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パイオニアオブエイジ  作者: どん
第二部
46/202

『出発時間』

 七時十五分になった。

 サクシードが出発する時間に、レンナとフローラ、ロデュスの三人が、見送りに庭先に出る。

「じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃい、サクシードさん!」

「気をつけて行ってらしてくださいね」

「行ってらっしゃい。お姉さんへのメール、送信しておくわね」

「ああ、頼む」

 手を上げて、離れの向こうの道路へ抜けていくサクシード。姿が見えなくなった。

「行っちゃいましたね……」

 ロデュスはどこか寂しげだ。

「そうですわね……慌ただしかったですけれど、反面、楽しくもありましたわね」

「うん……さてっと、今日からいつも通りかぁ! 気晴らしに散歩でも行こうかな」

 思いっきり伸びをしてからロデュスは言った。

 すると後ろから声がした。

「まずは日常に戻らないとな」

「ラファルガーさん、もう出勤ですか?」

 ラファルガーがバックパックを肩から下げて歩いてきた。

「……たまには早く行って、掃除でもしようと思ってな」

「偉いわ、ラファルガー。どこぞの散らかし魔王とは大違い!」

「ハハハ」

 みんなでひとしきり笑って、ラファルガーを送り出した。

 ロデュスもそのまま散歩に行くと言うので、レンナとフローラが残された。

「よーし、フローラ。お掃除頑張ろうね!」

「はい」

 二人は掃除の分担を決めて、それぞれ取り掛かった。


 サクシードは歩くのが速い。

 実はバッソール駅まで普通の人なら十分かかるところを、八分内で着くほどだ。

 駅に着いてホームで十五分ほど待つ。

 その間、辺りを見渡してみる。

 下りのホームの向こうは木立になっていて、なだらかに傾斜している。

 踏切が三十メートルほど向こうにあって、一本道が東に延びていた。

 その一本道の百メートルくらい先には、大きな道路があり、これが南北を貫く主街道である。

 右(南)側は開けて、広大な田畑と点在する家々。斜め後方はベッドタウンが林立している。

 左(北)側は葉を落とした木々が奥まで続いていて、集落は見えない。

 サッと視界を横切ったものがいる。鳥だ。ぴいぴい啼きながら遠ざかる。春本番はもう近いと知らせているようだ。長閑な光景にすっかりリラックスさせられた。

 再びPOAに配属されることに頭を切り替える。

 アナウンスが電車の到着を告げる。電車が来た。下ろしていたボクサーバッグを担ぎ直した。

 朝の通勤ラッシュで、車内は乗客でいっぱいだ。

 列の先頭で待っていたサクシードは、降りる数人の乗客を待って乗り込んだ。あとから乗り込む乗客のために、車内の中央まで進む。

 途中、女性客から漂ってくる香水の匂いに辟易して、結局、隣の出口まで来てつり革を掴んだ。

 間もなく電車は滑るように発車した。

 



 


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