表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

第七章 籠城

第七章 籠城


S級冒険者クラウスは、ギルドの中央で胸を張り、芝居がかった声で宣言した。

「誰が呼ぶ? 俺を呼ぶ。

 ――世界が、俺を呼んでいる」

受付嬢は即座に顔をしかめる。

「……誰があんなお花畑を呼んだんです?」

ギルマスターは深いため息をついた。

「仕方ないだろ。ハヤブサがいないんだから」

クラウスは優雅に一礼する。

「久しぶりだね、ギルマス。

 君は僕のことが嫌いだと思っていたのだけれど」

「軽口を叩くな。

 リザードン大移動の前に、ハヤブサが訓練中に負傷した」

受付嬢が事務的に続ける。

「ご報告しましたよね。

 今年はリザードンが移動をやめ、引き返しました」

ギルマスの眉が跳ね上がる。

「そんな訳があるか。

 奴らのキングが繁殖地へ向かうのをやめるなど――あり得ん」

重く沈む沈黙。

「……クラウス。調べてもらう」

受付嬢は腕を組む。

「私は止めましたからね」

クラウスは肩をすくめ、微笑んだ。

「レディ、そんなにカリカリするものじゃない。

 ――この私が、すべて解決してあげよう」

「解決できなければ、一コインも払いません」

「……なるほど」

クラウスは窓の外へ一瞬だけ視線を向け、静かに言う。

「彼女の言う通りだ。

 奴らは繁殖地へ向かうのを――やめている」

手を差し出す。

「では、調査費を」

「だから一コインも払わないと――」

ギルマスが低く言った。

「……すまない、クラウス」

その瞬間。

抜剣。

鋭い金属音が空気を裂いた。

「S級冒険者を呼び寄せておいて、

 一コインも払わない――だと?」

周囲の冒険者たちがざわめく。

「クラウス様が怒ったぞ……!」 「逃げろ!」

ギルマスが怒鳴る。

「誰か押さえろ!!」

しかし誰も動けない。

気づけば――

冒険者組合の周囲は、人垣に包囲されていた。

まるで、ここだけが戦場の中心になったかのように。

その外縁。

様子を見に来た少女が、首をかしげる。

マヤ。

「……何かあったんですか?」

近くの男が小声で答える。

「S級冒険者クラウス様が――

 籠城してるんだよ」

「受付嬢とギルマスが中に」

マヤは小さく息をついた。

「……困りましたね」

だがその瞳は――

ほんの少しだけ、興味に揺れていた。


いい流れです。

緊張感・静けさ・マヤの異質さを最大まで引き上げて、

後半パートを完全マシマシ強化ブラッシュアップ版にしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ