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序章①

「勇者アムスよ!・・・よくぞ、魔王バラリスを打ち倒した」

リフィール国王リカルドは、眼の前に跪く勇者に声を掛けた。

しかし、リガルドはアムス『達』を見た瞬間、顔をしかめてしまう。

大臣達も、ざわめきだした。

勇者であるアムスの脇には、猪人族ハイオークの大柄な男と、半蜥蜴人ハーフリザードマンなのか色黒い肌の長身細身の女性が佇んでいた。

「勇者アムスよ?何故に隣脇に『聖騎士団長』ラムトンと『王宮最高魔術師』バラムが居ないのだ!・・・一緒に登場する様に厳命したではないか!」

1人の大臣が顔を赤くして、アムス達に人目を無視して怒鳴り付けた。

彼は王命を下し、アムス達にキチンと通達した筈だったのに、アムス達がそれを無視したのだ。

「ラムトンも何故に裏の騎士団と共にいるのだ?・・・ちゃんと王命を伝えた筈ではないか?」

ラムトンは他の聖騎士達と同じく、勇者の一歩後ろに跪いていた。

王命通りならば、まるで勇者の仲間の様にラムトスもアムスの隣でリカルド王の祝辞を聞く筈なのだ。

もう一人の王宮最高魔術師と称されたバラムの姿も、この場には見当たらない。

「おそれながら・・・お伝えした通り、我ら聖騎士団は『火炎のバグダック』にすら太刀打ち出来なかったのです・・・それを撃退し、ついには魔王バラリスをも倒したのは、この《3人》です」

ラムトンはそう進言するが、周りの大臣達はザワザワするだけだ。

「そんな《事》はどうでも良いのだ!・・・今重要なのは、リフィール国の《力》で魔王バラリスを倒した事が大事なのだ!」

その大臣の発言に驚く客人は居たが、リフィール国の大臣達は概ね彼の言葉に同意する仕草を見せる。

「・・・勇者アムスよ・・・これは我が国が、人類が、魔王バラリスを倒した事を祝すモノだとは心得てるのか?」

リカルド王は声を荒げる事は無かったが、怒りがあるのは確かだ。

この式典には、他国の重鎮も来ている・・・失敗は許されないのだ。

「そうだ!勇者アムスよ!・・・その脇の《魔物》2匹は退場させよ!」

王の言葉に続けとばかりに、大臣はそう言うと兵士を呼びつけようとする。

「・・・そんな《魔物》の血を引く《下賎》な者達にに何が出来ると言うのだ!」

この国の聖騎士団は人類最強な筈だ・・・魔物の力を借りて魔王を倒した事を認める訳にはいかない。

「・・・どうせコイツ等は、勇者と聖騎士団の後を付けて、美味しい所を持っていっただけだろう!」

別の大臣もそんな発言をした。

「・・・そうだ!そうだ!勇者とは『聖なる力』の持ち主!・・・・『邪悪な力』魔物と手を組むはずはない!」

もしくは、アムスが『魔物使モンスターティーマーい』として、2匹を操っただけと考えたかったのだ。

「・・・とにかく、下賤な魔物は言葉が分かるなら、この場を立ち去るが良い!」

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