『人物評価』
「どんな人たちかわかった?」
「ああ、個性派ぞろいだな」
「そうなのよね、どういうわけか集まっちゃって」
「レンナは人脈作りが上手いな」
「縁は異なもの味なものってね、呼ばれてナンボなのよ」
「武勇伝じゃないか」
「やめてー! 恥ずかしい」
階段を通り過ぎた左脇に洗面所はあった。
中は、右側に長い洗面台と鏡。左側には収納棚と洗濯機が二台据え付けてあった。
「収納棚のここは、サクシードが自由に使って。これ、お風呂と洗面セット。サービスだからもらってね。ファイアートに聞いたから、大概必要な物は入ってると思うんだけど、お風呂のお湯は終わったら流して。明日は六時半頃まで寝てていいわよ。あと何かある?」
「……特にないな」
「そう、それじゃごゆっくりどうぞ」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
レンナは洗面所の扉を閉めた。リビングに戻って来る途中で、部屋に電気スタンドがあるといいかもしれないと思ったが、明日にしようと思い直した。
レンナがリビングに戻ると、他の四人は談笑していた。
「何の話?」
「なぁレンナ、サクシードって見かけによらないよな」
ファイアートが意外そうに言う。
「なにが?」
「パッと見、強面じゃないか。でも冗談も通じるし、気楽に話もするし、肩揉まれても困ってるぐらいにして、なかなか味のあるヤツだと思ってさ」
「レンナさんに花束プレゼントするなんて、かっこいいですよね」
ロデュスが言うと、ファイアートが彼を指差した。
「それだよ、タイミング合わなきゃ台無しだっていうの。レンナ、惚れただろ」
「かっこいいって、ああいう人のことを言うのかな」
「……へ?」
しん、と静まり返る。
レンナは慌てて取りなす。
「一般論よ、一般論!」
「確かにかっこいいよ、サクシードは。ラファルガーとは別の意味でブレイクするね。硬派と見せかけて、穏やかな性格。意外性に富んでるよ」
顎を指で押さえて、ファイアートが評価する。
「レンナ、うかうかできないぞ」
「——バカね!」
プイッとそっぽを向くレンナ。
「熱血かと思ったら、違ったな」
ラファルガーが言うと、他が「うーん」と唸った。
「世界を転々としてたってことは、行く先々で衝突してたのかと思ってしまうけど、それはないよな、絶対」
断定するファイアート。
「きっと、惜しまれて辞めたんでしょうね」
ロデュスも肯定する。
「自己鍛錬を積んできたんだと思うわ。警備士の仕事って、体力もだけど忍耐が一番必要だって聞いたことあるもの。心が磨かれているのよ、きっと」
正直に、思うところを言うレンナ。
「彼は木陰を作る樹木ね。人に希望や生命力を与えて、動じることがないの。そんなふうになりたいと思ってきた人だわ。今度は私たちと、その力を分かち合うために、ここへ来たの」
フローラが大らかに表現して見せた。
「そういう人で良かったわ。ね、レンナさん」
「いい人で良かったってこと?」
「ええ」
「うん、いい人よね」
レンナは安心して人心地ついた。




