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神をも喰らうヴァイセント  作者: 文悟
第一章・ヴァイセント
19/73

ベリコットの、ここまでの人物紹介

お初にお目にかかります。ウチは流れの吟遊詩人。


[ベリコット]


と申しやす。


チョイと田舎の生まれなもんで、上手な言葉を知りゃしませんが、お付き合いいただければこれ幸い。




本日お話致しますのはこの物語のこれまで出会った人物と、彼らのその後の人生などをちょちょいちょいちょいかいつまんだ、いわば人物紹介でございます。





先ずは物語の主人公


[柄倉重悟(カラクラジュウゴ)]


嗚呼…愛しきウチのごしゅ……げふんげふん……この物語の主役であります黒髪黒眼の19歳。

ひょんなことからこの世界にやってきて、なんとあの怪物竜を倒して食べちゃったからさぁ大変なことになった。

人間が持っちゃぁいけない力を手に入れ、その代償に三つの呪いをその身に宿したのでございます。

さらに彼の母と妹は行方知れず。父は竜に食い殺される不幸。

嗚呼、なんと可哀想なジュウゴ様…。

彼の異世界帰還までの長い旅は始まったばかりでございます。




お次は物語の″現″ヒロイン。


[メイプル]


本名、エルザ・ブレモンド。

とっても怖…おっと…大変綺麗な月色の髪の少女。

愛し信じていた両親から人買いに売られ、運ばれるところをジュウゴ様に助けていただいた経緯で旅のパートナーになりました。

メイプルは彼女の瞳の片っ方に宿る朱い色からジュウゴ様が贈った名でございます。

悪魔の瞳と呼ばれたその眼を嫌ったメイプルでしたが、いまはそれなりに受け入れているよう。

また、知識の豊富な彼女は旅でのガイド本の役割と、財布の管理、そしてジュウゴ様の夜伽のお相手を担っております。

…いいなぁ…ウチも夜伽ぃ……。



さて、ここからはお二人に関わる主な方々のご紹介です。



[バンドー]


ハンデールで一番の浴場付き宿屋[絹の寝床]の店主。恰幅のいい体に小豆色のベストとつるりと禿げた頭が特徴の人のいいお方。

亡くなった妹夫婦に境遇の似た二人の世話をやくのですが、メイプルには特別過保護なようで…。

彼の経営する宿はこのあともどんどん売り上げを伸ばして、この先シーリカにその人ありとなるのですが、彼の経営する宿では[ハンデールの寡黙な勇者]の演劇が必ず開かれると、笑い話でも有名になったそう。



[バンドクと残念な仲間たち]


元傭兵の誘拐組織[餓狼(バ・ルー)]。

その首領のバンドクは弯刀使いの大変な強さの男でした。巨躯でありながら現役時代は風のようだと恐れられた速さを持っていた彼も竜の力の前にあけっなくやられてしまうのでした。

まあ、重甲冑なんて着けてたら…ねぇ。


アザムをはじめ下っ端はほとんどが死んだりこの世界から足を洗うことになりました。



[ナハトラハルとその倅]


ナハトラハル・ヴェン・ドワノフはメイプルを買った張本人。その瞳の真実を知っていたため、遊んで壊して食べようとした外道にございます。

彼の奥方もその被害者。実はバンドー氏の妹夫婦が魔物に殺されたというのも、真実はこの男の仕業でございます。


それなりに知恵の回るこの男の手でジュウゴ様はかなりのピンチに陥ったのですが、本気を出されたジュウゴ様の相手じゃあございませんでした。

人を買い、自らの悦楽のために傷つけ殺し続けていた領主ナハトラハルはジュウゴ様のお陰で善人の仮面を付けたまま死ぬのでした。


その後はジュウゴ様が「月を見るたび思い出せ」と息子シンバハルを脅した効果が現れて、シンバハル以後のドワノフ家はその地方を大変良く管理し、満月の夜は酒宴を開き民を大切にしたそうです。


あ、ちなみにシーリカにおいては、ほとんどの貴族が″自分の治める領地と領民″は持てないそうで、今回の領主とは″土地の管理者″となるのでございましょう。


[ブレモンド家]


エルザを育てた通称[料理人]。

人拐いではなく人を育て売り払う悪党でした。


実はこのブレモンド夫婦、ナハトラハル死後突然行方を眩まします。


はてさて、いまは何処にいるのやら。



[トラウディシアの魔神像]


大昔、トラウディシア全土を恐怖のどん底に落とした人工の魔獣。

心臓か脳があれば魔力の有る限り無限に再生を繰り返す剛腕の巨神。でもいまはジュウゴ様のお腹のなか。

これを口にした者は…まあ、本来食べませんが…超再生と魔力の雷、剛力、鋼の躯を与える代わりに条件を充たすと[絶対服従]せねばならない呪いを与えます。

しかし、このトラウディシアの魔神像、ホントは賢者が争いを止めるために造ったモノだったなんて誰も知りません。





さて、人物とはかけ離れたモノも混ざりましたが、長々のウチのお話にお付き合いいただき、ありがとうございます。


ウチと会うのはまだ先ですが、いつかまたこのような機会もございましょう。

では、また、次の機会に。









…………あ!

姉御、そろそろウチと夜伽の順番……え?だめ?

そんなぁぁぁぁ………。

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