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パイオニアオブエイジ  作者: どん
第三部
95/201

『その世界は……』

 その世界は、新時代を迎えていた。

 約五年前、『世界の大変革』なる世界の構造が劇的に変わる改革があり、人類に新天地が拓かれたのだった。

 第五層『虹球界』というのがそれである。

 大気は水のように濃く、虹があちこちで作られる、惑星——。

 これまで真央界という、四方を閉ざされた世界で生きてきた人類にとって、この上ない朗報だった。

 

 まず、虹球界に迎えられたのは、戦争で苦しめられた難民たち、そして彼らを世話する第六層降霊界の住民だ。

 世界を統括する思想、万世の秘法によって、事前にこの新たな世界の存在を知らされていた難民たちは、虹球界に降り立った瞬間、狂喜乱舞した。

 降霊界の住民の指導の下、一致団結し、まず住居作りに勤しんだ。

 食物と衣服の心配は無用だった。

 食物は生産修法という物質生産技術を身につけた難民たちが、自ら用意することが出来た。

 衣服は万世の秘法の位階者らによって大量に準備され、皆、真新しい服に袖を通したのであった。

 それから旧世界、第二層真央界に残った人々も、三十年かけて移住する計画が立てられ、徐々に準備が調えられた。 

 

 一方、第一層因果界に堕とされた世界の脅威、呪界法信奉者たちは、世界中の悪党らをまとめることになった。

 皮肉にも敵対していた万世の秘法の用意した、修法作物によって食を確保し、真央界との取引で必要な物資を得ていた。

 根強いゲリラ活動によって、二つの地域で戦火がくすぶっていたが、世界の大変革の際に生命の樹に武器をすべて取り上げられている。

 呪界法と呼ばれる、荒廃した土地に巣食っていた悪精による異能も、生命の樹が取り込んでしまい、無力化した。

 残るは己の肉体のみ――これでは精鋭揃いの万世の秘法の対テロ組織、パイオニアオブエイジ(POA)の前に、逃げるしかなかった。

 そして、五年の歳月をかけて、戦火がまた一つ消えた。

 エスクリヌス下層、因果界の呪界法信奉者の根城、後悔の塔が、POAの精鋭らによって陥落したのだった――。 

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