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ヤンデレ系暗黒乙女ゲームのヒロインは今日も攻略なんかしない!  作者: As-me・com


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29/30

〈29〉回避出来ないなら、突破するしかないにしても

 あれから睡眠効果のあるお茶を(なかば無理矢理)飲ませてエリオットをベッドに押し込んだ。今は混乱してるみたいだし、あまりの怯えように見ていられなかったのだ。確かエリオットは前世でゲームプレイはしたもののエリオットルートがあまりにサイコパス過ぎて全部はやっていないと言っていた気がするけど……もしかして適当に選択肢を選んでプレイした結果がそのヤバいルートだったのではないだろうか?どの選択肢を選んだらそのルートに入るのかは覚えていないみたいだったし、人間ってショックが大きいと記憶が曖昧になるって言うから思い込みとかで上書きしてショックを和らげていたのね。そうしないと心が守れなかったのかも……。でも、それがあの招待状のせいで一気に思い出してしまったんだわ。エリオットの中身はいたいけな女子高生なんだから、そんなルートなんて毒でしかないだろう。


「……どうしたらいいかしら」


 エリオットを包んだ毛布の中から寝息が聞こえてきたのを確認して、私はその背中をそっと撫でた。エリオットの話を聞く限りその王太子はヒロインをパーティーで値踏みするつもりなのだろう。自分にとって利用価値があるかどうか……。そしてなにがなんでも|国王になるための道具(エリオット)を取り戻したいはずの王太子なら、侯爵家の跡継ぎでエリオットの想い人(だと思ってる)であるヒロインを利用するに決まっている。


 それにしても、女主任もとんでもない隠しルートを残してくれたものだ。そもそもエリオットルートはエリオット(攻略対象者)がヒロインに歪んだ愛を感じてヤンデレ化するルートだし、他の攻略対象者よりもエリオットの方が不幸に陥れやすかったのだろうと思った。


 それになにより、原作ゲームでのヒロインは天然人タラシのドMなお花畑ちゃんだ。例えば王太子から甘い言葉をかけられたり優しくされたらどんな反応をするかなんて……想像しただけでエグい。


「うぅっ、鳥肌が立ってきたわ」


 ここにも女主任の怨念をヒシヒシと感じる。なにせ1番不幸にしたいのはヒロインなんだから仕方ないかもしれないが……弄ばれて利用されて最後は刺し殺される。なんて、いかにもあの女主任が設定しそうなラストである。


 もちろん私はお花畑ヒロインとは違うのでそんな簡単に王太子の言いなりになる気はないけれど……。ゲームの強制力がどこまで働くかも気になるが、エリオットの精神面も心配だ。それに本当にそのヤバいエリオットルートに入ってしまったとしたら、私だけでなくエリオットの身も危険になってしまうのだ。


「……守ってあげるって約束したもの」


 エリオットは私よりもずっと早くから記憶を思い出してしまったせいでツライ日々を送ってきたのだ。しかもかなり複雑な事情まで抱えてしまっている。こんな時こそ大人が守ってあげないといけないのよ!と、新たな決意をしたものの……パーティーを欠席するわけにもいかないわよね?なんだかんだ言っても向こうは王家だし下手に欠席するとなれば問題になるわ。なんかこう、ものすごくどうしてもパーティーなんか行けない理由がないと……。だいたいもう、すでに出席の返事をお願いしてしまったし。はっ!


「そうだ!すぐにリヒトに言って私とエリオットは急にとんでもない難病にかかってしまったから隔離されるんでパーティーに行くのは無理ってことに「そんなことが出来るわけ無いだろう」ルーファス、いつの間に?!」


 驚きすぎて思わず素で飛び上がってしまった。だって途中からひとりでブツブツ呟きながら部屋をウロウロしていたのだ。いつ扉が開いて、いつからその扉付近にルーファスが居たのかは知らないが、確実に不審な動きを見られていたかと思うと羞恥やらなんやらで飛び上がるのも致し方ないと思う。というか、ゲーム関連のことは聞かれてないわよね?!


 慌てふためく私を横目で見ながらルーファスは苦虫を噛み潰したような顔をしながら「……王家からの招待状を断る理由が、そんな突拍子もない訳の分からない事でどうにかなると思っているのか。本当にそんな事を告げたらメルキューレ侯爵家の名は地に落ちるぞ」とため息をついた。


「えっ、なんで招待状のことを」


 もしかしなくても本当にエリオットとの会話を聞かれていた?!とさらに焦るが、ルーファスは深いため息をつくだけだった。


「……リヒトから招待状の報告がきた。王家から直々の招待なのにそんなお粗末な理由で断ろうとか何を考えているんだか……。そんな事をしたら次期侯爵家当主として恥をかくのはお前なんだぞ?それに、どうせお前のことだから中身は読んでないんだろう?ちなみにパートナー必須とのことだ」


「なぬっ?!パートナーが必要なの?!あ。そ、それならエリ「エリオットは無理そうだな」うっ」


 ルーファスがチラリと視線を動かした先はイモ虫の如く毛布に包まって眠りについているエリオットの姿だ。確かに招待状だけでこんなに怯えているのに、そのパーティーにエリオットを連れて行くなんて絶対にダメだわ!それに、王太子のいるパーティーに私とエリオットが揃ったらそれこそ相手の思う壺である。しかもパーティー自体をバックレるのもダメとなると、一体どうしたら……。


「────だから」


 そんな、頭を抱えて悩む私にルーファスが言ったのだ。


「俺が一緒に行ってやる」


「え」


 いつものルーファスなら、ここぞとばかりに私を責めるとかしそうなのに……まさか助け舟を出してくるなんて。



 な、なにを企んでるのぉ?!



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