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勇者アムス③

「・・・なぁ〜ゲルク、何で《自分の事》は、バクラム達には話さなかったんだい?」

バグラム達が去った後、カリルはゲルクに尋ねた。

「あの人達バクラムには、あれだけ理解して貰えば、十分じゃないですか?」

お茶を啜りながら、ゲルクはそう言った。

「ま〜アンタが本当の勇者候補でした・・・アムルは実は『影武者』だったとは、貴族のバグラムには受け入れ難いか・・・」

もちろん、アムスも只の影武者ではない。

それなりの《資質》はある。

「何故に、リフィールの聖会が勇者認定をしているのか?その理由に繋がるからね〜」

この地に勇者を育成する最大の聖人領が有り、教主が認定の役割をはたして居るのか・・・

それは、勇者は『真聖女アテミスの加護』を持った者がリフィール最初の勇者だったからだ。

それ以降、勇者には『アテミスの加護』の有る者が成る事になっているのだ。

なかには、他から名を売って来た勇者《候補》も居たが、その人らは功績に応じて後々に勇者《認定》されるのだった。

そして真聖女アテミスの教えには、色々あるらしいが、勇者に関するモノの一つに、『勇者はアテミスの《聖なる力》によって魔を滅ぼす』というモノがある。

魔は魔王だけを指す言葉だけじゃなく魔物・・・つまりゲルクやカリル等の魔物の血を引く者も指す言葉になり、それがリフィールでは亜人達を下賤な者と見てしまう原因にも成っているのだ。

だからガルガテの街は、《あの疫病の件》がある前から、王都側には《混じられた街》とか《魔の出入りする街》と蔑むられていたのだ。

そんな街ならば、不当に扱っても《許される》と王都の人間は考えていたのかもしれない。

「ま〜あの《疫病の件》の責?で、教主が入れ替わり今の《もの分かり》の良い教主おっさんに成ったのは事実だけどな・・・」

おかげで、こうして王都に2人は来れたのだ・・・

公にゲルク達を《認め》てもらう事は難しいが、ココでの活動範囲は広げてくれるのは間違いないだろう・・・

「お~い!2人とも、聞いてくれ〜火事だって!」

その時、扉を勢い良く開けて入ってきたのは、先程まで外出していたアムルであった。

「・・・アイツら、あの3人をケシて《証拠隠滅》する気みたいだよ?」

どうやらバクラムが見たノーズとやらは、3人をワザと牢から逃がし、あそこにわざと潜伏させて、火の不始末を理由に殺害が目的だったようだ・・・

「ま〜アチラ側としたら、あの3人に《下手に》生きててほしくないのは本音だろうけどさ〜やる事が陰湿だよね〜」

アムスの言葉に、2人は頷いた。

「・・・この邪魔者はケセせば良い!って考えがリフィールを狂わせてるだろうね〜」

ゲルクはそう呟いた。

「・・・で、教主おっさんがゲルクらに会ってくれるって?・・・どうする?」

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