ブリコーネの異世界道中?
「それじゃあお母ちゃん、お父ちゃん、みんな、ウチ行ってくる」
とある国のとある地方のとある森。
木々に囲まれた隠れ里。
誰も知らないその場所の、小さな小さな入り口に、今日は多くの人影が。
手に手にハンカチ持って涙をふきふき、一人の少女を見送っている。
少女の名前はブリコーネ・ハントテラー。
真っ赤な髪と黒くてキラキラの星空みたいな瞳がチャームポイントの世界一の美少女や。
なんや、文句がある奴はかかってきぃ!
「ブリコーネ……必ず……必ず[運命の人]を見つけて無事に帰ってきぃやぁ」
「道中には沢山の危険な生き物がいる。気を付けるんだぞブリコーネ」
里のみんなの先頭に立っているのは、ちょっと心配性なウチのお母ちゃんとお父ちゃん。
二人は人目も憚らず、おぃおぃおぅおぅ声を上げながら涙も鼻水も一緒に流して顔がぐしゃぐしゃ。
「ミッテル、クライナー、二人をよろしく頼むで」
そんな二人に苦笑しながら妹と弟に声をかければ、二人もおんなじように鼻水たらしてこくんこくんと頷いた。
声が出そうなんを我慢しとるんわ、なんともグッとくるものがある。
込み上げてくる物を堪えてウチもそれに頷き返してウチはみんなに背を向けた。
「それじゃあみんな、お達者で!」
今日は一段と朝日が眩しく輝いて、ウチの前途を祝ってくれているみたい。
風もさわさわとそよいでええ気持ちや。
里のみんなの別れと再会の約束の言葉を背中に受けて、ウチは[駆け鳩]のピーちゃんの背に跨がった。
「ハイヨー!ピーちゃん!」
「クゥルッポゥ!」
腰には剣を、背には竪琴を。
そして、僅かばかりの荷物を持って、ウチの冒険はここから始まる。
「ブリコーネ!荷物荷物!忘れてる!」
「ふぇぇっ!?」
………ここから…………もう少ししたら始まる。
運命の人を探す旅が。




