだ、ここでは戦いのすべてがたたき込まれる。

王族も庶民も関係ない…まあ元々グーレラーシャ自体が戦闘能力に優れた一部族で周りに仕掛けられた戦いで国が大きくなった経緯があるからね…。

王はいまだ部族を率いる長感覚なんだろうね。

「そう言えばそうだったな。」

穿孔のリュディガーさんが思いだすように遠い目をした。


「まあ、ここにも若い人達が!」

槌士科の修練場に来るとレンさんがまたキラキラした目で言った。


今は走り込みをしているらしい。

どこにいてもクリサの小麦色の髪が良く見える。

あの一つにまとめた髪の根元に映えるかんざしを贈って…早く抱きあげたい…。


…まだ成人してないからとめられているけどね。

走ったりするときは早いな…二番目じゃないですか。

一番はソラリス・ジエルキス…姉上の師匠の息子だ。


「グーレラーシャ、客人か?」

ウニクス槌士科教官が気が付いて寄って来た。

相変わらず筋肉の塊って感じですね。

「はい、穿孔のリュディガーさんとレン・アリシナさんです。」

私は二人を手で示して言った。

「…そうか…何処かで見た事が…。」

ウニクス教官が首をひねった。

「ウニクス、お前が教官かよ。」

穿孔のリュディガーさんが言った。

「…リュディガウス…か?」

ウニクス教官が思いだすように言った。

「ああ、そうだぜ、ファステリムは元気なのか?」

穿孔のリュディガーさんが嬉しそうに聞いた。

本名はリュディウスさんというらしいね。

「オレの嫁になってる…恐ろしく元気だ。」

ウニクス教官が複雑そうに言った。

「尻に敷かれてるみたいだな?」

リュディガーさんが笑った。

「りゅーさんのお友達ですか?」

ニコニコとレンさんが言った。

こころなしかウニクス教官の身体を見てるようだ。

「お、お前の嫁さんか?」

ウニクス教官が笑った。

「そんなわきゃねぇよ。」

リュディガーさんはそう言いながらもレンさんを熱い目で見ている。


もう少し距離をとらないといけないな。

求愛状態の男性は理性を失った獅子より始末に負えないと言うからな。


まあ、ともかくこの恋人未満、親友以上らしい二人をなんとか無事に案内しきらないとですね。


本当ならもう少し風に翻る鍛錬着のクリサを見ていたいんですが…。

短いズボンにすらりとした足がまた…。

こんな事思ってるなんて夢にも思わないでしょうね。


今度は…剣士科でも案内しましょうか?

どうやら…レンさんは剣道でもやってるようだ…。

ラスあたりに相手をさせればいいか。

同性だし大丈夫でしょう。

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ